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あおうま
本サイトをいろいろと更新しました。

中でも大きいのは終わりの後の夜物語全改稿のお知らせ  かな。

すでにこの「てがろぐ」でもSSを載せていますが、次の「第六話」から三話で初登場した伊藤敬文さん(26)×祈月清矢くん(16)の年齢差カプがメインになってしまいます。どうするかはかなり迷っていましたが、一か月以上たっちゃったし、萌えが収まる気配もないので決断することにしました。大まかなストーリーラインは変わりませんです。
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あおうま
#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #敬文×清矢

お題「映画鑑賞」「暗闇」

 敬文と活動映画見に来てる。たまの息抜きにどう? って誘ってきたから、俺も嬉しくなってついてった。ポップコーンやメロンソーダ買って、始まる前からワクワクしてる。

「俺、映画なんて大学生で初めて行ったよ」
「えぇー? 俺はたまにばあちゃんとか、母さんとか……あと友達とかとも! ま、こっちだって映画館県内に少ししかないけど」
「帝都までは行こうと思えば行けるんだけど、それよりは剣やる方が楽しくって。今も見るのは戦争とかアクションばっかり。だから女の子にはウケ悪くってさ」

 そうやっておしゃべりしながらチケット買って入ってくのはSF映画だった。巨大隕石が落ちてきて世界が滅亡する前に……!? っていう世紀末モノ。上映前の注意があって、照明が落ちて、ザワザワしてた館内も静かになる。

 俺はスクリーンの明りに照らされた年上の人の横顔を見る。
 女の子とかともこうやってデートしたりしたのかな。
 そん時、その子はやっぱり暗闇の中敬文のこと盗み見てたのかな。
 それとも、逆?
 話なんかそっちのけで敬文を見つめてると、ふいに目が合った。

「……清矢くん」

 敬文は小さく名前呼んで、座席の手すりの下に手をくぐらせて、素知らぬ風で膝上の俺の手にかぶせた。俺は思わずドキッとして、スクリーンに集中しようとする。大音量でパニックになった人たちの声が流れてる。カットは次々切り替わって、街角、家庭、マスコミに政府。そして特命機関の主人公たちの話に戻る。

 手のひらから優しい体温が伝わってくる。
 いっそぎゅって握ってくれたらいいのに。
 俺たちは傍から見たらただの少年と大人の二人組なのに、肩なんて抱いてきちゃったらどうしよ。

 筋には集中できなかった。クライマックスは主役が政府の人間を倒しながら戦術核発射ボタンを押して隕石を粉砕した。その後は長身モデル演じるヒロインとのラブシーンだ。俺はとくに感動はしなかった。すすり泣いてる人もいる。

 終わった後、少し人波が引けるまで待って、俺たちは座席を立った。食べ残しを捨てて、施設を出ると敬文が手を握ってくる。

「この後どこ行く? まっすぐ帰るなんて俺はいやだな」
「……あのね敬文。俺、やっぱ抱きしめてほしい。喫茶店とか行っちゃう前に」
「わかった。ちょっとこっちにおいで」

 敬文はちょっと陰のあるストイックな顔したまま、非常口に繋がるちょい奥まった廊下に俺を誘い込んで、リクエスト通りにした。

 背中を愛おしげに撫でてく手のひら。こめかみに押し付けられる唇。年齢も思い出も何にも共通点がないから、触れ合いだけに貪欲になる。暗闇の中に置き去りにされた迷子みたいに、俺は年上の男に力一杯すがり付いた。(了)
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あおうま
#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #敬文×清矢

