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NovelAIを使って夜空たちの画像を生成しています。#ComingOutofMagicianYozora #AIart
これはかわいくできた
プロンプトも載せておきます
「twinkle eyes,round face,sorcerer, {{{1 male}}},wept bangs, purple long hair, hair flaps, wolf_ears,blue eyes, full moon, starry sky,black vest, antique button, white shirts, black cravat,cargo pants,{{watercolor pencil}},ink,flat chest」
月がふたつあったりところどころ怪しいところはあるのですがそれはガチャってことで。
これはかわいくできた
プロンプトも載せておきます
「twinkle eyes,round face,sorcerer, {{{1 male}}},wept bangs, purple long hair, hair flaps, wolf_ears,blue eyes, full moon, starry sky,black vest, antique button, white shirts, black cravat,cargo pants,{{watercolor pencil}},ink,flat chest」
月がふたつあったりところどころ怪しいところはあるのですがそれはガチャってことで。
今まで夜空たちの話のシリーズ(予定)を「Coming out of Magician Yozora」にしていたんですが、どうも辞書をひいてみると「マジシャン夜空の真実」みたいな意味にはならないくさい。しょうがないので「終わりの後の夜物語」というシリーズ名に変えることにしました。このブログのカテゴリ名やハッシュタグなどはそのままですけど……
本文は四万字ほどかけました
でも一話はあと三倍くらいの分量にはなってしまいます
それでいてエロがないってどういうことですか!!!どういうことですか!!!1#ComingOutofMagicianYozora
本文は四万字ほどかけました
でも一話はあと三倍くらいの分量にはなってしまいます
それでいてエロがないってどういうことですか!!!どういうことですか!!!1#ComingOutofMagicianYozora
#ComingOutofMagicianYozora #小説
オリジナル小説の掌編をかきおわりました。パイロット版なかんじです。
マリーベル(金髪クリスチャン)×夜空(黒髪マジシャン)です。
誘い受けです。後半から18禁です。BLです。14000字強。
本編もこの調子で書ければとおもいます
ルーチェ、冬の蝋燭
クリスマスが終わるとアルカディア魔法大学も進級テストを控えて学生はさらに浮つく。レトリーバー種のウィリアム・エヴァ・マリーベルは正午の祈りを終え、自室のある闇属性塔に戻った。温暖な半島から切り離された孤島でも、冬はそれなりに冷える。ローブの上にグレーのチェスターコートを羽織り、足早に道を急ぐ。闇属性塔の四階サロンまで螺旋階段を上がると、食堂を模したテーブルに学生がそれぞれ席に着き、暖炉の温もりを借りながら、白墨やペンを一心不乱に走らせていた。
努力家の祈月夜空ももちろんその手合いだった。室内だというのにアーガイルチェックのマフラーを巻いている。前のめりに医学書を読んでは写し、要約を作っている。同じ分野に興味でもあるのか、はたまた構ってもらいたいだけか、下級生のカッサンドラが手元を覗き込み、時折質問を投げ掛けている。夜空はそれに親切に答え、隣で魔導書と哲学書を引き比べているクラウス殿下とも歓談していた。卒業論文の準備怠りなし。学生の鏡たる光景だ。ウィリアムはそんな様子を一瞥したが、垂れた犬耳をほんのわずか持ち上げただけで、混ざらずに自室に戻った。
コートを脱いでクローゼットに吊るし、ブラシをかけて毛足を整える。すると、辞書のような医学書と木製のカフェオレボウルを抱えて、同室の夜空が帰ってきた。帰りしなに一階のキッチンまで降りたのか、渋いコーヒーの香りが漂う。デスクに本とボウルを置き、隣に並んで、少しはにかむ。
「ウィル。お茶入れてきたから飲まない? 外は寒かったろ」
二重の瞳がぱちぱちと瞬く。ロングの黒髪は所々跳ねつつもさらさらと豊かだ。でも麗しいエイジャンという形容はちょっと厳しい。美形ではあったが、人種的な特徴なのか、十代にすら見えてしまう童顔だからだ。流し目でもすればまあ視線は冷たく色っぽくなるのだが、瞳はいつもきららかで、活気に満ちている。ウィリアムは首を振って申し出を断った。
「構わなくていいぞ。寒いのには馴れてる」
微笑んで言う。帰ってきてくれただけで充分だった。夜空はジト目になってウィリアムのブラシを奪い取る。
「ウィルのために淹れたの。冷める前に飲まなかったら怒るからね」
つっけんどんに言ってざかざかとコートにブラシを走らせる。ウィリアムは呆れて雑な手つきを止めた。
「あー、判ったから。適当にやるな、ウールが痛む」
そしてようやく湯気が立つカフェオレボウルを手にとって、器の熱で指を温めてから、ゆっくりと口をつけた。
「あれ? 砂糖まで入ってるな。私は子供じゃないぞ、夜空って甘党だったか?」
酸味と渋味の飲み物であるコーヒーは、たっぷりの砂糖とシナモンとミルクでまろやかな飲み物に変貌していた。夜空はマフラーに首まで埋めてベッドに座る。
「だって滋養つけてもらいたいじゃない。ただのブラックより手間ヒマ愛情籠ってますよ……イヤなら俺が飲みますけど」
「いいや。ありがとう。家を思い出す」
夜空は三角の狼耳をひくつかせて、ごろんとベッドに寝転んだ。ブーツはいつの間にか器用に脱いでいる。ウィリアムもデスクチェアに座り、カフェオレを飲み干すと、ベッドサイドに腰をかけて、胎児の姿勢に丸まった夜空の髪をかきあげた。そして、白い狼の獣耳をかいてやる。
「どうして、勉強を切り上げたんだ。サロンのほうが暖かいだろうに」
もちろん、わざと、意地悪で聞いた。仕草は既に恋人のそれだ。長く伸びた艶やかな黒髪を手櫛で愛でる。これは二人の間の符丁だ、とウィリアムは思っている。額髪を櫛削られながら、夜空は目を潤ませてウィリアムの期待通りの一言を言った。
「ウィルが帰ってきたからだ。二人っきりになりたくて」
「ん……夜空こそ寒いんじゃないのか? 今夜も雪だぞ、きっと」
ウィリアムははぐらかして、相手の出方を待った。夜空は上体を起こして、白い狼耳を水平に寝かせている。合意が欲しくてつぶやいた。
「黒髪の乱れも知らず、打ち伏せば……まずかきやりし人の恋しき。夜空、返歌してくれ」
「やだ。あの歌は昼間にはエロチックすぎるから。……でも、俺もウィルにくっつきたいんだ」
予防線を張ってから、夜空がぎゅうっと抱きついてくる。冷たい頬が無防備に横顔に当てられて、ぐりぐりと子供っぽく甘えて頬擦りした。「キスしていい?」と別人みたいにささやいて、返事も待たずに口付ける。ウィリアムも、やり返すつもりで唇をまっすぐに奪い返した。舌を少しだけ出して味見すると、夜空も答えてきた。喉から吐息だけが漏れて、否応なしに熱情が高まる。
ウィリアムが引いた和歌は、無論夜空が教えたものだ。古代の女流詩人、和泉式部の作で、天山がまだ島で、大和という国だった頃の恋歌だ。月に関する詩がテーマのゼミナールで、夜空はかつて丸暗記した和歌集から次々と風雅を愛でられる数多の月を紹介して見せたが、入学前から彼に一目置いていたウィリアムはジャポニズムにも興味をもち、たまたま聞いてしまった。
「じゃあ、恋の和歌もあるのか? 夜空が一番ロマンチックだと思う作品は?」
そこで少し顔を赤らめながら挙げたのが件の一首である。「ベッドシーンそのものじゃないか!」と、純朴を気取っていたウィリアムは、自分で聞いておきながら怒った。夜空は悪乗りして、より過激な同趣の和歌を教えた。藤原定家の作品で、「かきやりしその黒髪のすぢごとにうち伏すほどは面影ぞ立つ」という、いわば本歌取りである。直接的な契りの情景まで詠みこんだ歌にウィリアムは真っ赤になり、夜空とその日はもう口を聞かなかった。
その頃のふたりはまだ友人と言ってよかったが、ウィリアムはその晩、彼との悪徳を熱病のように妄想してしまった。黒髪のオリエンタル、月に輝く青白い肌。細身の男の身体を組み敷いて、むせかえるような橘の香りの中できしむほど抱く。これまではずっと、熱情家で、努力家で、魔力が高くて、逆境に立ち向かう危なっかしくて純な男だと思って特別に想いをかけてきたのに、性的な部分を匂わせられたらとめどなく欲望があふれた。過去にも兆候はあったが、ホモセクシュアルを自覚するのはひたすら苦しかった。
それから四か月たって、ウィリアムは夜空と関係を持った。「ウィルにそんな悩みを抱え込んでほしくないよ」。「俺を全部あげるから、まだ友達でいて」。
失楽園でイヴが受けた誘惑はここまで周到なものだったのだろうか?
ステディとして肌まで重ねて二年以上が過ぎた。夜空との恋は常に自身の醜さとの闘いだ。好きな相手を犯したいと思う。それなのに自分は犯されたくない。魔力選抜で競り負けているだとか、入試からずっと腐れ縁だとか、西洋人としてのプライドだとか、男の情人をもつことの罪だとか、微妙なライバル意識までがないまぜになって、ウィリアムは夜空という恋人に夢中になっている。寮の自室は愛の巣だ。どちらも若くて健康だし、性欲は売る程ある。売ったりすれば損なわれるから、互いに分け合う。愛し合う。
ひとしきりディープなキスをして、独占欲と恋情を発散する。熱い息を吸い合い、唾液の潤んだ味を感じて、唇の柔らかさを食んでいると、体内の温度が焼けるようだ。外気が冷えている分、夜空の存在をありありと感じられた。
「ふふ……ウィルの口が甘い」
「そのためにカフェオレを砂糖入りにしたんだろう。全く……冷えてるのはお前のほうじゃないか」
軽口をたたきながら、悪戯っぽく振る舞う夜空の体に視線を走らせる。クリスマスにプレゼントしてやったマフラーさえほどいてしまえば、あとはオリーブグリーンの軍用作業服だけだ。飾り気どころか、実用一辺倒で、とても色気が感じられない。黒のカソックなど着ている自分の言えた義理ではないが。
「あっためてって言ったら、抱きしめててくれる?」
「……夜空は甘え上手だな。私は年下だぞ、分かってるのか?」
たしなめながらも抱いてしまう。そのままベッドに倒れこむ。作業服のボトムを締め付けるベルトのバックルを外そうとすると、夜空はウィリアムの耳元にささやいた。
「ダメ。ね、『カナリア』」
「セックスまでは嫌か」
セイフワード。「羞じらい」とか言う謎の美学で、夜空はたとえ快感でも「嫌だ」とか「ダメ」とか喘ぐのでわかりづらく、ふたりで決めた。
初対面のときのウィリアムには、かつて修道院で「神に愛された」とまで言わしめた面影が色濃く残っていた。透き通るほどの金髪で、膚はアラバスタのように白く、つり目の瞳はアクアマリンの翠緑。夜空は「カナリアのように儚げな美少年だ」と思ったらしい。
ウィリアムにとっては名誉な美称ではない。細身なのは貧弱だからだし、フェミニンな趣味はない。そう言われるたびに、印象批評だと逐一否定してきた。それでも夜空はこだわり続け、とうとうセイフワードにまでなってしまった。陶酔も一時中断するから、有効には作用している。
イヤなのは分かったが、こんなに誘われて、お預けされたのでは気持ちの収まりがつかない。抱き寄せて、すうっと匂いを嗅ぐと、シナモンシュガーの残り香がした。ちゃっかり味見でもしたか、それともこの展開を見越して自身に香り付けでもしたか。
「どこの世界に、ミルクとシナモンの香りがする軍人がいるんだよ」
「俺は軍人じゃないし、お酒は嫌いだよ。これはロンシャンで支給してもらったから着てるだけ」
口の減らない恋人の口を口でふさいだ。本来、この服に似合うのは煙草と埃、ブランデーか安酒のジン。そして垢じみた油の匂いだろう。とはいえ、齢二十を越えてもピュアさを残す夜空にそんなくたびれた風情は似合わないし、ウィリアムも落ち着くのはまだこちらのフレイバーのほうだ。
「……ねえ、カナリア」
芝居がかった呼びかけに、ウィリアムは思考を中断させた。
「あのね、ちょっと、聞いてもいいかな」
「どうぞ」
「ウィルは、どうして俺のことを好きなの?」
少女がするような幼稚な質問を、ウィリアムははじめ、たしなめた。
「愛の定義をしたいのか?」
「だって気になるよ」
沈黙の後、夜空の肩口に顔を埋め、ウィリアムは告白した。
「はっきり自覚したのはお前が私に初めて治癒魔法をしてくれた時だ。けれど、どうも私は男しか愛せない。だから……だから一つだけ、許してほしい」
高ぶる自身の鼓動を感じながら、ウィリアムは続けた。
「多分、最初から。入学試験の時に初めて夜空を見た。あの時には既に、お前に対しての欲望を……抱いていたのかもしれない」
悔恨のことばを聞くと、夜空は胸の中から跳ねあがって起き上がり、らんらんときらめく黒い瞳で、まっすぐ見つめて一蹴した。
「真面目だなあ、ウィルは! えへへ、俺は……俺こそあの時間違いを犯したのに」
夜空は一瞬目を伏せたが、すぐに挑むような視線でウィリアムを見据えた。
「人が人を好きになるのに神様の許可なんていらない。ウィルが好意的に見てくれてたなら、俺はそれが嬉しい! だって俺のカナリアの……ウィルのキスは祝福だ。決して穢れてなんかいないよ」
怒涛のように言い切って夜空はどっと体勢を入れ替え、滅茶苦茶に口づけしてきた。鼻をこすりつけ、息継ぎにつれて何度も。肩をベッドに押し倒し、頬にもう片方の手を当てて、熱烈に親愛を示す。主導権を奪われて、ウィリアムは慌てた。
「待ってくれ、夜空、少し落ち着いて……」
夜空は毛布を独り占めして悪戯っぽくニヤリと笑う。
「俺、かっこよかった? それとも綺麗だった? 俺ばっかりウィルが好きで、いつも辛いくらいなんだ。ねえねえ、教えてよぉ、ウィル~♡ たまにはコイビトを褒めて褒めて♡」
ベッドに腰かけたウィリアムは外れかかったカソックの襟を直しながら断った。
「『Sugar』! 調子に乗るな!」
ウィリアムの側のセイフワードだ。誘惑はいつも焼けるほど甘いから。
「そうそう、そうこなくっちゃ」
夜空は挑戦的に微笑み、がばっとベッドを脱け出した。個室の黒い窓枠から冬の空を見上げる。
「こっから先のお楽しみは、夜まで取っといて。きっと、もっと寒くなるよ……」
夜空は振り返り、ウィリアムを手招きした。
「雪もね、二人でくっついてれば温かいし、美しく見えるから」
ウィリアムはクローゼットから自身のコートを取り出して、夜空の肩にかけてやった。顎をとってキスを交わして、それから見せつけるように人差し指を立て、詠唱をした。
「四元素の原初たる炎の元素よ応じたまえ、我が爪先に焦熱し、燃焼系の燈りとなりて、人を導く一点の導とならん。炎魔法・Luce」
たちまち、爪先が暖かく燃える。炎属性の魔法の初歩の初歩、基本最小詠唱だ。小さくても揺らめくプラズマ。個室には暖房がない。普段ウィリアムは遊びで魔法を使わないが、恋人との時間には、もっと火の気がほしかった。
魔法とは体内を流れる魔素と外界に満ちる魔素の反応で、無から有を、エネルギーを作り出す術だ。おこがましいことにごく小規模な天変地異まで作り出す。ホモサピエンスは進みすぎた科学の代償を払ってほぼ絶滅し、自分たち獣人、本来は人類が作出した戦闘兵器に過ぎなかったはずのホモファシウスに支配された。カタストロフィから一千四百年程度が過ぎて、全知全能たる我らが神は、少なくとも世界を見放してはいなかったらしく、新人類は失った文明の代わりに、魔法を使えるようになった。
蛇が口移しした知恵の実とはどれほど強烈な味だったのだろう?
