常世の昼の春物語(第二話)相棒は俺にヒミツを許してくれない(2)
06 若人たちのつどい 翌日、清矢は小学校が終わると広大を誘って渚村の夏目私塾に寄った。広大も、昨夜の結城博士の訪問が気になっているらしい。夜空についての話があると言って、大分閑散としてしまった夏目家に入れ...
06 若人たちのつどい 翌日、清矢は小学校が終わると広大を誘って渚村の夏目私塾に寄った。広大も、昨夜の結城博士の訪問が気になっているらしい。夜空についての話があると言って、大分閑散としてしまった夏目家に入れ...
01 夏目雅呪殺事件 三年前、陶春県汐満市渚村。八月某日。村の中央会館にて、とある人物の葬式が行われていた。永劫の帝こと『永帝』を歓待するために、たった十二日間で季節の風流を味わいつくした『春夏秋冬の宴』以...
俺の世界が広がったのは、十一歳のときだった。 新しく神兵隊に入ってきたその子は、当時からまっこと綺麗な男だった。 1 不思議になつかしいあの音 日ノ本の春は桜舞い散る典雅な季節である。ことに、常春殿地方ではヤ...