新サクラ大戦 トロコン感想

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SEGAの新サクラ大戦をPS5でトロコンしたので感想を古参が愚痴ってみる。

プレイ状況

トロコン済。セーブデータ上は2週で、5人のヒロインすべてとのEDを迎えました。 ちなみに筆者は 旧作をすべてプレイしており、すみれファン です。

よかった点

大帝国劇場が3D化し、懐かしいあの劇場内を実際に歩き回れるようになった。

大帝国劇場をはじめ、スチームパンク太正時代の街並みが3D再現されており、雰囲気を感じられます。とくに大帝国劇場前と停留所が風情あっていいですね。カメラは固定になっていますが、コマンド式アドベンチャーゲームと考えればそう気になりません。

かつての花組の乙女たちが集っていたサロンや資料室を3Dで見たときには軽く感動でした。

キャラの3Dモデリングも可愛く、一枚絵CGやアニメで描かれる見せ場は豪華

ここはサクラ大戦を踏襲し、進化させた部分だと思います。アニメの作画が少し崩壊している点(共通EDとか)は多少気になりますが、3Dモデリングは非常に可愛く魅力的です。一枚絵のCGや、アニメに関して、統一感がないと批判する意見も見ましたが私は大丈夫でした。むしろ、3Dモデルだけでは表現できない要素を広げることができる点としてプラスに見ています。

ただ一枚絵CGは面白いものが多いのでもう少し大きく表示してほしかったかもしれません。

シミュレーションからアクションに変更

戦略シミュレーションから無双系アクションに戦闘が変更になりました。戦闘は、淡々と倒す感じがありますが、簡単でジャスト回避からの一閃を覚えてしまえば面白みもあります。

旧作キャラとして神崎すみれが大帝国劇場支配人として出演

唯一、旧作とのつながりを強く感じられる要素でしょう。すみれはメインキャラデザの久保帯人さんにリデザインされ、大帝国劇場支配人として主人公の上司になります。その他の旧作キャラは全員、幻都という魔空間に封印されてしまっているのですが、すみれだけは彼女たちの帰還を祈っており、ストーリーにバックボーンを与えてます。

キャラとして一貫性がないように思う場面もありますが、おおむね大丈夫だと思います。富沢さんの熱演が光ります。

音楽が田中公平さん続投

サクラ大戦の最大の特徴が音楽といっても過言ではないと思いますが、旧作スタッフから田中さんが続投しており新曲を作っています。ゲキテイ新章のおかげで新サクラのメンバーも正式にサクラ大戦ワールドの一員となれた感あります。懐かしいBGMもあり、あらためてクオリティの高さに脱帽です。

攻略キャラがみんな「サクラ大戦のヒロイン」て感じ

たとえば天宮さくらは喜怒哀楽が激しくて、清楚な見た目に反して扱いづらい感じですし、クラリスは気弱なチョロインかと思いきや「死んでください!」とかわいい声で罵ってきますwアナスタシアは女優魂持ってるし、あざみはともかく忍者の設定と幼さが嚙み合ってて可愛い。初穂も気っぷがよくてムードメーカーで、桐島カンナの次の赤色担当としていい感じです。

好感度の上下がお飾りでなく、LIPSの選択も一筋縄ではいかない点はサクラ大戦してていいと思います。とくにあざみがお気に入りです。

世界華撃団のメンバーが女性ばかりでなくイケメンもいる

はっきり言って男性ファンにはどうでもいいでしょうが、個人的には嬉しかったw 男女比が異常だと薄っぺらさがすごいですから。ジャン班長やムッシュ迫水、米田中将やもちろん加山、薔薇組などの男性陣もサクラ大戦の世界観をを骨太にする大切なキャラたちだったと思います。その点、親友の司馬令士はいい塩梅でしたね。紅蘭よりも発明しとる……