「何も燃料がなくても、爪に炎を灯せたら。ヒトの望み。マジシャンの業。ウィルの魔素の輝きだ。綺麗だよ」
夜空はかがみこみ、戯れのために灯しただけのその明かりに唇をつけた。ウィリアムは慌てて手を引こうとしたが、手首を強く捕まえられて、逃げられない。夜空は炎への口づけを終え、少し焼けた粘膜をぬぐいもせず、恋に酩酊した目つきで言った。
「……大好き、ウィリアム」
痛々しい仕草に、ウィリアムは押し黙った。手を振って灯りを消し、傷んだ唇に指を当てると、ずっとタイミングを計っていた誘いを切り出した。
「夜空。お前には果たさなければならない使命があるのは分かってる……けれどまず、私のマジシャンとして、私の故郷に来てくれないか」
将来を縛る。浮ついた蜜月を一歩進める言葉だった。卒業論文に忙殺される前にどうしても取り付けておかなければいけなかった。
ウィリアムはまず自分の側をクリアにするつもりだった。
マリーベル家は厳格なクリスチャンの家系で、男同士の関係などを許すわけはない。自分によく似た頑固な母親を思い出す。没落したがアイルランドの貴族の娘だ。父親は物静かで重々しく、あきれるほど儀礼映えする司祭。両親は手中の珠を堕落させた夜空を拒むだろう。きっと汚らわしいとまで罵られる。将来の約束は、だから怖気づいて先延ばしになっていただけなのだ。
万能に見える力の行使が魔術師の胸先三寸であるとすれば、それは人同士の争いのためにではなく、崩壊後新たに出現した「魔素のみで生きる存在」、魔物の殲滅に振るわれるべきだ。それがウィリアムが今までの人生で得た信念だ。
その実現は実家にいては叶わない。バチカンの退魔軍に入る気でいた。小修道院を経営する一族であるマリーベル家なら伝手はある。その進路を認めさせるためにも、味方がほしかった。夜空はにこっと微笑むと、オーケイ、とつぶやいた。
「ウィルの故郷だなんて光栄だよ。期待してて。俺のカナリア」
軽やかな返事を残して、医学書とノートを脇挟み、ウィリアムのコートを羽織ったまま、ひとりサロンへと戻っていく。
ウィリアムは腕組みして見送った。炭鉱で危機を歌う犠牲者のカナリア。そんな子供扱いからは、とうに卒業したはずだ。窓に向かって静かに祈り、十字を切った。
今夜雪が降るなら。それは人々を閉じ込めるだけの氷塊ではなく、私たちの未来を祝福して、せめて麗しくあれ。
空はまだ応えず、その前触れたる白さをたたえている。
☆
夜にはやはり雪が降った。寝る前の祈りを終えて、先にベッドに入った夜空の毛布をめくる。目を閉じて寝入っている横顔に祝福をこめてキスした。離れようとすると、寝間着の端を掴まれた。
「ウィル。一緒にあったまろう?」
シングルベッドだから狭くるしいが、夜空は出来うるだけ壁際に寄って、ウィリアムの分のスペースを空けていた。勝手知ったる態度で滑り込む。すかさずぎゅうっと胴を抱き込まれ、思わず苦笑した。
夜空はウィリアムの胸に顔を埋めている。つむじにキスして黒髪を優しくかき混ぜる。体温が馴染むまで何も言わず、互いの存在を確かめた。寮は静かで、雪がどさりと尖塔から落ちる音まで聞こえる。こういう時、ウィリアムはいつも修道院の昔を思い出す。年若の修練士たちは消灯を迎えても体力が有り余っており、互いのベッドを訪問してカードゲームや飲酒に耽っていたのだ。ウィリアムが仲間に入らなかったかというとそんなこともなく、冬にはくすねたワインで寒さを忘れようとすることもあった。あの頃よりは大人になったのに、あの頃よりも素朴な手段で暖をとっている。ウィリアムは当てずっぽうに夜空の唇をまさぐった。
「昼間、火傷したろう。まったく。心配させるな」
「ヒールしてくれる? うーん、でももう治っちゃったかも」
夜空はかぷっとウィリアムの指を噛んだ。甘えた挑発に、少し気が乗ってくる。三角の狼耳をさわさわと撫でる。夜空がささやく。
「じゅんび、してあるよ……身体も拭いてある」
「ん……カモミールか、これ」
ほんの少しのハーブの香りだ。鍋で煮だした化粧水で肌を清めたらしい。
「ウィルが良ければ、俺を抱いて」
夜空の手がやんわりと頬に触れた。声は密やかで、どこかしら敬虔だ。普段のように、今夜お願い、だとかてらいなく誘う気軽さはなかった。
「夜空は、したいのか……?」
慎重に尋ねる。夜空はこくんとうなずいた。
「そのための支度だよ。昼間、応えられなかったからさ……」
頭が動くとさらりと髪が鳴る。カンテラはもう消してあるから、互いの気配しかわからない。軍用作業着のボタンをはずして、仄かな花の香りがする冷ややかな首に触れた。滑らかな薄い肌に、硬い腱が埋まっている。下半身をもぞもぞとすり合わせていくと、夜空が耳元でかすれ声で誘った。
「ね、抱いて……」
それだけで全て許されたような気になった。ウィリアムは暴風にあおられたように恋人の身体に倒れこむ。胸板を、あばら骨を、くっきりとへこんだ腹筋を、手のひらでべったりとなで回す。乳首を舌先で転がして、唇で甘噛みする。ベッドとの隙間にまで手を差し入れて、尻を触ってきゅっと肉を掴んだ。性急にそこまでやってしまってから、改めて一番美味しい首筋にちゅくちゅくと吸い付いた。その間も手を戻して腰骨のあたりの尖りを楽しんでいる。
性的な部分よりも先に、夜空を思いっきり味わう気でいた。緩みのない腹部を撫でる。くすぐったいのか身体がすくむ。撫で上げて、じっくり胸板に掌を添える。夜空、夜空、愛してる。それが免罪符だ。何度も何度も胸に繰り返す。こめかみをくっつけあって、短く唇をつける。夜空がきゅううと喉で唸って、またもやささやく。
「俺、ウィルに食べられちゃうんだ……」
「美味しくできてる。夜空……ほら、弱いところだぞ?」
ウィリアムは鎖骨の間を舐めながらシャツをはだけさせ、夜空の左の乳首に指をひっかけた。肌よりも薄い乳頭をさぐり出してつまむ。今度は唇を重ねながら、感じさせたくて親指で小さな粒を転がす。全身に夜空の存在を感じて、ウィリアムのほうも満足でとろけそうだった。
「んっ……!」
夜空が高い裏声を震わせる。左は弱いのだ。指先でこりこりと擦ると、くっつけあった腰が左右に揺れた。白狼のふさふさした尾も、心持ち持ち上がった。そのうち、薄い花びらのような感触しかなかった小さな乳首がピンと立ってくる。押し込んで、丸くこねてやる。胸筋ごと広く揉みこねる。いよいよいじり回すだけでは足りなくて、頭を下げてまずは思わせぶりに肋骨の合間を舐めて、そして感じやすい左の乳首に吸い付いた。
「ああ、ウィル……俺のはそんなにしなくていいよ……」
「何でだ? 夜空だって感じないと辛いだろう。それに美味しいんだ、ここ」
「中にちゃんとジェルも塗ってあるから。乾いちゃうよ、入れちゃって……!」
性交を事務的に捉えた台詞で、ウィリアムは少し鼻白んだ。だが、すぐにくすりと笑って、夜空を転がして背中から抱き込む。尻にわざとまだ大人しいぺニスをあてがった。夜空はしゅんとうつむく。
「そ、そっか、まだ……ごめんね、俺、ウィルにブロウジョブする」
ウィリアムは答えずにパン生地の固さの耳たぶを舐めしゃぶった。その間にも左の乳首は離さず、くにくにとこねている。つまんで、撫でさすって、時折爪弾く。耳にふうっと熱く息をかけると、夜空は刺激で首をすくめた。長い黒髪を鼻柱でかき分けて、カモミールのまろやかな香りにひたる。うなじをくんくん嗅ぎ回る。ヒトの耳よりも薄いけもみみをはむっと噛んでやる。
そんなじゃれ合いに飽きることはなかく、丸く硬い後頭部を顔全体で感じながら、ウィリアムは乳首を二本指でそっと挟んだ。ふー、と大きく息が吐かれて、夜空がお尻を押しつけてくる。そして濡れた声が言った。
「ウィルぅ……俺、たまらなくなっちゃうよう……! 」
「そうこなくっちゃな。フフ……夜空のあれは機嫌がいいかな……?」
ズボンの上からじっくりとさすりあげてやると、股間は熱い畝になっていた。
「はぁ、あ…… ダメ、ダメだよ、俺がウィルのをする……!」
ウィリアムは聞かずに前をくつろげて、綿の下着ごと握りこんだ。そして固さを確かめると、前布をずらして直接触れた。天山伝統の下着はこういうとき実に都合がいい。ふっくらと張りつめた性器をやわやわと五指でくすぐってやる。息を耳に吹きかけ、熱く囁いた。
「男は感じやすいものだ……これに耐えられるやつはいない。私の愛撫でいつも通りに可愛く鳴いてくれ」
より敏感な玉のほうも掬って手のひらで転がしてやる。優しく揉んでみると、腰が分かりやすくびくっと震えた。すかさず、裏筋をたぐって先端の切れ目までなぞりあげる。くしゃくしゃっとつまさきでマッサージすると、とろみのある先走りがあふれてくる。
「あぅ、ウィル、あうっ、だ、ダメだよ、はっ、うう、おれ、俺がしてあげるのに……!」
「んん? 勿論後でしてもらうぞ。本当に『ダメ』なのか? 身体のほうは正直みたいだが」
「う~っ、な、何をオヤジくさいこと……! んっ、や、やだよ俺……! 弄られちゃってる」
「可愛い可愛い。いっぱい感じるんだ」
台詞とは裏腹に、きゅんきゅん尖り始めた男性器がいじらしく、ウィリアムはようやく本格的に茎からしごき始める。上下にねっとり搾ってやると、夜空はきゅううっと縮こまって「くぅん、ふ、うあ」とあえぐ。快感に耐えるため、内に内にと折り畳まっていくので、ウィリアムはより大胆に性器を揉みこむ。
反り返ってキチキチと重くなった熱いぺニスの感触。ねとつく液の肌触り。男同士でセックスしている、という実感が痛いほどだ。楽しくて愛撫を止められない。苦しげな喘ぎもウィリアムの胸中までかきむしる。
「はぁっ、くんっ、んっんっ、ウィル……ダメだよ、おれ、ダメになっちゃぅう!」
「イヤならセイフワードを言えばいい。違うんだろう? もう夢中のはずだ。素直になるんだ、な、夜空?」
夜空は腰砕けですでに半眼だ。それでも強情に首を左右に振った。ウィリアムは溜め息をついて、勃起してきたぺニスをぐいっと尻に食い込ませる。夜空は「くぅうぅ……!」と喉で声を殺した。それで口だけの抵抗はきれいさっぱり止んでしまった。
どんな魔物にも果敢に立ち向かう夜空。友人にはいつも親切な夜空。気さくで甘えたがりの夜空。人を殺すことに躊躇しなかったいけない夜空。黒髪黒眼の美しい白狼種。すっくと立って手折れない気高いアイリス。
本来男の獣欲など嫌ってしかるべきなのに、尻を突きだして受け入れの姿勢をとっている。酷薄な要求にも従順に自らを捧げている。愛しさがオーバーヒートして、ウィリアムは浮かされたように口説きまくった。
「そうだ、いい子だ、気持ちいいな? ロマンチックに誘うんだ。お前は私のただひとりの恋人なんだから……!」
自分のものを慰めるよりずっと熱烈に指をうごめかせた。丸く膨らんだ頭の部分を握り、先走りで濡れた割れ目を指先で掻く。剥き出しの先端にとろとろと粘液を塗り込めて遊ぶ。脳まで犯してやるつもりで、ひっきりなしに囁きを重ねた。
「やらしい夜空……沢山感じていいんだぞ。自分のペースで、ゆっくりで構わない。お前が気持ちいいなら私も嬉しいんだ。こっちの尻尾はぐしょ濡れだ……好きなだけ、たっぷり掻いてやる」
そしてじくじくと人差し指で尿道口までこねまわす。指の腹で強めになぞる。孔に爪を食い込ませる。同じ造りだから、そこを焼く力加減も熟知している。
ともすれば強すぎる刺激だったが、夜空の身体はうまく快感を拾ってくれたようだった。電流に撃たれたように腰が跳ね、内股がより強くすり合わされる。
「はぁっ、ァっ、あぅ! で、出ちゃう、ウィルだめ駄目だよ俺イっちゃう……っ!」
「大丈夫……思い切り爆ぜていいから」
「うっ、あ、あー、ウィルぅ、ごめん、手で受け止めて……っ!」
「オーケイ、マイスウィート。全部出してしまえ」
仕上げに親指と中指で作ったリングで茎とのくびれを強く締め上げた。
「ふぅっ、うーっ、うぅうう♡」
くっつきあっていた腰がかくかくと機械的に動いた。びゅっ、びゅっと熱いドロドロが射出される。オーガズムを極めた夜空はウィリアムの腕の中で背を丸めて力んでいる。断続的に収縮して、手のひらや指を重たい精液で汚すと、ふわっと脱力した。
はぁはぁと吐息交ざりに夜空が言う。
「……やっぱり俺も、してあげたい」
「ああ、次は夜空の好きなようにしてくれ」
睦言を交わし合うと、夜空はのたくたと動いた。ウィリアムも手を拭いて、仰向けになって待つ。恋人の絶頂に煽られて、股間はすっかりガチガチだ。夜空は、まずは頬に軽くキスをしてくれた。そして嬉しそうに予告する。
「ウィル……幸せにしてあげるね」
ばさりと寝間着をかきあげ、下履きを口で咥えて引きずり下ろす。現れた肉色のぺニスに、丁寧に口づけしている。薄くて柔らかい唇をじっくりと押しつけられ、期待でひくひく震えてしまう。鼻筋や頬を反り返った茎に触れさせ、すううっ……と深呼吸までしているのでウィリアムも気色ばんで上体を起こした。脚を投げ出して座り込む姿勢になって、腰のところにうずくまる夜空の肩をたたく。
「夜空? どうした、無理はさせたくない。イヤならセイフワードを……」
「ううん……平気……」
夜空は玉と竿の境目にキスをして、手のひらで大切そうに性器を包んだ。愛しくてたまらないという優しげな視線で見上げてくる。
「ウィルのからだの匂い。俺、興奮するよ……ちょっとだけツンとくる」
「っ……! まったく! いつだってギルティだな!」
「そうだよ、俺のほうがヘンタイなんだ。だからウィルも感じて。俺、ウィルになら使われてあげる」
