盛夏の夜の魂祭り(第四話)草迷宮の開く宵(2)
6 至極殿よりの使者 ビルにたどり着いて執務室に居残る参謀たちに危機を訴えると、若者たちは緊急で会議室に集められた。 伊藤敬文は事態を憂う。 「至極殿紫天宮は帝都が管轄。鷲津とのつながりかもしれない。よくない...
6 至極殿よりの使者 ビルにたどり着いて執務室に居残る参謀たちに危機を訴えると、若者たちは緊急で会議室に集められた。 伊藤敬文は事態を憂う。 「至極殿紫天宮は帝都が管轄。鷲津とのつながりかもしれない。よくない...
1 恋ゆえのあやまち 古今東西、恋のパワーとは恐ろしい。 初恋の僧に会うために八百八町を炎に染める、それだけの危うい熱意に満ちている。 恐ろしい術師が渚村を襲った悪夢から数日後。夏目雅は幽明の境を漂っていた。...
05 抜けば珠散る恋風魔風 十五にもなれば、男子も女子も色気づく。 彼女は今年の四月に、桜風のようにやってきたと、クラスメイトの高梨は言った。 どうにも十五にしては雰囲気が大人っぽい。細い体は均整がとれていて、...
01 幻想と崩壊のラ・ヴァルス 三拍子のリズムが不吉な旋律で響く。交響詩が描くのは、ガラスのハイヒールを履いた女性の手を夜会服の男性が取り、熱に浮かされたように踊る幻想だ。かかっているのはモーリス・ラヴェル...