イマイチだった点

旧作ファンなのでどうしても文句は出てきてしまいますが、まぁ一点につきます。 シナリオの展開が不自然。

シナリオライターや構成を変更したのは果たして英断だったんでしょうか。非常に疑問を感じます。令和の今、ADVゲームというと、ストーリーがいいのは当たり前の売りだと思います。たとえ勧善懲悪でベタベタであったとしても、もう少し自然できめ細かな展開はできなかったものでしょうか? 華撃団大戦があるので、今のライターさんにしたのでしょうが、不満が多いです。(構成さんやライターさんの代表作に関しては好きなものが多いです…)この出来なら、広井王子さんやあかほりさとるさんの続投のほうがいい点が多かったんじゃないでしょうか。以下、マイナスポイント。

ヒロイン間の格差

初穂のメイン回がほとんどさくらの話になっています。せっかく実家に帰るというネタがあったんだから、東雲神社をやればよかったのでは…? ほとんど立ち寄らないカフェ・ジルドレを作るくらいなら、東雲神社に行ってみたかったです。まぁさくらと完全に話がかぶってしまうのでオミットしたんでしょうが、攻略キャラの扱いがこんなんでいいんでしょうか?

取ってつけたような悩みを抱えてるコミュニケーションモードも何だか無理があるし、キャラの掘り下げがなさすぎて可哀そう。 どうせならあと一話くらい追加してもよかったのではないでしょうか。全八話はⅤでも不満が出ていた長さです。

世界華撃団大戦

世界各都市の華撃団が戦技や演武を競うという「華撃団大戦」の要素が組み込まれました。負けると帝劇解散ってところもガルパンに似ています。一見世界観が広がりそうですが、ライバルたちにはこちらへの最低限のリスペクトすらなく、みんな嫌味ばっかり言ってくるので、キャラを好きになれませんでした。

とくに、上海華撃団。一話バトルでの仲間割れはわけがわからないです。どうして敵地で友軍であるさくらを攻撃する必要があるのか。

そのあとどんなに中華料理屋で美味しい料理をふるまわれても、一話でのさくら攻撃の件が頭をよぎり、素直に仲間と思えません。ユイもさくらのこといきなり平手するし。こいつらは口より先に手が出るタイプなんですか?

倫敦華撃団もいきなりホテルで襲いかかるというスポーツマンシップのない行動に騎士の誇りとはいったい…となりますし、伯林についてはエリスはマシなような気もしますがやっぱりマルガレーテの侮辱がきつすぎます。

今回、帝劇内が比較的仲間割れもせず仲良しなんで、外部に対立を作ってるのかなと思いますが、昨日今日帝都にやってきただけの人たちの華撃団が解散するから勝負するのが気が引けるとか説教されても、さんざん罵倒された後だけに全然感情移入できないです。

まぁ各華撃団はストーリーではねじ伏せられるだけの存在ですが、こういう「ざまあ」的なシナリオの作りって流行りですが私は嫌いですね。それは敵幹部が担えばいいことのような気がします。とくにユイはキャラデザはすごく気に入ったので残念に思いました。

旧作キャラの扱い

まぁこれはどうしようもない大人の事情ですね。かえでさんや加山を出し始めたら収拾がつかないし、新キャラたちの活躍がかすんでしまいます。ただ、すみれが帝劇メンバーの演技を放置していたりポンコツ司令なのはかなり気にかかりますね。

放置される謎

村雨白秋さんは何者? とか、幻都にとらわれた旧作メンバーの消息とかが投げっぱなしすぎます。中でも村雨さんに関してはアニメなどメディアミックスで正体が語られているようですが、ゲームだけやろうと思った人には不親切ではないでしょうか。他媒体または続編で扱うよ! みたいな販促は萎えます…最初からメディアミックスが決まっているIPなので難しいところもあったとは思うんですが、そこは新キャラ投入じゃいけなかったのかな。

宝塚感が薄れた

もうこれは広井さんじゃなくなっただけに仕方ないんでしょうが、劇場感がないです。舞台も破壊されてしまうし。EDのアイドルマスターみたいな演出はレトロ感すら失われていて萎えました。サクラ大戦のEDはⅤまでずっと素晴らしい時間だったと思います。あっさり軽いものにされてしまった感があります…アナスタシアの男装姿もっと見たかったな。