お題:「夏の終わり」「言えなかったこと」

 伊藤敬文は祈月家二階の客間、自室として借り受けているそこで、主君の息子を抱擁していた。二十八歳と十八歳、十歳差。まだ高校生で、遠き魔術師の理想郷、アルカディア魔法大受験のための準備が忙しい。伊藤敬文も去年三月に国軍に士官として復帰し、夏の間だけそこに来ていた。
 古い型の冷えすぎる冷房を嫌って、宵闇へと窓が開け放たれている。ぬるい空気、汗ばんでべとつく肌。それなのに抱き合ってキスしている。かすめるだけじゃ足りずに舌まで出している。
「ごめん、敬文……! 俺、もう無理、耐えらんない、敬文に抱かれちゃいたい」
「そだね、うん……好きだよ、君が好きだ、俺だって心臓ごと捧げたい」
 少年と大人の恋だった。伊藤敬文は士官学校卒業後退魔科任官拒否で古都大修士号、そののち国軍普通科志願、少年の父、祈月源蔵の派閥にあった。一時軍閥落ちがあったが復帰である。
 抱きしめながらキスしながら体の輪郭をデッサンするみたいに手のひらでさすりながら敬文は思う。だって耐えられるわけがない。俺が見つけて俺が戦に連れてってその後も力ずくで誘拐されちゃいそうで初めて怖いって怯えてみせて俺に全力で甘えた子が求めてきてるんだから。
 逃避行ののち、少年の故郷までたどり着いてその後そばにいた。求められるがままに父親の与えていない庇護と溺愛で包み込んできた。
 その罪深さを思うとときどき怖くなる。夜の海みたいな底知れない深み。
「身体、苦しい? でも……ひとりで何とかできるね?」
 少女と違って少年だからな、とズルい大人は思う。自分を支配する性欲から逃れられないから、手籠めにするのは本当に簡単である。手伝ってあげると申し出ればいい。俺も君と繋がりたいって言えばいい。男同士の恋愛にプラトニックなんてありえない。
 ……清矢さま、なんて悪い子だろう。他は完璧すぎる優等生なのに俺みたいな男に抱かれちゃうなんてとんだスキャンダル。同い年の親友は毛を逆立てて怒るだろうな。
 腕の中の清矢は絶望の瞳で見上げてきて、敬文の胴を抱きしめてけだものっぽく頬ずりする。すうっと深呼吸して男の汗の香りまで味わって、こくんと小さくうなずく。
 伊藤敬文は頬に曲げた指をあてがいながら命じる。
「……うん、いい子だ。卒業したら、ひとりで俺の部屋に来て」
「敬文、そしたら俺の恋人になってくれる?」
 敬文はうなずき、か細いからだを掻き抱いてキスをした。ひどく危うい夏の、それが終わりだった。(了)
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あおうま
#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #敬文×清矢
お題「かき氷」「食べ比べ」