恥ずかしさで悪態をついたマリーベルをあっさり肯定し、夜空ははぷっと切っ先をくわえた。這うような遅さでじっくりと皮の隙間までねぶってくる。敏感なところにいきなり濡れた感触をあてがわれ刺激されて、本能的な恐れが先にきた。引こうとするが、夜空は逃さないとばかりに亀頭を頬張って、ぢううっと真空にして吸った。とたんに腰がくだけて、「うっ……♡」と喉から声が漏れてしまう。ゼロ距離の粘膜密着だ。夜空はしばらくきつく吸い込んで、首の段差にまで唇を滑らせると、今度はきゅぷっと音までたてて勢いよく抜きとった。勃起が揺れて下腹を叩き、そっと引き下げられて先端にキスされる。翻弄されきって、ウィリアムは言葉を失う。『使われる』どころか、どう考えたって楽しんでいた。
「ん、ん、ウィル、ウィル、俺のマリーベル♡」
秘部にまで頬擦りしながら、夜空は人差し指で焦らすように浮いた筋をさする。じわりと染み出た先走りをすかさず舐めとる。快感がほしくてうずいた性器を、それでも少しずつ愛撫されて、ウィリアムは頭を振り、歯を食いしばる。ちゅ、ちゅ、とくすぐるようにキスされながら、本格的な行為を待っている。
夜空は赤くなったペニスにふーっと息を吹きかける。
空気の揺れだけでもウィリアムは感じる。
ちろちろと、さっき責め立ててやったのと同じ出口を舌でくすぐられる。
柔軟な針を差し込まれているかのような快感がはじける。
きゅっ、と竿を握られる。そうしてゆるくしごかれる。
まるく張った頭の部分を再び口に含まれて、たっぷりの唾液でひたされる。
最初のどぎつい吸引とは違って、それは甘やかすような包容に近かった。
「はぁ、はあ、ああ、夜空、夜空!」
ウィリアムは夜空の後頭部を髪ごとかきまわして、性のよろこびに浸った。膝が自然に曲がってかくかく笑う。夜空は名前を呼ばれるたびにくぐもった声を上げて応える。髪を掴まれても、ゆったりと顎や舌を動かしている。くぷくぷと全体を呑み込み、丹念に舌で湿らせてから、もう一度口を性器から離し、媚びた目線で問いかけてくる。
「出しちゃう? それとも、もう俺に入れちゃう?」
迷う選択だった。
塔の窓に取り付けられた魔素ランプと雪明かりが逆光で反射して、薄ぼんやりと夜空の姿が浮き上がった。軍用作業着のシャツははだけられ、胸元が露わになってしどけない。唇は濡れて美味しそうに光り、幼げな顔立ちも今は強い欲情に燃えている。もちろん二人で抱き合いたい。けれど若いウィリアムは切羽詰まっていて、主導権を取り戻して絶頂を引き伸ばすなんてできっこなかった。
「くっ……、いや、ともかくお前に射精したい。頼む、全て、飲んでくれ……!」
若干の敗北感にまみれながらウィリアムは嘆願した。それは下半身の奥に射精するよりもある意味罪深い行為だ。
夜空は返事代わりに股間に頭を埋め、皮のむけた無防備な場所に歯を当てないようにじりじりと呑み込んだ。柔らかな粘膜が男性器を滑らかに包んで、こつりと喉奥に先っぽが当たる。硬いその場所への到達に、ウィリアムはほとんど原始的な満足まで覚える。次に来たのは頬をすぼめた吸引だ。奥から分泌される唾液はねばついて肉棒に絡みつき、舌が裏筋を強く支えつつなぞった。苦しみを与えると分かっていても、ウィリアムはがくっと腰を突き動かして、微妙な喉の引っかかりを楽しみつつ、悦楽に溺れて射精した。意識的に、体内で煮えた火の液を最奥で味わわせるために。
――ああ夜空。私の汚れも欲も愛も全部ごたまぜに受け取ってくれ!
びくん、びくんっ!、とペニスが狂暴に暴れる。遺伝子が次々と細い管を突き抜けていく。尻の筋肉がひきつり、射出のたびに脳の内側が激しい快感に削られる。ほとんど下の始末と変わりない。明滅する視界のなかで、侵犯の自覚とともに体液を出しつくす。夜空は力ずくに頭まで抑え込まれても、性器のうごめきが収まるまではじっと動かずにいた。マゾヒスティックな感懐に陥って、精子が気管に入らないよう、こくこくとすすんで嚥下している。鼻腔を抜けていく青臭い匂い。徐々に柔らかくなっていくペニスを噛まないように解放して、ちまちま舐めながら仕上げにはいたわりのキスだ。一方ウィリアムは愛する人を汚し尽くしたという背徳に憔悴しきって、息も絶え絶えベッドに沈み込んだ。
「ごめん……」
素になって謝る。夜空は仰向けのウィリアムにのしかかって、ぐしゃぐしゃと金髪をかき回し、きつく頭を抱いた。
「謝ることなんかないよ。俺だって煽ったし。このまま休んで。抱いててあげる……」
射精後の急速な眠気に、甘ったるい誘いが拍車をかけて、ウィリアムは泣き出しそうになりながら、恋人に抱き着いて眠りに落ちてしまう。
……夜明け頃、ウィリアムはふと寒さで身を起こした。夜空のほうのベッドだという慣れない意識があったのかもしれない。夜空は傍らにはおらず、窓枠のところに椅子を動かして座り込み、分厚い魔術の研究書を読んでいた。雪は深く積もり、照り返して窓の外はひときわ明るい。白みはじめた朝空を背景に、冴えた横顔はとりわけ魅力的に写った。目も眩みそうなほどで、後ろめたさを感じる。喉のあんなに深いところまで犯したなんて、どう考えても愛からじゃない。
ベッドを降りて、なんにもわかっていないような夜空に近づいた。挨拶もせずに肩にかかる黒髪をすくいあげ、軽く口づける。
夜空は大して構わずに、おはようと笑った。ウィリアムは昨晩さんざん汚したその唇を撫でてやった。勉強の邪魔だとも思ったが、床にひざまずいて懺悔のつもりで見上げる。
「……本当にすまなかった、もうしない」
夜空は尾をぱたりと振って、少し考え込んだ。そして一音ずつ念を押してセイフワードを言った。
「『カ・ナ・リ・ア』。そんなの認めない。俺はウィルの恋人になったんだもん」
本を閉じて椅子に置き、ウィリアムの両手をとって、立ち上がらせる。夜空は身をのりだし、しっかりと目を合わせて誓った。
「愛しあうって、たぶん綺麗なことばかりじゃないよ。罪だろうが、何だろうが、出来るだけ引き受ける。だから、俺もお願いしていい? ……ウィルの用が終わったら、俺の故郷にもついてきて。みんなを解放したいけど、俺ひとりじゃ不安なんだ」
マジシャンには珍しくもないのかもしれないが、夜空の側も事情もちだ。祖国・天山からの亡命。そして異国・ロンシャンでマフィアの側近として英才教育を受けた。しかし彼の故郷にはいまだ、100年を生きる魔物が巣食い、彼を守り育ててくれた人々までも支配している。
はなから討伐にはついていくつもりだったウィリアムは一瞬驚いて、不敵に笑った。
「分かった。ともに魔物を討ち果たそう……必ずだ。お前とならなんだって乗り越えられる」
「死ぬかもしれないよ」
「夜空はそれを許すのか? せいぜい全力で救ってくれ」
「約束する……ありがとう、俺の盟友。君は俺のルーチェ、希望への道しるべだ」
夜空はかみしめるように言って、今度は片手で握手してきた。ウィリアムも握り返す。骨ばった手は温かく、頼もしい。
ウィリアムは二人の絆が愛だけではないのがひたすらうれしかった。学びの場では常に議論を戦わせ、戦闘訓練では守り合い、たくさんの打ち明け話もした。人恋しい夜には肩を寄せ合い、涙だって笑顔だって知っている。夜空を初めて見つけたその瞬間から、こんな関係になりたいと望んでいたのだ。繋いだ手をどちらともなく離す。夜空は読書を続け、ウィリアムは自室を後にした。
窓から見るに、雪は本格的に積もったようだ。誰の足跡もついていない、純白の光景が見たくて、そしてその中でただひとりだけに感謝を捧げたくて、ウィリアムは朝の支度を急いで終え、人気のない階下へと降りて行った。
(了)畳む
オリジナル小説の掌編をかきおわりました。パイロット版なかんじです。
マリーベル(金髪クリスチャン)×夜空(黒髪マジシャン)です。
誘い受けです。後半から18禁です。BLです。14000字強。
本編もこの調子で書ければとおもいます
ルーチェ、冬の蝋燭
クリスマスが終わるとアルカディア魔法大学も進級テストを控えて学生はさらに浮つく。レトリーバー種のウィリアム・エヴァ・マリーベルは正午の祈りを終え、自室のある闇属性塔に戻った。温暖な半島から切り離された孤島でも、冬はそれなりに冷える。ローブの上にグレーのチェスターコートを羽織り、足早に道を急ぐ。闇属性塔の四階サロンまで螺旋階段を上がると、食堂を模したテーブルに学生がそれぞれ席に着き、暖炉の温もりを借りながら、白墨やペンを一心不乱に走らせていた。
努力家の祈月夜空ももちろんその手合いだった。室内だというのにアーガイルチェックのマフラーを巻いている。前のめりに医学書を読んでは写し、要約を作っている。同じ分野に興味でもあるのか、はたまた構ってもらいたいだけか、下級生のカッサンドラが手元を覗き込み、時折質問を投げ掛けている。夜空はそれに親切に答え、隣で魔導書と哲学書を引き比べているクラウス殿下とも歓談していた。卒業論文の準備怠りなし。学生の鏡たる光景だ。ウィリアムはそんな様子を一瞥したが、垂れた犬耳をほんのわずか持ち上げただけで、混ざらずに自室に戻った。
コートを脱いでクローゼットに吊るし、ブラシをかけて毛足を整える。すると、辞書のような医学書と木製のカフェオレボウルを抱えて、同室の夜空が帰ってきた。帰りしなに一階のキッチンまで降りたのか、渋いコーヒーの香りが漂う。デスクに本とボウルを置き、隣に並んで、少しはにかむ。
「ウィル。お茶入れてきたから飲まない? 外は寒かったろ」
二重の瞳がぱちぱちと瞬く。ロングの黒髪は所々跳ねつつもさらさらと豊かだ。でも麗しいエイジャンという形容はちょっと厳しい。美形ではあったが、人種的な特徴なのか、十代にすら見えてしまう童顔だからだ。流し目でもすればまあ視線は冷たく色っぽくなるのだが、瞳はいつもきららかで、活気に満ちている。ウィリアムは首を振って申し出を断った。
「構わなくていいぞ。寒いのには馴れてる」
微笑んで言う。帰ってきてくれただけで充分だった。夜空はジト目になってウィリアムのブラシを奪い取る。
「ウィルのために淹れたの。冷める前に飲まなかったら怒るからね」
つっけんどんに言ってざかざかとコートにブラシを走らせる。ウィリアムは呆れて雑な手つきを止めた。
「あー、判ったから。適当にやるな、ウールが痛む」
そしてようやく湯気が立つカフェオレボウルを手にとって、器の熱で指を温めてから、ゆっくりと口をつけた。
「あれ? 砂糖まで入ってるな。私は子供じゃないぞ、夜空って甘党だったか?」
酸味と渋味の飲み物であるコーヒーは、たっぷりの砂糖とシナモンとミルクでまろやかな飲み物に変貌していた。夜空はマフラーに首まで埋めてベッドに座る。
「だって滋養つけてもらいたいじゃない。ただのブラックより手間ヒマ愛情籠ってますよ……イヤなら俺が飲みますけど」
「いいや。ありがとう。家を思い出す」
夜空は三角の狼耳をひくつかせて、ごろんとベッドに寝転んだ。ブーツはいつの間にか器用に脱いでいる。ウィリアムもデスクチェアに座り、カフェオレを飲み干すと、ベッドサイドに腰をかけて、胎児の姿勢に丸まった夜空の髪をかきあげた。そして、白い狼の獣耳をかいてやる。
「どうして、勉強を切り上げたんだ。サロンのほうが暖かいだろうに」
もちろん、わざと、意地悪で聞いた。仕草は既に恋人のそれだ。長く伸びた艶やかな黒髪を手櫛で愛でる。これは二人の間の符丁だ、とウィリアムは思っている。額髪を櫛削られながら、夜空は目を潤ませてウィリアムの期待通りの一言を言った。
「ウィルが帰ってきたからだ。二人っきりになりたくて」
「ん……夜空こそ寒いんじゃないのか? 今夜も雪だぞ、きっと」
ウィリアムははぐらかして、相手の出方を待った。夜空は上体を起こして、白い狼耳を水平に寝かせている。合意が欲しくてつぶやいた。
「黒髪の乱れも知らず、打ち伏せば……まずかきやりし人の恋しき。夜空、返歌してくれ」
「やだ。あの歌は昼間にはエロチックすぎるから。……でも、俺もウィルにくっつきたいんだ」
予防線を張ってから、夜空がぎゅうっと抱きついてくる。冷たい頬が無防備に横顔に当てられて、ぐりぐりと子供っぽく甘えて頬擦りした。「キスしていい?」と別人みたいにささやいて、返事も待たずに口付ける。ウィリアムも、やり返すつもりで唇をまっすぐに奪い返した。舌を少しだけ出して味見すると、夜空も答えてきた。喉から吐息だけが漏れて、否応なしに熱情が高まる。
ウィリアムが引いた和歌は、無論夜空が教えたものだ。古代の女流詩人、和泉式部の作で、天山がまだ島で、大和という国だった頃の恋歌だ。月に関する詩がテーマのゼミナールで、夜空はかつて丸暗記した和歌集から次々と風雅を愛でられる数多の月を紹介して見せたが、入学前から彼に一目置いていたウィリアムはジャポニズムにも興味をもち、たまたま聞いてしまった。
「じゃあ、恋の和歌もあるのか? 夜空が一番ロマンチックだと思う作品は?」
そこで少し顔を赤らめながら挙げたのが件の一首である。「ベッドシーンそのものじゃないか!」と、純朴を気取っていたウィリアムは、自分で聞いておきながら怒った。夜空は悪乗りして、より過激な同趣の和歌を教えた。藤原定家の作品で、「かきやりしその黒髪のすぢごとにうち伏すほどは面影ぞ立つ」という、いわば本歌取りである。直接的な契りの情景まで詠みこんだ歌にウィリアムは真っ赤になり、夜空とその日はもう口を聞かなかった。
その頃のふたりはまだ友人と言ってよかったが、ウィリアムはその晩、彼との悪徳を熱病のように妄想してしまった。黒髪のオリエンタル、月に輝く青白い肌。細身の男の身体を組み敷いて、むせかえるような橘の香りの中できしむほど抱く。これまではずっと、熱情家で、努力家で、魔力が高くて、逆境に立ち向かう危なっかしくて純な男だと思って特別に想いをかけてきたのに、性的な部分を匂わせられたらとめどなく欲望があふれた。過去にも兆候はあったが、ホモセクシュアルを自覚するのはひたすら苦しかった。
それから四か月たって、ウィリアムは夜空と関係を持った。「ウィルにそんな悩みを抱え込んでほしくないよ」。「俺を全部あげるから、まだ友達でいて」。
失楽園でイヴが受けた誘惑はここまで周到なものだったのだろうか?
