終わりの後の夜物語 全改稿のお知らせ

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当サイトで連載している終わりの後の夜物語 を全改稿しました。18万文字もありました…。見切り発車で書き始めているせいで、世界観などフワフワしていた面もあったので、主に設定回りを書き直しています。

大きな変更

清矢の母・草笛雫の存命

清矢の母こと草笛雫。とくに死んでる意味もなかったので存命に変更しました。主人公の現状をピンチにするには片親設定が良かったんですが、逆に詰みすぎているなと。今までの物語には登場していませんが、設定だけはありました。

押しの弱い麗しのピアニストって感じの人です。夜空と清矢の兄弟については、村で産めと強制された夜空のほうを苦手にしていて、清矢を溺愛しちゃっていた。

ただ、黙って流されるがままかというと、意外な頑固さを発揮することもあり。あまり活躍はできませんが、清矢たちの生活を下支えしていってもらいます。

伊藤敬文を攻め2に昇格

三話前半で出てきた祈月軍閥の参謀・伊藤敬文が、攻めに昇格します。

いわゆる破壊的変更ってやつですね。

理由は三つあります。

  1. 長い間書いてきて、自分の中のBL作品としての熱意が幼馴染の可愛い熱血攻め君だけでは足りなくなってしまったという 心理の必然。
  2. 次に、第六話以降が、同い年で子供の詠を相棒にしている状態では、必然的にスケールダウンしてしまうという 構造的問題。
  3. 最後に、打算アリの年の差庇護欲溺愛カップルが萌えるという カプの魅力。

幼馴染萌えって自分の好みとしてもずっとあって、大事にしていきたいと思ってたんですけど、敬文との組み合わせもまた自分が好きな年の差(10歳差)溺愛なので、抗えなかったよ…。

逆に充希とのカップリングはあんまりうまく発展させられる気がしないので、やめることに。清矢の友人として重要なのは変わらないですが。

昇格に従って敬文の設定もちょっと盛ってあります。詠とのラブが好きだった人すみません。違う作品にしてそっちで昇華するっていう可能性も、もちろんあると思うんだけど、自分はあんまり多くのキャラを愛せないほうなのです……

書くまで入れ込んでるんだから。たとえそれで作品の軸がブレちゃってもやっぱり本編にも反映させよかなと。単なる当て馬ではなくわりと打算的に敬文に乗り換えます。清矢くんはクレバーなのでそうなるんだけど、まぁ詠にとっては裏切りだよな。

夜空編をいったん取り下げ

アルカディア魔法大に一足先に到着していた夜空編がありました。しかしこれも今やパイロット版とも言うべきもので、夜空が実家から宝物をいくつも持ち逃げしている っていう設定になったため、ウィリアムがどんなに親身になってやっても所詮こいつは悪役、って感じになってしまいます。

そもそも志弦はどうしたんだ、夜空!

また、考えてるうちにグランドマスターの存在が自分の中でなぜか大きくなってきて、グランドマスター ダルス・アイヴィスは賄賂など貰っていたが善人ではあり、かつては運命塔の学生に親身な教師だった という感じに修正されていっちゃって、清矢きゅんが赴くにあたり直す部分も多くなっちゃってるんで、いったん下げます。

あと、シリル・クーリール・ド・リュミエールも、夜空とのトラブルにこだわり続けてしまいましたが、実はこの人、被害者だよなーって思うようになりました。夜空がロンシャンでいかがわしいマフィアと付き合ってるのは真実ですからね。あと、実は実家と切れているためにまったく身分の保証もないんですよ、夜空には。

夜空と清矢。

夜空は信念に従って全てを捨てた代わりに自由を手にした。 清矢は信念に従って全てを取り戻すが、国に首輪をつけられた軍用狼でしかない。

もう少し深く考えていきたい、兄弟葛藤のテーマです。

バックグラウンド周り

断片的にしか語られていなかったバックグラウンドですが、とりあえず源蔵まわりだけ年表で整理しました。

ざっくり言うと、北海道の魔界浄化で功のあった将軍がなぜか銀帝を退位させぶっコロしてしまったために国軍は権力争い。常春殿などの皇帝直属魔法軍は冬宮が長官なので貴族のよしみで源蔵支援。