 「今夜は納涼のごちそうだ」と言って清矢様の母君が台所の棚から取り出したのが手回しのかき氷機。氷を砕くだけあって刃は厚い。清矢様の祖母が「いちいちシロップ買ってくるのも手間だから」と果実酢や梅酒を用意している。俺の主君である源蔵様の愛息である清矢様は「えーっ、氷は買って来んだから同じだよ。俺レモンがいい!」とワガママ全開である。
 俺、伊藤敬文は彼らの一時的な護衛。陶春県の政治情勢を軍閥に伝えるために祈月家に寄宿している。暇をもてあましてもしょうがないから、隙を見て清矢様への軍学や剣の師匠をやっている。そのあと始まったのはかき氷のシロップ談義。
「清矢は本当にレモンでいいのかい?」
「ならレモン汁かければいいじゃない。あたしは練乳をミルクで溶いてかけようかな?」
「あたしはざくろ酢でいいよ。清矢も紫蘇ジュースでいいじゃないか」
「梅酒もいいね。うちで作ったお手製だし。敬文さんは?」
 俺はそう言われて腕組みして微笑む。
「……俺も梅酒がいいです」
「大人はそんなにお酒がいいの? 俺、別にイチゴでも構わないけど」
 きょとんと聞き返す清矢様。年齢差を感じさせる素朴な疑問だ。ほんとに可愛くて、ただ抱きしめたくなる。ストレートの強い髪質をひたすら梳いてやりたい。清矢様の母君はくつろいだ調子で注意する。
「清矢はお酒はダメ。でも雪みたいな一碗に日本酒注ぐってのもいいわね~。張本さんとこに頼もうかしら?」
「張本酒造の日本酒は薄めたくないなぁ」
 清酒の上品を味わえるとあっては思わず頬がゆるむ。結局今夜はテストということでしそジュースやざくろ酢や梅酒を合わせることになった。みょうがを合わせた薬味そうめんとサラダ添えの生姜焼きで腹を満たした後はお楽しみタイム。清矢様と一緒に氷を削る。店のようにふんわりとは削れやしないが、清矢様が澄ました顔でガラスの椀をかかげて目を輝かせる姿がただひたすら愛しい。
 ……なんでこんなに可愛いのかな。上司の息子なのに。
 切ない理由だけはよくわかる。恋心なんて正気じゃないし、性的なことは無理強いになるし、同い年の少年とコロコロ遊んでるときが素だからだ。かき氷はざくろ酢はたしかに美味。梅酒には林檎ジャムをつけて、しそジュースは正直薄まってるだけ。
 いつか梅酒で酔っちゃった君を抱きしめてキスできたらな。ふしだらなときめきを隠しながら、俺は清矢様の頭をぐしゃぐしゃに撫でた。(了)
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あおうま
#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #敬文×清矢

お題「お盆休み」「帰りたくない」伊藤敬文(25歳)×祈月清矢(16歳)

 伊藤敬文は陶春県の祈月本宅のベランダに腰かけていた。隣では、清矢がハープで家に伝わる風の契約曲「風の歌」を弾いている。豚の焼き物に蚊取り線香が焚かれ、音楽が止んだ。本日の指のレッスンは終了だ。座る少年との年齢差はちょうど九歳、二十五歳と十六歳の主従だった。どちらが主でどちらが従なのか。戦争に連れ出した男と連れ出された少年。剣の師匠で軍学の先生。影のある魔法剣士になった敬文と、冷静だが魔力抜群の清矢の組み合わせは、双方実直な性格ながらも、ある種の破戒であった。
 終止とともに魔術で呼ばれた風が消える。敬文は胸が苦しくなった。居間から漏れる団らんの光、蚊取り線香の除虫菊の香り、扇風機の風と汗ばむ温度、お盆の精霊燈、すべてが懐かしいのに自分の田舎と決定的に違う。ここには海鳴りがない。
「お疲れ様。軽く剣撃してから寝ようか?」
 澄んでいるのに少しかすれた声。抱き寄せたいのにキスしたいのに清矢の家族の前でそんなことはできなかった。家宝の剣の一振り、翠流剣を取って庭先に誘う。
 清矢も片刃剣で向き直る。夜、家屋の光のみを頼りに二人の影絵が浮かぶ。鎧もつけないで真剣を合わせる。剣筋のみ見る。剣気で斬らないように、絶対肌を裂かないように、危険なひりつく基礎練。
 十五分で切り上げる。それで息は上がる。こうして敵と戦う際の集中力だけを高める。ご褒美で抱きすくめてやりたい敬文だが、汗ばんだところで切り上げて、水だけ飲んで二階に引き上げる。客間になっている部屋で濡れタオルで全身を拭いていると清矢が現れた。
「ケイブン、お盆休み終わったら帰っちゃう?」
 少年は敬文を有識読みの愛称で呼んだ。
「――そうしてもいいけれど。こっちの地方の人間関係や政治を把握しなきゃ、今後動けない。だからもう少し、君を見ていたい」
 敬文は軍閥からつけられた清矢や陶春地方の見張り兼参謀兼護衛であった。家庭教師の名目である。愛情深い黒目で見つめ、抱き寄せる。清矢は糸を話されたからくり人形のようにその腕に落ちた。幼馴染が好きなはずなのに、彼とのつたない恋で充分なはずなのに、敬文の汗の匂いにどうしても抗えなかった。夏の始まりの苦くて爽やかな匂い。グレープフルーツに少し似た。清矢は自分に芽生えはじめた庇護欲に怯える。
「キ、キスはしない。だって俺……好きな人いる」
「大丈夫、清矢さま……恋とかどうとか関係ない。俺が君を守るから」
 厚い手のひらが髪をかきあげてしゃにむに抱きすくめる。窓だけ開け放った夏の夜、二匹のけだものが情をこらえて寄り添い合う。(了)
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あおうま
清矢くんたちの本編を更新しました。
プロットの日付を見ると去年の十一月には骨組みはほとんどできていたんですが…
ゲームやってたんで遅くなりました