ステディとして肌まで重ねて二年以上が過ぎた。夜空との恋は常に自身の醜さとの闘いだ。好きな相手を犯したいと思う。それなのに自分は犯されたくない。魔力選抜で競り負けているだとか、入試からずっと腐れ縁だとか、西洋人としてのプライドだとか、男の情人をもつことの罪だとか、微妙なライバル意識までがないまぜになって、ウィリアムは夜空という恋人に夢中になっている。寮の自室は愛の巣だ。どちらも若くて健康だし、性欲は売る程ある。売ったりすれば損なわれるから、互いに分け合う。愛し合う。
ひとしきりディープなキスをして、独占欲と恋情を発散する。熱い息を吸い合い、唾液の潤んだ味を感じて、唇の柔らかさを食んでいると、体内の温度が焼けるようだ。外気が冷えている分、夜空の存在をありありと感じられた。
「ふふ……ウィルの口が甘い」
「そのためにカフェオレを砂糖入りにしたんだろう。全く……冷えてるのはお前のほうじゃないか」
軽口をたたきながら、悪戯っぽく振る舞う夜空の体に視線を走らせる。クリスマスにプレゼントしてやったマフラーさえほどいてしまえば、あとはオリーブグリーンの軍用作業服だけだ。飾り気どころか、実用一辺倒で、とても色気が感じられない。黒のカソックなど着ている自分の言えた義理ではないが。
「あっためてって言ったら、抱きしめててくれる?」
「……夜空は甘え上手だな。私は年下だぞ、分かってるのか?」
たしなめながらも抱いてしまう。そのままベッドに倒れこむ。作業服のボトムを締め付けるベルトのバックルを外そうとすると、夜空はウィリアムの耳元にささやいた。
「ダメ。ね、『カナリア』」
「セックスまでは嫌か」
セイフワード。「羞じらい」とか言う謎の美学で、夜空はたとえ快感でも「嫌だ」とか「ダメ」とか喘ぐのでわかりづらく、ふたりで決めた。
初対面のときのウィリアムには、かつて修道院で「神に愛された」とまで言わしめた面影が色濃く残っていた。透き通るほどの金髪で、膚はアラバスタのように白く、つり目の瞳はアクアマリンの翠緑。夜空は「カナリアのように儚げな美少年だ」と思ったらしい。
ウィリアムにとっては名誉な美称ではない。細身なのは貧弱だからだし、フェミニンな趣味はない。そう言われるたびに、印象批評だと逐一否定してきた。それでも夜空はこだわり続け、とうとうセイフワードにまでなってしまった。陶酔も一時中断するから、有効には作用している。
イヤなのは分かったが、こんなに誘われて、お預けされたのでは気持ちの収まりがつかない。抱き寄せて、すうっと匂いを嗅ぐと、シナモンシュガーの残り香がした。ちゃっかり味見でもしたか、それともこの展開を見越して自身に香り付けでもしたか。
「どこの世界に、ミルクとシナモンの香りがする軍人がいるんだよ」
「俺は軍人じゃないし、お酒は嫌いだよ。これはロンシャンで支給してもらったから着てるだけ」
口の減らない恋人の口を口でふさいだ。本来、この服に似合うのは煙草と埃、ブランデーか安酒のジン。そして垢じみた油の匂いだろう。とはいえ、齢二十を越えてもピュアさを残す夜空にそんなくたびれた風情は似合わないし、ウィリアムも落ち着くのはまだこちらのフレイバーのほうだ。
「……ねえ、カナリア」
芝居がかった呼びかけに、ウィリアムは思考を中断させた。
「あのね、ちょっと、聞いてもいいかな」
「どうぞ」
「ウィルは、どうして俺のことを好きなの?」
少女がするような幼稚な質問を、ウィリアムははじめ、たしなめた。
「愛の定義をしたいのか?」
「だって気になるよ」
沈黙の後、夜空の肩口に顔を埋め、ウィリアムは告白した。
「はっきり自覚したのはお前が私に初めて治癒魔法をしてくれた時だ。けれど、どうも私は男しか愛せない。だから……だから一つだけ、許してほしい」
高ぶる自身の鼓動を感じながら、ウィリアムは続けた。
「多分、最初から。入学試験の時に初めて夜空を見た。あの時には既に、お前に対しての欲望を……抱いていたのかもしれない」
悔恨のことばを聞くと、夜空は胸の中から跳ねあがって起き上がり、らんらんときらめく黒い瞳で、まっすぐ見つめて一蹴した。
「真面目だなあ、ウィルは! えへへ、俺は……俺こそあの時間違いを犯したのに」
夜空は一瞬目を伏せたが、すぐに挑むような視線でウィリアムを見据えた。
「人が人を好きになるのに神様の許可なんていらない。ウィルが好意的に見てくれてたなら、俺はそれが嬉しい! だって俺のカナリアの……ウィルのキスは祝福だ。決して穢れてなんかいないよ」
怒涛のように言い切って夜空はどっと体勢を入れ替え、滅茶苦茶に口づけしてきた。鼻をこすりつけ、息継ぎにつれて何度も。肩をベッドに押し倒し、頬にもう片方の手を当てて、熱烈に親愛を示す。主導権を奪われて、ウィリアムは慌てた。
「待ってくれ、夜空、少し落ち着いて……」
夜空は毛布を独り占めして悪戯っぽくニヤリと笑う。
「俺、かっこよかった? それとも綺麗だった? 俺ばっかりウィルが好きで、いつも辛いくらいなんだ。ねえねえ、教えてよぉ、ウィル~♡ たまにはコイビトを褒めて褒めて♡」
ベッドに腰かけたウィリアムは外れかかったカソックの襟を直しながら断った。
「『Sugar』! 調子に乗るな!」
ウィリアムの側のセイフワードだ。誘惑はいつも焼けるほど甘いから。
「そうそう、そうこなくっちゃ」
夜空は挑戦的に微笑み、がばっとベッドを脱け出した。個室の黒い窓枠から冬の空を見上げる。
「こっから先のお楽しみは、夜まで取っといて。きっと、もっと寒くなるよ……」
夜空は振り返り、ウィリアムを手招きした。
「雪もね、二人でくっついてれば温かいし、美しく見えるから」
ウィリアムはクローゼットから自身のコートを取り出して、夜空の肩にかけてやった。顎をとってキスを交わして、それから見せつけるように人差し指を立て、詠唱をした。
「四元素の原初たる炎の元素よ応じたまえ、我が爪先に焦熱し、燃焼系の燈りとなりて、人を導く一点の導とならん。炎魔法・Luce」
たちまち、爪先が暖かく燃える。炎属性の魔法の初歩の初歩、基本最小詠唱だ。小さくても揺らめくプラズマ。個室には暖房がない。普段ウィリアムは遊びで魔法を使わないが、恋人との時間には、もっと火の気がほしかった。
魔法とは体内を流れる魔素と外界に満ちる魔素の反応で、無から有を、エネルギーを作り出す術だ。おこがましいことにごく小規模な天変地異まで作り出す。ホモサピエンスは進みすぎた科学の代償を払ってほぼ絶滅し、自分たち獣人、本来は人類が作出した戦闘兵器に過ぎなかったはずのホモファシウスに支配された。カタストロフィから一千四百年程度が過ぎて、全知全能たる我らが神は、少なくとも世界を見放してはいなかったらしく、新人類は失った文明の代わりに、魔法を使えるようになった。
蛇が口移しした知恵の実とはどれほど強烈な味だったのだろう?