という感じですね。

After Katastroph 1284,順和元年(献帝;灰狼;銀柳宮家)
  • 北海道の魔界浄化で功のあった藤内拓が大将軍になり、永帝の直系である錦帝を退位させ当時五歳の献帝を帝位につける「兜巾の変」が起きる。銀帝はその後藤内の部下・呂壱によって殺される。源蔵十五歳。
After Katastroph 1287, 順和四年
  • 藤内拓の圧政に対して諸勢が反旗を翻す「淦呂の乱」起こる。
  • 源蔵十八歳、中央に武官として勤めようと関根信、張本忠義らとともに国軍士官学校へ入学。地元の実力者・遠山に認められ、鷲津清隆とも知り合う。
  • 久緒宗光(21)に、長女楓が生まれる。
After Katastroph 1302,順和二十年
  • 藤内軍閥内で最強の名をほしいままにした呂壱剛毅、各地を放浪したのちに常春殿地方の雄となることをもくろみ、汐満市を取り囲む。源蔵らの策で一時仲間として受け入れられるが、鷲津清隆と組んで水面下で調略が進む。
  • 草笛雫、33歳で子宮の病になり長期入院。日の輝巫女の呪いもささやかれる。
  • 疾風(26歳)博士号取得後ロンシャンより帰還。博士号問題でアルカディア魔法大学とロンシャンの関係が冷え込む。
  • 夏目雅、鷲津と常春殿の計略(鷲津は人質にとろうとし、三島宙明は雅に殺されそうだったのでとっさに呪った)により夜空をかばって死亡。下手人は三島宙明。
  • 傷心の夜空は雅の葬式で号泣するなど、源蔵は戦時なのに扱いに困り果てる。雅は死の直前夜空へ遺書を残した。疾風はロンシャンに一時退避させる。不法入国を咎められた夜空(11歳)、エトランゼ・タウンにて一か月を過ごしてエリス、ゴーストらと知り合った後、ゴールドベルク氏の協力を得てID取得、ジェネラル入学。
  • しかし、雅は生前、清矢(9)との間での相続争いを夜空や志弦に対してほのめかしていた。祈月耀が生前かかわった粛清リストとともに、祈月の歴史遺産はすべて国外へ。
After Katastroph 1304,順和二十二年
  • 鷲津軍閥は遠山との決戦準備中。軍人をやめ参議となった遠山高志を仰ぐ祈月との対立。鷲津・祈月対立が明確に。
  • ・清矢(11)は常春殿神兵隊に参加、櫻庭詠と知り合う。神兵隊勢とは風祭家の耀暗殺疑惑で一時険悪化するが、黒衣衆は清矢につく。(常世の春の昼物語 第一話
After Katastroph 1305,順和二十三年
  • 愛野京、医師免許後、僻地研修医を経てマスターウィザード資格を取得。グリーク待機魔術師となることを避け、帰還の途につく。サニー・P・サチパス、アルカディア魔法大学錬金房にて論文提出にてアルケミスト資格取得、グリーク再招集、陶春魔法大学に教員として派遣決定。愛野京とともに日本へ向かうことに。
  • 愛野京(29歳)、ロンシャンに到着、転送石にて帰還。夜空(14歳)を連れ帰ろうとするものの、ポール(10歳)や馮月龍(15歳)とともにセバスチャン・ヨハネス・ゴールドベルク(10歳)の傅役をしていたために断られる。一連の事件を知り、空輸で日本に辿り着いたサニー・P・サチパスとともに教員となる。
  • 清矢、渚村の仲間たちや詠とともに、三島宙明を取り押さえることに成功、呪殺を証言して、裁きを受けさせる。(常世の春の昼物語 第二話
  • 伊藤敬文は22歳。
After Katastroph 1306,順和二十四年
  • 伊藤敬文(23)、国軍士官学校修了後、退魔科任官拒否で普通科へ。源蔵の部下になる。
  • 遠山高志、本拠陶春地方旧海軍大社基地跡での血戦にて鷲津に破れ自刃。
  • 祈月源蔵、国軍を首になる。遠山残党を集め軍閥として民間軍事会社を組織し、恵安県で雇われる。
After Katastroph 1308,順和二十六年 ※清矢15歳
  • 日本では源蔵が鷲津軍閥により中央の恵林州を追われ、清涼殿方面に逃避行。詠は清矢を心配する。(盛夏の夜の魂祭り 第三話~第四話
  • 月華神殿は祈月支援のため、16歳の望月充希を派遣。
  • 伊藤敬文が参謀として陶春地方を訪ね、結城・魔法大学の調略のち鷲津氏に降ろうとする。十五歳の清矢、ライトニングボルトで彼を負かし、リュミエールドイリゼを見せて、汎用系魔法の威力を知らしめる。途中参加の参謀陣にも、新月刀紛失の事態が知られる。
  • 夜空と新月刀捜索のため、グリーク魔法大学へ天河泪の招集要請。また、日本の内乱に危機を感じたグリーク派閥の学長、小野泰村(51)に学長を任せ、帰国。
  • もめていた結城疾風(32)と楓姫(22)の結婚だが、成立することになる。
After Katastroph 1309,順和二十七年 ※清矢16歳、夜空18歳
  • 六月、日本では樹津川を挟んで虎雄・祈月対鷲津の決戦。常春殿・国立魔法大学は祈月支援。清風殿の風魔術に押し戻された鷲津方の船舶はみな海に沈んだ。
  • 八月、清矢は偽夜空の詮議のため月華神殿地方へ。「冬宮」の娘・朱莉など、月華神殿の者と出会い、充希・詠や神官長とともに夜空に化けていた悪魔を倒す。その後伊藤敬文と日本南海を逃避行したのち復帰。(月華離宮の伏魔殿 第五話

ということで続きもよろしくお願いします。