月華離宮の伏魔宴(第五話)夜空と清矢の当主対決(1)

山陰の常春殿、京都の清涼殿ときて、今度は北陸の月華神殿です。
充希のふるさとなんだけどあまり活躍させられなかった…!
詠ちゃんとはイチャイチャしています。
あとは虫も殺さぬ顔した姫宮さまがお気に入りです。

次の話の展開を考えないとなー
本来なら帝都の至極殿編が来るのがすわりがいいんでしょうが
一度ふるさとに戻る予定です。それで日本編は終わりかな。
がんばります…!
感想もらえたら超嬉しい。#ComingOutofMagicianYozora #詠×清矢 #[創作BL]
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あおうま
清矢くんたちの話の本編をようやく更新しました。
夏が終わっちゃった気配がした~

盛夏の夜の魂祭り(第四話)草迷宮の開く宵(1)

今回出て来る零時はムッシュ・ド・パリの零時(カイ)と同一人物です
スターシステムというわけではないけど、今後あっちは書かなさそうなので…
詠と清矢もそろそろ恋人になれそうです。良かったー
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あおうま
#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #詠×清矢 #ComingOutofMagicianYozora

お題「夏の風物詩」

 長い水平線を望むビーチに、シートを引いて水着姿の人々がごろごろと横たわっている。
 みんなサンタンスキンを手に入れようと、のんびり体を焦がしているのだ。
 べつに焼けたくない俺は借りたビーチパラソルの下でサングラスをかけなおし、あくびをした。
 アルカディア魔法大学にやってきてから三度目の夏である。今年は日本に居座らず、早めにこの国に戻ってきた。
 充希はヨーロッパ旅行に出てしまっててまだ合流してない。波打ち際で遊んでた詠(よみ)が、手を振ってくる。
「せいやくん! なぁ、一緒に泳ごうぜ! ブイまで行ってみようよ!」
 俺はラッシュガードを脱ぎ捨てて、無邪気な笑顔の詠のほうへ歩き出した。詠の肌は今日の海遊びでちょっと日焼けして、波に濡れて光ってる。剣士らしく肩の筋肉が盛り上がり、割れた腹やむっちりした胸、太ももまでバッチリさらけ出したサービス満点の水着姿だ。波打ち際で気前いい半裸のにーちゃんがキラキラ笑う姿に、俺は一瞬クラっと来た。
 下心を隠しもせずに微笑んで、水向ける。
「詠、なぁ、ちょっと浜辺で休まねぇ? お前ずっと泳いでただろ?」
「別に疲れてねぇし。なあ、一緒に競争しようよ」
 二十歳も過ぎたってのに詠は元気で無邪気だ。俺は苦笑しながら詠をじっくり眺めてた。いやぁ、ケモミミもぴょこぴょこしてるし、くっきり二重の精力的なお顔は全力笑顔。振られてるしっぽは濡れて細くなってる。俺の恋人はカワイイねぇ。
 箱入りの俺はゴーグルないんだよなとか思いつつ、詠とともに沖合へ駆けてった。押しかけてくる波に逆らいつつ、ストイックに泳いでく。ブイのそばで立ち泳ぎしながら、笑い合って浜辺までターン。足の裏を波にまかれてく砂の感覚にぞわぞわしつつ、戻ってドリンク飲んだ。詠はタオルで体を拭こうとする。俺はそれをちょっと押しとどめて、ふんわりした胸のなだらかな山をぺろっと舐めた。海の塩味が強烈だ。
「せ、清矢っ! 何やってんだよ!」
「んー? 詠が見せびらかしてくるから、味見♥」
 詠は照れたのか、ちょっと体をねじって避けて、俺の頭を押さえつけ、熱くキスしてきた。唾液の甘い味。この後は夕暮れに、オーシャンビューのバーで海鮮食べながらの乾杯までがセットなんだ。火照る身体もてあましながら、俺たちは夏を満喫中だった。(了)
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清矢くんたちの話の番外編を更新しました。