「何も燃料がなくても、爪に炎を灯せたら。ヒトの望み。マジシャンの業。ウィルの魔素の輝きだ。綺麗だよ」
夜空はかがみこみ、戯れのために灯しただけのその明かりに唇をつけた。ウィリアムは慌てて手を引こうとしたが、手首を強く捕まえられて、逃げられない。夜空は炎への口づけを終え、少し焼けた粘膜をぬぐいもせず、恋に酩酊した目つきで言った。
「……大好き、ウィリアム」
痛々しい仕草に、ウィリアムは押し黙った。手を振って灯りを消し、傷んだ唇に指を当てると、ずっとタイミングを計っていた誘いを切り出した。
「夜空。お前には果たさなければならない使命があるのは分かってる……けれどまず、私のマジシャンとして、私の故郷に来てくれないか」
将来を縛る。浮ついた蜜月を一歩進める言葉だった。卒業論文に忙殺される前にどうしても取り付けておかなければいけなかった。
ウィリアムはまず自分の側をクリアにするつもりだった。
マリーベル家は厳格なクリスチャンの家系で、男同士の関係などを許すわけはない。自分によく似た頑固な母親を思い出す。没落したがアイルランドの貴族の娘だ。父親は物静かで重々しく、あきれるほど儀礼映えする司祭。両親は手中の珠を堕落させた夜空を拒むだろう。きっと汚らわしいとまで罵られる。将来の約束は、だから怖気づいて先延ばしになっていただけなのだ。
万能に見える力の行使が魔術師の胸先三寸であるとすれば、それは人同士の争いのためにではなく、崩壊後新たに出現した「魔素のみで生きる存在」、魔物の殲滅に振るわれるべきだ。それがウィリアムが今までの人生で得た信念だ。
その実現は実家にいては叶わない。バチカンの退魔軍に入る気でいた。小修道院を経営する一族であるマリーベル家なら伝手はある。その進路を認めさせるためにも、味方がほしかった。夜空はにこっと微笑むと、オーケイ、とつぶやいた。
「ウィルの故郷だなんて光栄だよ。期待してて。俺のカナリア」
軽やかな返事を残して、医学書とノートを脇挟み、ウィリアムのコートを羽織ったまま、ひとりサロンへと戻っていく。
ウィリアムは腕組みして見送った。炭鉱で危機を歌う犠牲者のカナリア。そんな子供扱いからは、とうに卒業したはずだ。窓に向かって静かに祈り、十字を切った。
今夜雪が降るなら。それは人々を閉じ込めるだけの氷塊ではなく、私たちの未来を祝福して、せめて麗しくあれ。
空はまだ応えず、その前触れたる白さをたたえている。
☆
夜にはやはり雪が降った。寝る前の祈りを終えて、先にベッドに入った夜空の毛布をめくる。目を閉じて寝入っている横顔に祝福をこめてキスした。離れようとすると、寝間着の端を掴まれた。
「ウィル。一緒にあったまろう?」
シングルベッドだから狭くるしいが、夜空は出来うるだけ壁際に寄って、ウィリアムの分のスペースを空けていた。勝手知ったる態度で滑り込む。すかさずぎゅうっと胴を抱き込まれ、思わず苦笑した。
夜空はウィリアムの胸に顔を埋めている。つむじにキスして黒髪を優しくかき混ぜる。体温が馴染むまで何も言わず、互いの存在を確かめた。寮は静かで、雪がどさりと尖塔から落ちる音まで聞こえる。こういう時、ウィリアムはいつも修道院の昔を思い出す。年若の修練士たちは消灯を迎えても体力が有り余っており、互いのベッドを訪問してカードゲームや飲酒に耽っていたのだ。ウィリアムが仲間に入らなかったかというとそんなこともなく、冬にはくすねたワインで寒さを忘れようとすることもあった。あの頃よりは大人になったのに、あの頃よりも素朴な手段で暖をとっている。ウィリアムは当てずっぽうに夜空の唇をまさぐった。
「昼間、火傷したろう。まったく。心配させるな」
「ヒールしてくれる? うーん、でももう治っちゃったかも」
夜空はかぷっとウィリアムの指を噛んだ。甘えた挑発に、少し気が乗ってくる。三角の狼耳をさわさわと撫でる。夜空がささやく。
「じゅんび、してあるよ……身体も拭いてある」
「ん……カモミールか、これ」
ほんの少しのハーブの香りだ。鍋で煮だした化粧水で肌を清めたらしい。
「ウィルが良ければ、俺を抱いて」
夜空の手がやんわりと頬に触れた。声は密やかで、どこかしら敬虔だ。普段のように、今夜お願い、だとかてらいなく誘う気軽さはなかった。
「夜空は、したいのか……?」
慎重に尋ねる。夜空はこくんとうなずいた。
「そのための支度だよ。昼間、応えられなかったからさ……」
頭が動くとさらりと髪が鳴る。カンテラはもう消してあるから、互いの気配しかわからない。軍用作業着のボタンをはずして、仄かな花の香りがする冷ややかな首に触れた。滑らかな薄い肌に、硬い腱が埋まっている。下半身をもぞもぞとすり合わせていくと、夜空が耳元でかすれ声で誘った。
「ね、抱いて……」
それだけで全て許されたような気になった。ウィリアムは暴風にあおられたように恋人の身体に倒れこむ。胸板を、あばら骨を、くっきりとへこんだ腹筋を、手のひらでべったりとなで回す。乳首を舌先で転がして、唇で甘噛みする。ベッドとの隙間にまで手を差し入れて、尻を触ってきゅっと肉を掴んだ。性急にそこまでやってしまってから、改めて一番美味しい首筋にちゅくちゅくと吸い付いた。その間も手を戻して腰骨のあたりの尖りを楽しんでいる。
性的な部分よりも先に、夜空を思いっきり味わう気でいた。緩みのない腹部を撫でる。くすぐったいのか身体がすくむ。撫で上げて、じっくり胸板に掌を添える。夜空、夜空、愛してる。それが免罪符だ。何度も何度も胸に繰り返す。こめかみをくっつけあって、短く唇をつける。夜空がきゅううと喉で唸って、またもやささやく。
「俺、ウィルに食べられちゃうんだ……」
「美味しくできてる。夜空……ほら、弱いところだぞ?」
ウィリアムは鎖骨の間を舐めながらシャツをはだけさせ、夜空の左の乳首に指をひっかけた。肌よりも薄い乳頭をさぐり出してつまむ。今度は唇を重ねながら、感じさせたくて親指で小さな粒を転がす。全身に夜空の存在を感じて、ウィリアムのほうも満足でとろけそうだった。
「んっ……!」
夜空が高い裏声を震わせる。左は弱いのだ。指先でこりこりと擦ると、くっつけあった腰が左右に揺れた。白狼のふさふさした尾も、心持ち持ち上がった。そのうち、薄い花びらのような感触しかなかった小さな乳首がピンと立ってくる。押し込んで、丸くこねてやる。胸筋ごと広く揉みこねる。いよいよいじり回すだけでは足りなくて、頭を下げてまずは思わせぶりに肋骨の合間を舐めて、そして感じやすい左の乳首に吸い付いた。
「ああ、ウィル……俺のはそんなにしなくていいよ……」
「何でだ? 夜空だって感じないと辛いだろう。それに美味しいんだ、ここ」
「中にちゃんとジェルも塗ってあるから。乾いちゃうよ、入れちゃって……!」
性交を事務的に捉えた台詞で、ウィリアムは少し鼻白んだ。だが、すぐにくすりと笑って、夜空を転がして背中から抱き込む。尻にわざとまだ大人しいぺニスをあてがった。夜空はしゅんとうつむく。
「そ、そっか、まだ……ごめんね、俺、ウィルにブロウジョブする」
ウィリアムは答えずにパン生地の固さの耳たぶを舐めしゃぶった。その間にも左の乳首は離さず、くにくにとこねている。つまんで、撫でさすって、時折爪弾く。耳にふうっと熱く息をかけると、夜空は刺激で首をすくめた。長い黒髪を鼻柱でかき分けて、カモミールのまろやかな香りにひたる。うなじをくんくん嗅ぎ回る。ヒトの耳よりも薄いけもみみをはむっと噛んでやる。
そんなじゃれ合いに飽きることはなかく、丸く硬い後頭部を顔全体で感じながら、ウィリアムは乳首を二本指でそっと挟んだ。ふー、と大きく息が吐かれて、夜空がお尻を押しつけてくる。そして濡れた声が言った。
「ウィルぅ……俺、たまらなくなっちゃうよう……! 」
「そうこなくっちゃな。フフ……夜空のあれは機嫌がいいかな……?」
ズボンの上からじっくりとさすりあげてやると、股間は熱い畝になっていた。
「はぁ、あ…… ダメ、ダメだよ、俺がウィルのをする……!」
ウィリアムは聞かずに前をくつろげて、綿の下着ごと握りこんだ。そして固さを確かめると、前布をずらして直接触れた。天山伝統の下着はこういうとき実に都合がいい。ふっくらと張りつめた性器をやわやわと五指でくすぐってやる。息を耳に吹きかけ、熱く囁いた。
「男は感じやすいものだ……これに耐えられるやつはいない。私の愛撫でいつも通りに可愛く鳴いてくれ」
より敏感な玉のほうも掬って手のひらで転がしてやる。優しく揉んでみると、腰が分かりやすくびくっと震えた。すかさず、裏筋をたぐって先端の切れ目までなぞりあげる。くしゃくしゃっとつまさきでマッサージすると、とろみのある先走りがあふれてくる。
「あぅ、ウィル、あうっ、だ、ダメだよ、はっ、うう、おれ、俺がしてあげるのに……!」
「んん? 勿論後でしてもらうぞ。本当に『ダメ』なのか? 身体のほうは正直みたいだが」
「う~っ、な、何をオヤジくさいこと……! んっ、や、やだよ俺……! 弄られちゃってる」
「可愛い可愛い。いっぱい感じるんだ」
台詞とは裏腹に、きゅんきゅん尖り始めた男性器がいじらしく、ウィリアムはようやく本格的に茎からしごき始める。上下にねっとり搾ってやると、夜空はきゅううっと縮こまって「くぅん、ふ、うあ」とあえぐ。快感に耐えるため、内に内にと折り畳まっていくので、ウィリアムはより大胆に性器を揉みこむ。
反り返ってキチキチと重くなった熱いぺニスの感触。ねとつく液の肌触り。男同士でセックスしている、という実感が痛いほどだ。楽しくて愛撫を止められない。苦しげな喘ぎもウィリアムの胸中までかきむしる。
「はぁっ、くんっ、んっんっ、ウィル……ダメだよ、おれ、ダメになっちゃぅう!」
「イヤならセイフワードを言えばいい。違うんだろう? もう夢中のはずだ。素直になるんだ、な、夜空?」
夜空は腰砕けですでに半眼だ。それでも強情に首を左右に振った。ウィリアムは溜め息をついて、勃起してきたぺニスをぐいっと尻に食い込ませる。夜空は「くぅうぅ……!」と喉で声を殺した。それで口だけの抵抗はきれいさっぱり止んでしまった。
どんな魔物にも果敢に立ち向かう夜空。友人にはいつも親切な夜空。気さくで甘えたがりの夜空。人を殺すことに躊躇しなかったいけない夜空。黒髪黒眼の美しい白狼種。すっくと立って手折れない気高いアイリス。
本来男の獣欲など嫌ってしかるべきなのに、尻を突きだして受け入れの姿勢をとっている。酷薄な要求にも従順に自らを捧げている。愛しさがオーバーヒートして、ウィリアムは浮かされたように口説きまくった。
「そうだ、いい子だ、気持ちいいな? ロマンチックに誘うんだ。お前は私のただひとりの恋人なんだから……!」
自分のものを慰めるよりずっと熱烈に指をうごめかせた。丸く膨らんだ頭の部分を握り、先走りで濡れた割れ目を指先で掻く。剥き出しの先端にとろとろと粘液を塗り込めて遊ぶ。脳まで犯してやるつもりで、ひっきりなしに囁きを重ねた。
「やらしい夜空……沢山感じていいんだぞ。自分のペースで、ゆっくりで構わない。お前が気持ちいいなら私も嬉しいんだ。こっちの尻尾はぐしょ濡れだ……好きなだけ、たっぷり掻いてやる」
そしてじくじくと人差し指で尿道口までこねまわす。指の腹で強めになぞる。孔に爪を食い込ませる。同じ造りだから、そこを焼く力加減も熟知している。
ともすれば強すぎる刺激だったが、夜空の身体はうまく快感を拾ってくれたようだった。電流に撃たれたように腰が跳ね、内股がより強くすり合わされる。
「はぁっ、ァっ、あぅ! で、出ちゃう、ウィルだめ駄目だよ俺イっちゃう……っ!」
「大丈夫……思い切り爆ぜていいから」
「うっ、あ、あー、ウィルぅ、ごめん、手で受け止めて……っ!」
「オーケイ、マイスウィート。全部出してしまえ」
仕上げに親指と中指で作ったリングで茎とのくびれを強く締め上げた。
「ふぅっ、うーっ、うぅうう♡」
くっつきあっていた腰がかくかくと機械的に動いた。びゅっ、びゅっと熱いドロドロが射出される。オーガズムを極めた夜空はウィリアムの腕の中で背を丸めて力んでいる。断続的に収縮して、手のひらや指を重たい精液で汚すと、ふわっと脱力した。
はぁはぁと吐息交ざりに夜空が言う。
「……やっぱり俺も、してあげたい」
「ああ、次は夜空の好きなようにしてくれ」
睦言を交わし合うと、夜空はのたくたと動いた。ウィリアムも手を拭いて、仰向けになって待つ。恋人の絶頂に煽られて、股間はすっかりガチガチだ。夜空は、まずは頬に軽くキスをしてくれた。そして嬉しそうに予告する。
「ウィル……幸せにしてあげるね」
ばさりと寝間着をかきあげ、下履きを口で咥えて引きずり下ろす。現れた肉色のぺニスに、丁寧に口づけしている。薄くて柔らかい唇をじっくりと押しつけられ、期待でひくひく震えてしまう。鼻筋や頬を反り返った茎に触れさせ、すううっ……と深呼吸までしているのでウィリアムも気色ばんで上体を起こした。脚を投げ出して座り込む姿勢になって、腰のところにうずくまる夜空の肩をたたく。
「夜空? どうした、無理はさせたくない。イヤならセイフワードを……」
「ううん……平気……」
夜空は玉と竿の境目にキスをして、手のひらで大切そうに性器を包んだ。愛しくてたまらないという優しげな視線で見上げてくる。
「ウィルのからだの匂い。俺、興奮するよ……ちょっとだけツンとくる」
「っ……! まったく! いつだってギルティだな!」
「そうだよ、俺のほうがヘンタイなんだ。だからウィルも感じて。俺、ウィルになら使われてあげる」
恥ずかしさで悪態をついたマリーベルをあっさり肯定し、夜空ははぷっと切っ先をくわえた。這うような遅さでじっくりと皮の隙間までねぶってくる。敏感なところにいきなり濡れた感触をあてがわれ刺激されて、本能的な恐れが先にきた。引こうとするが、夜空は逃さないとばかりに亀頭を頬張って、ぢううっと真空にして吸った。とたんに腰がくだけて、「うっ……♡」と喉から声が漏れてしまう。ゼロ距離の粘膜密着だ。夜空はしばらくきつく吸い込んで、首の段差にまで唇を滑らせると、今度はきゅぷっと音までたてて勢いよく抜きとった。勃起が揺れて下腹を叩き、そっと引き下げられて先端にキスされる。翻弄されきって、ウィリアムは言葉を失う。『使われる』どころか、どう考えたって楽しんでいた。
「ん、ん、ウィル、ウィル、俺のマリーベル♡」
秘部にまで頬擦りしながら、夜空は人差し指で焦らすように浮いた筋をさする。じわりと染み出た先走りをすかさず舐めとる。快感がほしくてうずいた性器を、それでも少しずつ愛撫されて、ウィリアムは頭を振り、歯を食いしばる。ちゅ、ちゅ、とくすぐるようにキスされながら、本格的な行為を待っている。
夜空は赤くなったペニスにふーっと息を吹きかける。
空気の揺れだけでもウィリアムは感じる。
ちろちろと、さっき責め立ててやったのと同じ出口を舌でくすぐられる。
柔軟な針を差し込まれているかのような快感がはじける。
きゅっ、と竿を握られる。そうしてゆるくしごかれる。
まるく張った頭の部分を再び口に含まれて、たっぷりの唾液でひたされる。
最初のどぎつい吸引とは違って、それは甘やかすような包容に近かった。
「はぁ、はあ、ああ、夜空、夜空!」
ウィリアムは夜空の後頭部を髪ごとかきまわして、性のよろこびに浸った。膝が自然に曲がってかくかく笑う。夜空は名前を呼ばれるたびにくぐもった声を上げて応える。髪を掴まれても、ゆったりと顎や舌を動かしている。くぷくぷと全体を呑み込み、丹念に舌で湿らせてから、もう一度口を性器から離し、媚びた目線で問いかけてくる。
「出しちゃう? それとも、もう俺に入れちゃう?」
迷う選択だった。
塔の窓に取り付けられた魔素ランプと雪明かりが逆光で反射して、薄ぼんやりと夜空の姿が浮き上がった。軍用作業着のシャツははだけられ、胸元が露わになってしどけない。唇は濡れて美味しそうに光り、幼げな顔立ちも今は強い欲情に燃えている。もちろん二人で抱き合いたい。けれど若いウィリアムは切羽詰まっていて、主導権を取り戻して絶頂を引き伸ばすなんてできっこなかった。
「くっ……、いや、ともかくお前に射精したい。頼む、全て、飲んでくれ……!」
若干の敗北感にまみれながらウィリアムは嘆願した。それは下半身の奥に射精するよりもある意味罪深い行為だ。
夜空は返事代わりに股間に頭を埋め、皮のむけた無防備な場所に歯を当てないようにじりじりと呑み込んだ。柔らかな粘膜が男性器を滑らかに包んで、こつりと喉奥に先っぽが当たる。硬いその場所への到達に、ウィリアムはほとんど原始的な満足まで覚える。次に来たのは頬をすぼめた吸引だ。奥から分泌される唾液はねばついて肉棒に絡みつき、舌が裏筋を強く支えつつなぞった。苦しみを与えると分かっていても、ウィリアムはがくっと腰を突き動かして、微妙な喉の引っかかりを楽しみつつ、悦楽に溺れて射精した。意識的に、体内で煮えた火の液を最奥で味わわせるために。
――ああ夜空。私の汚れも欲も愛も全部ごたまぜに受け取ってくれ!
