Filtering for "Yomi-and-Seiya"

お題「鼻歌」 「小さな幸せ」

お題「鼻歌」 「小さな幸せ」

理想郷での夢物語

 俺は夏が好き。冷え性で冬は末端が冷えるから。風属性塔のサロンでそう言ったらルームメイトの充希は反論した。 「えー、清矢くんに似合う季節って冬じゃない。夏男は俺でしょ? 海辺のアバンチュール、階段でかじるオレンジだよ」 「冷たい性格とかそういう俺への間違ったイメージじゃねぇだろう … ...

直情お人よしオオカミは同い年の幼なじみに心身甘やかされてますっ!

直情お人よしオオカミは同い年の幼なじみに心身甘やかされてますっ!

理想郷での夢物語

 同室の黒須イアソン先輩が風邪で熱なんか出したので、俺が寮の仕事を代わってあげることになって。五時に起きてカセラドルに集合したらそこにいたのはサボリに厳しいウィリアム・エヴァ・マリーベル。何でイアソンが来ないって難癖から始まって、冷や汗かいて説明してから、たっぷり一時間かけて聖堂 … ...

常世の昼の春物語(第一話)俺はホントは白いオオカミ

常世の昼の春物語(第一話)俺はホントは白いオオカミ

終わりの後の夜物語

 俺の世界が広がったのは、十一歳のときだった。 新しく神兵隊に入ってきたその子は、当時からまっこと綺麗な男だった。 1 不思議になつかしいあの音 日ノ本の春は桜舞い散る典雅な季節である。ことに、常春殿地方ではヤマザクラやソメイヨシノの錦模様が爛漫と輝き、うすくれないの花弁が雲 … ...

お題「クリスマス・イヴ」「ケーキ」

お題「クリスマス・イヴ」「ケーキ」

終わりの後の夜物語

 アルカディア魔法大学はクリスマス休暇だ。俺たち極東からの入学生は、たった一か月半の休み程度で日ノ本に帰るわけにはいかないから、居残り組に入っている。だけど世話になってる黒須先生とその息子さんのイアソンは帰るっていうんで、俺は堂々と恋人の詠の部屋に入り浸ることができていた。聖属性 … ...

お題「雑誌」「モデル」

お題「雑誌」「モデル」

理想郷での夢物語

 金曜は同室の黒須イアソンが全コマ授業の日で、俺は餌付けかよって思いながらもガムとかロリポップとかジュースとか、ともかくしゅわしゅわ甘いものを用意して、あとは念のため、一応念のためにハンドクリームの残量を確認して部屋もばっちり掃除した。四限が終わると俺は清矢くんを誘った。 ...

お題「抱擁」「ぬくもり」

お題「抱擁」「ぬくもり」

理想郷での夢物語

 衝撃シーン。そう思ってしまったのは何でだろうか。家宝のほとんどを持ち逃げし、返さないと頑強に言い張っていた兄、祈月夜空が、「カナリアのような」と呼ぶ少年と愛を交わし合ってるのを見てしまった。 それは一瞬だったけれど、段の入った長い髪を、さらりとウィリアムがすくいとった。そして … ...

お題「余韻」「残香」

お題「余韻」「残香」

理想郷での夢物語

 俺の清矢(せいや)くんは軍で働くために鍛錬もするけど、いつもデオドラントにまで気を使ってる。日本での神兵隊訓練の後はよく拭きとってハッカ油のスプレーをしてたし、自分でくんくん匂いを確かめてる。使い過ぎてハミガキ粉みたいな香りになっちゃって、目にしみる、なんて言って笑ったりとか。 … ...

お題「朝ごはん」「おはよう」

お題「朝ごはん」「おはよう」

理想郷での夢物語

 兄・夜空から無事御家の重宝を取り戻し、アルカディア魔法大学に入学した祈月清矢(きげつ・せいや)は、土曜一時限目の授業、「アルカディア島講義」に出席していた。新入生必修授業である。魔法の専門教育ではなく、アルカディア島の公用語およびその歴史を学ぶ総合教養科目だ。 ...

お題「星月夜」

お題「星月夜」

理想郷での夢物語

 アルカディア魔法大学は新入生の入寮をひとしきり終え、後は入学式を待つばかりとなっていた。魔力選抜十二番通過の櫻庭詠(さくらば・よみ)は聖属性塔を出て、ちょうど学園都市中心部に位置するローク神殿付属・風属性塔に向かっていた。 ...