First aid panic

アルカディア魔法大一年修了のお祝い飲みで、フェチは何?と聞かれたフェチのない詠ちゃんが地雷を踏んでしまい、仲直りエッチをします。ばんそうこうを乳首に貼ったり清矢くんの清矢くんをリボンで縛ったりしますがあくまで清矢くん大好きな詠ちゃんは何にも目覚めません!

さっさとこの時間軸まで原作を進めるべく頑張っています。詠ちゃんもハスハス
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あおうま
お題「イケボ」#[創作BL版深夜の60分一本勝負] #詠×清矢 #ComingOutofMagicianYozora

 アルカディア魔法大学三年次、聖属性塔の学祭の出し物はハレルヤコーラス。聖歌隊には入らなかった俺、櫻庭詠(さくらば・よみ)はバリトンに割り当てられて難しい楽譜に四苦八苦してた。風属性塔の音楽室で清矢くんがピアノに腰かけメロディを弾いてくれる。そしてテノールのパートを歌ってくれる。
「For The Load God omnipotent reignth,Halleluja! Halleluja!」
 ハレルヤから音が分かれるけど俺はつられてしまってまともにできなかった。清矢くんは苦笑して言った。
「まず俺の声につられない……ってとこからかな? 自分の耳ふさぐといいぜ」
 俺はケモミミと人の耳を両方腕でふさいでやってみた。でも今度はピアノが聞こえないから歌を入れられない。清矢くんは次はピアノでしっかり俺のパートを弾いてくれた。それでなんとか大丈夫。
「ちゃんと自分のパート覚えねぇと、詠。俺の耳元で歌ってみ?」
 清矢くんはそう言って折りたたみ椅子で唸る俺のほうへやってきた。そしてケモ耳をじっとこっちに傾ける。俺はこわごわ歌った。
「もっと腹に力入れてな。下半身どっしりって感じで……そうそう、上手いぜ、いい声♥」
 清矢くんはそうして俺をほめてくれる。俺はいい気になって朗々と歌う。遠し終わると、清矢くんはふわりとピアノの椅子に戻った。
「じゃあ仕上げな」
 そう言って伴奏を弾いてくれる。俺は楽譜を見て音程の上がり下がりを復習しながら歌った。ちょっとだけ自信がもてる。清矢くんはピアノのふたを閉めて、俺を寮部屋のほうに誘った。ベッドにふたりで腰かけて、俺は清矢くんの腰を捕まえ、じっと見つめ合う。
「なあ、清矢サマに愛ささやいて。超とろけちゃうスウィートボイスで♥」
「うん……今ならとびきりいい声でそう」
 そして俺は精一杯格好つけて、甘い声でこっそり告げた。
「清矢くん、愛してる……! 一生守り通すから、覚悟しとけ」
 上手く誘ってくれてほんと大好き。『ありがとう』の気持ちまで込めて、俺は恋人のきれーなカラダ、大事に大事に撫でまわしはじめた。(了)