びくん、びくんっ!、とペニスが狂暴に暴れる。遺伝子が次々と細い管を突き抜けていく。尻の筋肉がひきつり、射出のたびに脳の内側が激しい快感に削られる。ほとんど下の始末と変わりない。明滅する視界のなかで、侵犯の自覚とともに体液を出しつくす。夜空は力ずくに頭まで抑え込まれても、性器のうごめきが収まるまではじっと動かずにいた。マゾヒスティックな感懐に陥って、精子が気管に入らないよう、こくこくとすすんで嚥下している。鼻腔を抜けていく青臭い匂い。徐々に柔らかくなっていくペニスを噛まないように解放して、ちまちま舐めながら仕上げにはいたわりのキスだ。一方ウィリアムは愛する人を汚し尽くしたという背徳に憔悴しきって、息も絶え絶えベッドに沈み込んだ。
「ごめん……」
素になって謝る。夜空は仰向けのウィリアムにのしかかって、ぐしゃぐしゃと金髪をかき回し、きつく頭を抱いた。
「謝ることなんかないよ。俺だって煽ったし。このまま休んで。抱いててあげる……」
射精後の急速な眠気に、甘ったるい誘いが拍車をかけて、ウィリアムは泣き出しそうになりながら、恋人に抱き着いて眠りに落ちてしまう。
……夜明け頃、ウィリアムはふと寒さで身を起こした。夜空のほうのベッドだという慣れない意識があったのかもしれない。夜空は傍らにはおらず、窓枠のところに椅子を動かして座り込み、分厚い魔術の研究書を読んでいた。雪は深く積もり、照り返して窓の外はひときわ明るい。白みはじめた朝空を背景に、冴えた横顔はとりわけ魅力的に写った。目も眩みそうなほどで、後ろめたさを感じる。喉のあんなに深いところまで犯したなんて、どう考えても愛からじゃない。
ベッドを降りて、なんにもわかっていないような夜空に近づいた。挨拶もせずに肩にかかる黒髪をすくいあげ、軽く口づける。
夜空は大して構わずに、おはようと笑った。ウィリアムは昨晩さんざん汚したその唇を撫でてやった。勉強の邪魔だとも思ったが、床にひざまずいて懺悔のつもりで見上げる。
「……本当にすまなかった、もうしない」
夜空は尾をぱたりと振って、少し考え込んだ。そして一音ずつ念を押してセイフワードを言った。
「『カ・ナ・リ・ア』。そんなの認めない。俺はウィルの恋人になったんだもん」
本を閉じて椅子に置き、ウィリアムの両手をとって、立ち上がらせる。夜空は身をのりだし、しっかりと目を合わせて誓った。
「愛しあうって、たぶん綺麗なことばかりじゃないよ。罪だろうが、何だろうが、出来るだけ引き受ける。だから、俺もお願いしていい? ……ウィルの用が終わったら、俺の故郷にもついてきて。みんなを解放したいけど、俺ひとりじゃ不安なんだ」
マジシャンには珍しくもないのかもしれないが、夜空の側も事情もちだ。祖国・天山からの亡命。そして異国・ロンシャンでマフィアの側近として英才教育を受けた。しかし彼の故郷にはいまだ、100年を生きる魔物が巣食い、彼を守り育ててくれた人々までも支配している。
はなから討伐にはついていくつもりだったウィリアムは一瞬驚いて、不敵に笑った。
「分かった。ともに魔物を討ち果たそう……必ずだ。お前とならなんだって乗り越えられる」
「死ぬかもしれないよ」
「夜空はそれを許すのか? せいぜい全力で救ってくれ」
「約束する……ありがとう、俺の盟友。君は俺のルーチェ、希望への道しるべだ」
夜空はかみしめるように言って、今度は片手で握手してきた。ウィリアムも握り返す。骨ばった手は温かく、頼もしい。
ウィリアムは二人の絆が愛だけではないのがひたすらうれしかった。学びの場では常に議論を戦わせ、戦闘訓練では守り合い、たくさんの打ち明け話もした。人恋しい夜には肩を寄せ合い、涙だって笑顔だって知っている。夜空を初めて見つけたその瞬間から、こんな関係になりたいと望んでいたのだ。繋いだ手をどちらともなく離す。夜空は読書を続け、ウィリアムは自室を後にした。
窓から見るに、雪は本格的に積もったようだ。誰の足跡もついていない、純白の光景が見たくて、そしてその中でただひとりだけに感謝を捧げたくて、ウィリアムは朝の支度を急いで終え、人気のない階下へと降りて行った。
(了)畳む
#ComingOutofMagicianYozora #[マリーベル×夜空]
カップリングなりきり100の質問の続き。性的な質問多し。
51 貴方は受け? 攻め?
Yozora「ウィルに抱かれてるよ……ハッキリ言うなら、犯されてる」
William「ハーン? 被害でも受けてるかのような物言いだな」
52 どうしてそう決まったの?
William「私が逆は無理だからだ」
Yozora「幼いウィルと一緒だったら俺が守ってやれたのに」
53 その状態に満足してる?
William「大満足だ」
Yozora「うう~、まあ、俺も正直に言えば何かに入れたいと思う時はあるけど、でもウィルが望まないからね」
William「私はそっちには回れないからな。望まれることもあるだろうが、きっぱりムリだ」
54 初エッチはどこで?
Yozora「ウォールデン遺跡だよ……」
William「私は寮の一室という認識だった」
Yozora「いや、それは初めて挿れたときでしょ。俺がウィルにキスして、それで処理してあげたのはウォールデン遺跡じゃないか」
55 その時の感想を・・・・
William「か、感想って?! んー、Fantastic! Romantic! BloodyGuilty!」
Yozora「気持ちよかったならよかったよ。俺も罪深い気持ちだった」
56 その時、相手はどんな様子でした?
Yozora「可愛かったよ、ウィル……♡」
William「何か誤解を招く感想だな? 私は……ああ! もう夜空の魅力の中毒だ。どうしてあんなに艶めかしい!」
57 初夜の朝、最初の言葉は?
William「やっぱり『可愛かったよ、ウィル』って言われたと思ったんだが……」
Yozora「いや。『おはよう。なんだか照れるけど、これからもよろしくね』だったよ。俺はちゃんと覚えてるのにな……」
William「いや、確かに『可愛い』とかなんだとか言われた。複雑な思いしかしない。未熟さをからかわれているような気がする」
Yozora「俺は褒めてるつもりだよ。じゃあウィルが俺を『可愛い』って言うのはどうなんだ。未熟さをからかってるのか?」
William「う……それは違う。夜空。すまなかった」
58 エッチは週に何回くらいする?
Yozora「ペッティングも含めて一回はしちゃってると思うけど……」
William「寮では禁止されてる行為だから、本当はマズイな」
59 理想は週に何回?
William「い、いや……その。二回くらいだろうか」
Yozora「はは……まぁ、体調が万全なら付き合うけど」
60 どんなエッチなの?
William「夜空は相当、乱れる」
Yozora「あー、恥ずかしい。俺恥ずかしいよ。だって好きなんだもん、仕方ないだろ……!」
61 自分が一番感じるのはどこ?
William「秘密だ」
Yozora「狡いよウィル。教えてくれたら、感じるところを集中的にしてあげるんだけどなー」
William「フッ、私の性感帯は夜空のほうが詳しいかもしれないな……♡♡」
Yozora「俺がすっごい厭らしいみたいじゃないか、それって」
William「積極的に過ぎるのは確かだと思うが?」
Yozora「うーーーー、ウィルだって喜んでるだろ! じゃあもっと淡泊にする」
William「閑話休題。それで、夜空が感じるのはどこなんだ」
Yozora「知ってるだろ、胸だよ」
62 相手が一番感じているのはどこ?
William「胸? いや、まぁ確かに性感帯なのは知ってるが、『一番』じゃないだろ?」
Yozora「俺もう何も言わないから。品がなさすぎる質問だと思う」
63 エッチの時の相手を一言で言うと?
William「私を焼きつくす甘く、熱い罪」
Yozora「性欲処理の可愛いケダモノ」
William「はぁ!? 夜空はそんな風に思ってたのか。愛の行為だとは思えないのか!?」
64 エッチははっきり言って好き? 嫌い?
William「メイクラブって言葉の意味が解っているか!? 私が一方的に犯し凌辱するだけだと?!」
Yozora「それは違う! ウィルは激しいってことだよ」
William「夜空。認知に歪みがあるぞ。お前だってセックスが好きだろう? それもいささか激しすぎる。私が『性欲処理の可愛いケダモノ』なら、お前だって同じだがな」
Yozora「ごめん、俺、ホントに卑しいな……」
65 普段どんなシチュエーションでエッチするの?
Yozora「寮では淫らな行為は禁止。これである程度分かってくれ」
William「ルームメイトだからな。外でやってるのを見つかるよりはいいとも思うんだが……夜、どちらかが誘うことが多い。応じられるならスタート」
Yozora「……俺もウィルも若くて健康だしね」
66 やってみたいシチュエーションは?(場所、時間、コスチューム等)
Yozora「は、恥ずかしい質問ばっかりだな!」
William「ンー、これって答えなくてはいけないのか?」
Yozora「ウィルのは知りたい気がするから……俺は、女装してウィルのお嫁さんぶってみたい」
William「俺はあまりやりたくないな……コスチュームならバトラーの方が。フォーマルなのをきっちり着込んでくれ」
Yozora「それってセックスのためにいちいち着るの?」
William「あまりそそられないな。職務の途中に夜空を捕まえてピアノに横たえ強引に……とか、ダメか?」
Yozora「俺、普通に夜、二人で布団でしてみたいけど」
William「こらこら。話を逸らすな。ロンシャンのマジカルドクターの衣装もいいな。ドレスアップしてくれ」
Yozora「ウィル、温泉旅行して浴衣で床入りとかしたくないの?」
William「えーっと、夜空? そのファンタジーは私にはわかりづらい……」
67 シャワーはエッチの前? 後?
William「前後どっちもと行きたいところだ。選択するなら前だな」
Yozora「俺も同じだな。できるなら後も禊したいけど……」
68 エッチの時の二人の約束ってある?
William「この際ハッキリさせておきたい。『ヤダ』とか『ダメ』とか『恥ずかしい』ってやめてくれ。だって本当は『YES』なんだろう?」
Yozora「……ウィル、言葉責めしないで。恥ずかしいよ」
William「だからだな……もっとしてほしいならそう言え。実際イヤならそう言ってくれ。本当の線引きがわからなくなる」
Yozora「じゃあ、良ければウィルの髪に触れるから。嫌なら離す。それでいい? 反射的に出てる言葉だから変えづらい。恥じらうことぐらい許してほしい」
69 相手以外とエッチしたことはある?
William「NO」
Yozora「俺もノー。セクシャルハラスメントは数えない」
70 「心が得られないなら身体だけでも」という考えについて。賛成? 反対?
Yozora「いろんな考えがあっていいんじゃないのかな。誰と、どういうセックスするかはその人が決めるべき」
William「私は明確に反対だ。道徳に反してる」
71 相手が悪者に強姦されてしまいました! どうする?
William「ああ……考えるだけで苛立たしい!」
Yozora「まずはメディカルチェックだ。相手には法にのっとった裁きを。俺がずっと傍にいるから、安全と回復を優先してほしい」
72 エッチの前と後、より恥ずかしいのはどっち?
William「いや、後だろう……」
Yozora「後だね。激しくしちゃった後とか、もう死にたい」
73 親友が「今夜だけ、寂しいから・・・」とエッチを求めてきました。どうする?
William「それってもはや親友ではないと思うが」
Yozora「たしかに、俺にはウィルがいるし……『今夜だけ』かあ。親友に一時しのぎの相手と思われているなんてショックだな」
William「私は『今夜だけ』なんて嫌だった。『寂しいから』? 言語同断だ。恋の駆け引きとしてこんな卑怯な文句を使う人間もいるのか? しかし……ああ、ままならないな。恋仲になる前の夜空からこんな風に誘われたらとても断れまい」
Yozora「いや、堂々と断れたよ。ウィルはそんなにだらしのない人間じゃない」
William「キスだけして終いか。まとめると、もともと恋心があった相手からなら多少は応じてしまうということだな。我ながら情けない」
Yozora「恋の始まりとしては否定しきれないのか。でも俺も六郎やポールやエドワードから言われたら絶対に乗る! だって確実に別の相談だよ。ベッドの誘いはカモフラージュだ」
William「お前の親友たちってどういうキャラなんだよ。そんなの言い訳でただの浮気だろう!? 何だってわざわざ波風の立つ手段を……許さないぞ」
74 自分はエッチが巧いと思う?
William「精一杯尽くしてはいる。評価は?」
Yozora「い、いや。全部気持ちいいから巧いんだろうな。俺は……俺も頑張ってはいる! ウィルに何でもかんでもしてあげたい!」
William「セクシーさだけは凄いんだけどな、フフフ……」
75 相手はエッチが巧い?
Yozora「この際だからちゃんと聞きたい。下手ですか?」
William「ん? うーん、ワンパターンだが、私にも守りたい一線はあるしな」
Yozora「はは……ちょっとでも可愛がろうとするとすぐにNG出すくせに」
William「イヤなんだよ。弄ばれて抱かれるのは」
76 エッチ中に相手に言ってほしい言葉は?
Yozora「『気持ちいい』とか『最高だ』とかの肯定的な言葉」
William「私も同じなんだが。『イヤ』とか『ダメ』とか『恥ずかしい』とかばっかりで……」
Yozora「『Yes』とか『Darling』とかって何だか情緒がなくない?」
William「無体を強いている気がしてはっきり言って楽しめない」
Yozora「うーん、『様式美』っていうか。でも俺もたしかにパートナーに言われたら止めちゃうな。あの、出来れば短くキスして『好き』って言ってくれ!」
William「Okay、なんだかちょっと母親のようだが」
Yozora「俺も全部やってあげるから。せめてウィルに満足を与えたい」
77 エッチ中に相手が見せる顔で好きな顔はどんなの?
William「あられもなく感じまくってる顔には正直呆れてもいる」
Yozora「じゃあもう全部我慢する。美しいと思ってもらえてないのは分かってる。でも挿れられると余裕なんかないんだよ……負担だってあるし」
William「ごめん。もう少し優しくする。それに演技してほしいとも思ってないから、今のままで構わない」
Yozora「でもウィルは最中もキレイだからね。流し目なんかドキッとするよ。中毒になっちゃってるのは俺の方だ」
78 恋人以外ともエッチしてもいいと思う?
William「俺は嫌だ」
Yozora「人によるとは思うけど、俺もウィル以外とは嫌だ。その誓いまで破ったら、もう後は何も残らないから」
79 SMとかに興味はある?
William「まったくないな。何が哀しくて愛する者を痛めつける?」
Yozora「俺も本当は無理なんだよね。暴力にはとりたてて愛を感じられない。ただ死んだ目で耐えてるに過ぎない。やられる方ははっきり言ってサディスト側を軽蔑してると思うな。理不尽なルールの中で偽りの権力を振るってるってだけだよ。文字通りの裸の王様だ。でもそれって俺たちマジシャンにも少し似ているね?」
William「……そうかもな。人は強権を与えられればそのようにふるまうのか。適正な行使を肝に銘じなくてはな」
80 突然相手が身体を求めてこなくなったらどうする?
William「浮気を疑う」
Yozora「俺も、まあ他に誰かがいるのかなって。別に構わないといえば構わないけど。セックスする関係は終わりってだけだ。俺はそれでもウィルを愛してる」
81 強姦をどう思いますか?
William「唾棄すべき暴行だ。わざわざ言うまでもない。何でこういった穏やかでない質問が続くんだ」
Yozora「強烈な独善性、攻撃性の現れ。繰り返すけど、俺もとくにその類のことにロマンは感じられないな。結局ね、もう通常のセックスには飽きてるんだよ。あるいは性を肯定的には捉えられない精神的な病なんだ。犠牲者になる気も犯人になる気もない。ただ、俺もそんなこと言ってても、ボスに逆らう人間は手ひどく犯し殺されてしまえと思うけどね。犯す側だって労力はあるから難しいけど」
William「お前のそういう卑怯なところが許せないんだ! ロンシャンマフィアの一員ではないと言うくせにその暴力は許容して利用までしている。自分だけは埒外にいる人間だって? くだらない、ふざけるな、監視するぞ」
82 エッチでツライのは何?
William「嫌がられること。自分の疚しさに直面するようで辛い」
Yozora「わかった、もうネガティブなことは叫ばない」
William「加えて、受け手に回ることだな。夜空はどうしてコック以外を攻めたがるんだ?」
Yozora「それは……自分がされると気持ちいいから。サービスを受けるばかりでは心苦しいんだ。俺はウィルを犯そうとはしていないよ……」
William「わかった。もう少し身を任せてみる」
83 今までエッチした場所で一番スリリングだったのはどこ?
William「寮の部屋だって充分にスリリングだ。もっとプライバシーが保護された空間で耽りたい」
Yozora「今思うと外だなんてゾッとするね」
84 受けの側からエッチに誘ったことはある?
Yozora「誘ったらいけないんだろうか……」
William「Bottomのコンディションは大事だからな。むしろオッケーな日はそうと言ってくれ。幻滅したくない」
85 その時の攻めの反応は?
William「フフ……まちまちだな。その気でない日はやらない。でも明日できるとも限らないからな」
86 攻めが強姦したことはある?
William「そんなことするはずがないだろう。自慢じゃないが私はマジシャンの端くれだぞ。仕置ならばセクシャルじゃない方法がいくらでもある」
87 その時の受けの反応は?
Yozora「ウィルがしたいならただ受け入れるだけだけどね」
88 「エッチの相手にするなら・・・」という理想像はある?
William「夜空でいい。理想像の演技までしてくれとは思わない」
Yozora「俺もウィルしか分からないから。それ、リアルで追い求めはじめると性病になっちゃうよ?」
89 相手は理想にかなってる?
William「……大丈夫。夜空は私の理想だ。美しいエイジャン、ジャパニーズの男を抱いてる。貴い血統の賢い男をだ。これ以上の陶酔はない」
Yozora「だってウィルは金髪で緑の目で、ボスと同じだ。代わりとして見たことはないはずだけど、やっぱり好みではあるんだろうな」
William「……ああ、何にも嬉しくない」
90 エッチに小道具を使う?
William「潤滑剤を使わない場合夜空の身体に負担がかかる」
Yozora「魔力のあれこれも小道具には入ると思うよ」
William「そ、そうか。でも、濃密な時を過ごすためだからな。何せ生殖のためではないんだから……ああ、Guilty」
Yozora「ロンシャンからの物資にあったジェルを使ってるから節約が大変だよ。入れてくれたのはエリスさんだろうな……彼女は『そういう職業』だったから」
William「なんだか非常に恥ずかしいな。他の品を手に入れたいところだが……私の伝手だけで何とかなるだろうか」
Yozora「気を付けて。噂が証拠を得てしまえば、ウィルの評判は損なわれる」
91 貴方の「はじめて」は何歳の時?
William「十九歳、要するにまだ恋人関係は始まったばかりだ」
Yozora「俺は二十歳、そして後悔はしてない」
92 それは今の相手?
Yozora「ヴァージンだったころはプライベートで恋愛してセックスする人たちを理解できてなかった。天山(テンシャン)では立場上、許されない。ロンシャンでもそれは同じだった。性欲も恋心もすべて付け込まれる隙でしかなかったんだよ。生殖につながるから女の子とは問題だし、俺は彼を愛してる。ウィリアム・マリーベルの初めての相手だなんて光栄なくらいだよ。ウィルは俺の心を開いていつも正しい道へ導いてくれる。今じゃ、ラヴァーズ・ポンドに集う恋人たちは美しいとさえ思う。たとえ今後ほかの相手とそういう交渉があるとしても、ウィルが俺から離れて行っても、あの時感じていた快感も、罪の意識も肌のふれあいも現実だったんだ。完全に聖なるものたちには決してできないこと。俺は幸せ者だ」
William「私は自分がどうしてあんなに夜空に『一番乗り』したかったのかが分からない……汚らわしい欲情だけではなかったと思う。すまない、そろそろ理論武装も限界だ」
93 どこにキスされるのが一番好き?
Yozora「口だよ。命を吹き込まれるんだ」
William「私は頬かな」
94 どこにキスするのが一番好き?
Yozora「この答えが性器だったら哀しいよね。まぁ、ウィルも喜ぶししてあげたいんだけどさ」
William「はしたないぞ。私はまあ、首筋なんかけっこう好きだけどな。一番ってことならやはり唇に勝るものはないな」
95 エッチ中に相手が一番喜ぶことは何?
William「不埒すぎて答えられない」
Yozora「愛撫だとすればブロウジョブでしょ。俺がクリエイティブじゃないってことでもあるな……」
William「よ・ぞ・ら。スレた態度はやめるんだ。既に下世話な領域だぞ」
96 エッチの時、何を考えてる?
Yozora「ご奉仕」
William「もはや信じられない回答だな。じゃあセックス自体、やめたほうが互いのためか」
Yozora「……冗談だよ。ウィルに喜んでもらいたい、ウィルが大好きって伝えたいってことだけだよ。あんまり悪くとらないでほしい」
97 一晩に何回くらいやる?
William「ノーコメント。もう禁域だ」
Yozora「射精回数でも聞いてるの? うーん。ビジネスでもないんだし。互いに適量だと思うよ。翌日に響かないように気を付けるってだけ」
William「下卑た言葉を使うんじゃない。そういうドライさは魅力的じゃあない」
Yozora「でも俺、医者志望だし、これぐらいの質問でうろたえるわけには……」
William「私の側のプライバシーでもあるんだがな……」
98 エッチの時、服は自分で脱ぐ? 脱がせてもらう?
Yozora「ケースバイケース。雰囲気次第だと思う」
William「夜空。だから、答えるな」
99 貴方にとってエッチとは?
Yozora「性器を用いた運動の一形態。だからキスとハグはセックスには入りません。一人での行動も含みます」
William「突っ込みどころばかりだが、まあ夜空はそう思ってるんだな。普通に『愛情を伝え合うための恋人同士のボディランゲージ』とか言えないのか?」
Yozora「それだと投げキッスとかまでセックスの範疇だろ。性的な快感を追求するかとうかも人それぞれだ。あれ、でも……定義問題ではないか。あとウィルも結局のところフランクだね?」
William「ここだけはすり合わせておかないと二人の関係には害があるからな。『互いを性的に喜ばせ、己も満足を得るための儀式』。それでいいか?」
Yozora「了解。俺はそれで構わない」
100 相手に一言どうぞ
William「陳腐な告白をオリジナルに言いかえていくことを詩というのなら、私はお前との永遠がほしい」
Yozora「たとえ恋人同士でなくなっても、ウィルは俺の大事な人だよ。ずっと愛してる。いつだって信じて」
カップリングなりきり100の質問の続き。性的な質問多し。
51 貴方は受け? 攻め?
Yozora「ウィルに抱かれてるよ……ハッキリ言うなら、犯されてる」
William「ハーン? 被害でも受けてるかのような物言いだな」
52 どうしてそう決まったの?
William「私が逆は無理だからだ」
Yozora「幼いウィルと一緒だったら俺が守ってやれたのに」
53 その状態に満足してる?
William「大満足だ」
Yozora「うう~、まあ、俺も正直に言えば何かに入れたいと思う時はあるけど、でもウィルが望まないからね」
William「私はそっちには回れないからな。望まれることもあるだろうが、きっぱりムリだ」
54 初エッチはどこで?
Yozora「ウォールデン遺跡だよ……」
William「私は寮の一室という認識だった」
Yozora「いや、それは初めて挿れたときでしょ。俺がウィルにキスして、それで処理してあげたのはウォールデン遺跡じゃないか」
55 その時の感想を・・・・
William「か、感想って?! んー、Fantastic! Romantic! BloodyGuilty!」
Yozora「気持ちよかったならよかったよ。俺も罪深い気持ちだった」
56 その時、相手はどんな様子でした?
Yozora「可愛かったよ、ウィル……♡」
William「何か誤解を招く感想だな? 私は……ああ! もう夜空の魅力の中毒だ。どうしてあんなに艶めかしい!」
57 初夜の朝、最初の言葉は?
William「やっぱり『可愛かったよ、ウィル』って言われたと思ったんだが……」
Yozora「いや。『おはよう。なんだか照れるけど、これからもよろしくね』だったよ。俺はちゃんと覚えてるのにな……」
William「いや、確かに『可愛い』とかなんだとか言われた。複雑な思いしかしない。未熟さをからかわれているような気がする」
Yozora「俺は褒めてるつもりだよ。じゃあウィルが俺を『可愛い』って言うのはどうなんだ。未熟さをからかってるのか?」
William「う……それは違う。夜空。すまなかった」
58 エッチは週に何回くらいする?
Yozora「ペッティングも含めて一回はしちゃってると思うけど……」
William「寮では禁止されてる行為だから、本当はマズイな」
59 理想は週に何回?
William「い、いや……その。二回くらいだろうか」
Yozora「はは……まぁ、体調が万全なら付き合うけど」
60 どんなエッチなの?
William「夜空は相当、乱れる」
Yozora「あー、恥ずかしい。俺恥ずかしいよ。だって好きなんだもん、仕方ないだろ……!」
61 自分が一番感じるのはどこ?
William「秘密だ」
Yozora「狡いよウィル。教えてくれたら、感じるところを集中的にしてあげるんだけどなー」
William「フッ、私の性感帯は夜空のほうが詳しいかもしれないな……♡♡」
Yozora「俺がすっごい厭らしいみたいじゃないか、それって」
William「積極的に過ぎるのは確かだと思うが?」
Yozora「うーーーー、ウィルだって喜んでるだろ! じゃあもっと淡泊にする」
William「閑話休題。それで、夜空が感じるのはどこなんだ」
Yozora「知ってるだろ、胸だよ」
62 相手が一番感じているのはどこ?
William「胸? いや、まぁ確かに性感帯なのは知ってるが、『一番』じゃないだろ?」
Yozora「俺もう何も言わないから。品がなさすぎる質問だと思う」
63 エッチの時の相手を一言で言うと?
William「私を焼きつくす甘く、熱い罪」
Yozora「性欲処理の可愛いケダモノ」
William「はぁ!? 夜空はそんな風に思ってたのか。愛の行為だとは思えないのか!?」
64 エッチははっきり言って好き? 嫌い?
William「メイクラブって言葉の意味が解っているか!? 私が一方的に犯し凌辱するだけだと?!」
Yozora「それは違う! ウィルは激しいってことだよ」
William「夜空。認知に歪みがあるぞ。お前だってセックスが好きだろう? それもいささか激しすぎる。私が『性欲処理の可愛いケダモノ』なら、お前だって同じだがな」
Yozora「ごめん、俺、ホントに卑しいな……」
65 普段どんなシチュエーションでエッチするの?
Yozora「寮では淫らな行為は禁止。これである程度分かってくれ」
William「ルームメイトだからな。外でやってるのを見つかるよりはいいとも思うんだが……夜、どちらかが誘うことが多い。応じられるならスタート」
Yozora「……俺もウィルも若くて健康だしね」
66 やってみたいシチュエーションは?(場所、時間、コスチューム等)
Yozora「は、恥ずかしい質問ばっかりだな!」
William「ンー、これって答えなくてはいけないのか?」
Yozora「ウィルのは知りたい気がするから……俺は、女装してウィルのお嫁さんぶってみたい」
William「俺はあまりやりたくないな……コスチュームならバトラーの方が。フォーマルなのをきっちり着込んでくれ」
Yozora「それってセックスのためにいちいち着るの?」
William「あまりそそられないな。職務の途中に夜空を捕まえてピアノに横たえ強引に……とか、ダメか?」
Yozora「俺、普通に夜、二人で布団でしてみたいけど」
William「こらこら。話を逸らすな。ロンシャンのマジカルドクターの衣装もいいな。ドレスアップしてくれ」
Yozora「ウィル、温泉旅行して浴衣で床入りとかしたくないの?」
William「えーっと、夜空? そのファンタジーは私にはわかりづらい……」
67 シャワーはエッチの前? 後?
William「前後どっちもと行きたいところだ。選択するなら前だな」
Yozora「俺も同じだな。できるなら後も禊したいけど……」
68 エッチの時の二人の約束ってある?
William「この際ハッキリさせておきたい。『ヤダ』とか『ダメ』とか『恥ずかしい』ってやめてくれ。だって本当は『YES』なんだろう?」
Yozora「……ウィル、言葉責めしないで。恥ずかしいよ」
William「だからだな……もっとしてほしいならそう言え。実際イヤならそう言ってくれ。本当の線引きがわからなくなる」
Yozora「じゃあ、良ければウィルの髪に触れるから。嫌なら離す。それでいい? 反射的に出てる言葉だから変えづらい。恥じらうことぐらい許してほしい」
69 相手以外とエッチしたことはある?
William「NO」
Yozora「俺もノー。セクシャルハラスメントは数えない」
70 「心が得られないなら身体だけでも」という考えについて。賛成? 反対?
Yozora「いろんな考えがあっていいんじゃないのかな。誰と、どういうセックスするかはその人が決めるべき」
William「私は明確に反対だ。道徳に反してる」
71 相手が悪者に強姦されてしまいました! どうする?
William「ああ……考えるだけで苛立たしい!」
Yozora「まずはメディカルチェックだ。相手には法にのっとった裁きを。俺がずっと傍にいるから、安全と回復を優先してほしい」
72 エッチの前と後、より恥ずかしいのはどっち?
William「いや、後だろう……」
Yozora「後だね。激しくしちゃった後とか、もう死にたい」
73 親友が「今夜だけ、寂しいから・・・」とエッチを求めてきました。どうする?
William「それってもはや親友ではないと思うが」
Yozora「たしかに、俺にはウィルがいるし……『今夜だけ』かあ。親友に一時しのぎの相手と思われているなんてショックだな」
William「私は『今夜だけ』なんて嫌だった。『寂しいから』? 言語同断だ。恋の駆け引きとしてこんな卑怯な文句を使う人間もいるのか? しかし……ああ、ままならないな。恋仲になる前の夜空からこんな風に誘われたらとても断れまい」
Yozora「いや、堂々と断れたよ。ウィルはそんなにだらしのない人間じゃない」
William「キスだけして終いか。まとめると、もともと恋心があった相手からなら多少は応じてしまうということだな。我ながら情けない」
Yozora「恋の始まりとしては否定しきれないのか。でも俺も六郎やポールやエドワードから言われたら絶対に乗る! だって確実に別の相談だよ。ベッドの誘いはカモフラージュだ」
William「お前の親友たちってどういうキャラなんだよ。そんなの言い訳でただの浮気だろう!? 何だってわざわざ波風の立つ手段を……許さないぞ」
74 自分はエッチが巧いと思う?
William「精一杯尽くしてはいる。評価は?」
Yozora「い、いや。全部気持ちいいから巧いんだろうな。俺は……俺も頑張ってはいる! ウィルに何でもかんでもしてあげたい!」
William「セクシーさだけは凄いんだけどな、フフフ……」
75 相手はエッチが巧い?
Yozora「この際だからちゃんと聞きたい。下手ですか?」
William「ん? うーん、ワンパターンだが、私にも守りたい一線はあるしな」
Yozora「はは……ちょっとでも可愛がろうとするとすぐにNG出すくせに」
William「イヤなんだよ。弄ばれて抱かれるのは」
76 エッチ中に相手に言ってほしい言葉は?
Yozora「『気持ちいい』とか『最高だ』とかの肯定的な言葉」
William「私も同じなんだが。『イヤ』とか『ダメ』とか『恥ずかしい』とかばっかりで……」
Yozora「『Yes』とか『Darling』とかって何だか情緒がなくない?」
William「無体を強いている気がしてはっきり言って楽しめない」
Yozora「うーん、『様式美』っていうか。でも俺もたしかにパートナーに言われたら止めちゃうな。あの、出来れば短くキスして『好き』って言ってくれ!」
William「Okay、なんだかちょっと母親のようだが」
Yozora「俺も全部やってあげるから。せめてウィルに満足を与えたい」
77 エッチ中に相手が見せる顔で好きな顔はどんなの?
William「あられもなく感じまくってる顔には正直呆れてもいる」
Yozora「じゃあもう全部我慢する。美しいと思ってもらえてないのは分かってる。でも挿れられると余裕なんかないんだよ……負担だってあるし」
William「ごめん。もう少し優しくする。それに演技してほしいとも思ってないから、今のままで構わない」
Yozora「でもウィルは最中もキレイだからね。流し目なんかドキッとするよ。中毒になっちゃってるのは俺の方だ」
78 恋人以外ともエッチしてもいいと思う?
William「俺は嫌だ」
Yozora「人によるとは思うけど、俺もウィル以外とは嫌だ。その誓いまで破ったら、もう後は何も残らないから」
79 SMとかに興味はある?
William「まったくないな。何が哀しくて愛する者を痛めつける?」
Yozora「俺も本当は無理なんだよね。暴力にはとりたてて愛を感じられない。ただ死んだ目で耐えてるに過ぎない。やられる方ははっきり言ってサディスト側を軽蔑してると思うな。理不尽なルールの中で偽りの権力を振るってるってだけだよ。文字通りの裸の王様だ。でもそれって俺たちマジシャンにも少し似ているね?」
William「……そうかもな。人は強権を与えられればそのようにふるまうのか。適正な行使を肝に銘じなくてはな」
80 突然相手が身体を求めてこなくなったらどうする?
William「浮気を疑う」
Yozora「俺も、まあ他に誰かがいるのかなって。別に構わないといえば構わないけど。セックスする関係は終わりってだけだ。俺はそれでもウィルを愛してる」
81 強姦をどう思いますか?
William「唾棄すべき暴行だ。わざわざ言うまでもない。何でこういった穏やかでない質問が続くんだ」
Yozora「強烈な独善性、攻撃性の現れ。繰り返すけど、俺もとくにその類のことにロマンは感じられないな。結局ね、もう通常のセックスには飽きてるんだよ。あるいは性を肯定的には捉えられない精神的な病なんだ。犠牲者になる気も犯人になる気もない。ただ、俺もそんなこと言ってても、ボスに逆らう人間は手ひどく犯し殺されてしまえと思うけどね。犯す側だって労力はあるから難しいけど」
William「お前のそういう卑怯なところが許せないんだ! ロンシャンマフィアの一員ではないと言うくせにその暴力は許容して利用までしている。自分だけは埒外にいる人間だって? くだらない、ふざけるな、監視するぞ」
82 エッチでツライのは何?
William「嫌がられること。自分の疚しさに直面するようで辛い」
Yozora「わかった、もうネガティブなことは叫ばない」
William「加えて、受け手に回ることだな。夜空はどうしてコック以外を攻めたがるんだ?」
Yozora「それは……自分がされると気持ちいいから。サービスを受けるばかりでは心苦しいんだ。俺はウィルを犯そうとはしていないよ……」
William「わかった。もう少し身を任せてみる」
83 今までエッチした場所で一番スリリングだったのはどこ?
William「寮の部屋だって充分にスリリングだ。もっとプライバシーが保護された空間で耽りたい」
Yozora「今思うと外だなんてゾッとするね」
84 受けの側からエッチに誘ったことはある?
Yozora「誘ったらいけないんだろうか……」
William「Bottomのコンディションは大事だからな。むしろオッケーな日はそうと言ってくれ。幻滅したくない」
85 その時の攻めの反応は?
William「フフ……まちまちだな。その気でない日はやらない。でも明日できるとも限らないからな」
86 攻めが強姦したことはある?
William「そんなことするはずがないだろう。自慢じゃないが私はマジシャンの端くれだぞ。仕置ならばセクシャルじゃない方法がいくらでもある」
87 その時の受けの反応は?
Yozora「ウィルがしたいならただ受け入れるだけだけどね」
88 「エッチの相手にするなら・・・」という理想像はある?
William「夜空でいい。理想像の演技までしてくれとは思わない」
Yozora「俺もウィルしか分からないから。それ、リアルで追い求めはじめると性病になっちゃうよ?」
89 相手は理想にかなってる?
William「……大丈夫。夜空は私の理想だ。美しいエイジャン、ジャパニーズの男を抱いてる。貴い血統の賢い男をだ。これ以上の陶酔はない」
Yozora「だってウィルは金髪で緑の目で、ボスと同じだ。代わりとして見たことはないはずだけど、やっぱり好みではあるんだろうな」
William「……ああ、何にも嬉しくない」
90 エッチに小道具を使う?
William「潤滑剤を使わない場合夜空の身体に負担がかかる」
Yozora「魔力のあれこれも小道具には入ると思うよ」
William「そ、そうか。でも、濃密な時を過ごすためだからな。何せ生殖のためではないんだから……ああ、Guilty」
Yozora「ロンシャンからの物資にあったジェルを使ってるから節約が大変だよ。入れてくれたのはエリスさんだろうな……彼女は『そういう職業』だったから」
William「なんだか非常に恥ずかしいな。他の品を手に入れたいところだが……私の伝手だけで何とかなるだろうか」
Yozora「気を付けて。噂が証拠を得てしまえば、ウィルの評判は損なわれる」
91 貴方の「はじめて」は何歳の時?
William「十九歳、要するにまだ恋人関係は始まったばかりだ」
Yozora「俺は二十歳、そして後悔はしてない」
92 それは今の相手?
Yozora「ヴァージンだったころはプライベートで恋愛してセックスする人たちを理解できてなかった。天山(テンシャン)では立場上、許されない。ロンシャンでもそれは同じだった。性欲も恋心もすべて付け込まれる隙でしかなかったんだよ。生殖につながるから女の子とは問題だし、俺は彼を愛してる。ウィリアム・マリーベルの初めての相手だなんて光栄なくらいだよ。ウィルは俺の心を開いていつも正しい道へ導いてくれる。今じゃ、ラヴァーズ・ポンドに集う恋人たちは美しいとさえ思う。たとえ今後ほかの相手とそういう交渉があるとしても、ウィルが俺から離れて行っても、あの時感じていた快感も、罪の意識も肌のふれあいも現実だったんだ。完全に聖なるものたちには決してできないこと。俺は幸せ者だ」
William「私は自分がどうしてあんなに夜空に『一番乗り』したかったのかが分からない……汚らわしい欲情だけではなかったと思う。すまない、そろそろ理論武装も限界だ」
93 どこにキスされるのが一番好き?
Yozora「口だよ。命を吹き込まれるんだ」
William「私は頬かな」
94 どこにキスするのが一番好き?
Yozora「この答えが性器だったら哀しいよね。まぁ、ウィルも喜ぶししてあげたいんだけどさ」
William「はしたないぞ。私はまあ、首筋なんかけっこう好きだけどな。一番ってことならやはり唇に勝るものはないな」
95 エッチ中に相手が一番喜ぶことは何?
William「不埒すぎて答えられない」
Yozora「愛撫だとすればブロウジョブでしょ。俺がクリエイティブじゃないってことでもあるな……」
William「よ・ぞ・ら。スレた態度はやめるんだ。既に下世話な領域だぞ」
96 エッチの時、何を考えてる?
Yozora「ご奉仕」
William「もはや信じられない回答だな。じゃあセックス自体、やめたほうが互いのためか」
Yozora「……冗談だよ。ウィルに喜んでもらいたい、ウィルが大好きって伝えたいってことだけだよ。あんまり悪くとらないでほしい」
97 一晩に何回くらいやる?
William「ノーコメント。もう禁域だ」
Yozora「射精回数でも聞いてるの? うーん。ビジネスでもないんだし。互いに適量だと思うよ。翌日に響かないように気を付けるってだけ」
William「下卑た言葉を使うんじゃない。そういうドライさは魅力的じゃあない」
Yozora「でも俺、医者志望だし、これぐらいの質問でうろたえるわけには……」
William「私の側のプライバシーでもあるんだがな……」
98 エッチの時、服は自分で脱ぐ? 脱がせてもらう?
Yozora「ケースバイケース。雰囲気次第だと思う」
William「夜空。だから、答えるな」
99 貴方にとってエッチとは?
Yozora「性器を用いた運動の一形態。だからキスとハグはセックスには入りません。一人での行動も含みます」
William「突っ込みどころばかりだが、まあ夜空はそう思ってるんだな。普通に『愛情を伝え合うための恋人同士のボディランゲージ』とか言えないのか?」
Yozora「それだと投げキッスとかまでセックスの範疇だろ。性的な快感を追求するかとうかも人それぞれだ。あれ、でも……定義問題ではないか。あとウィルも結局のところフランクだね?」
William「ここだけはすり合わせておかないと二人の関係には害があるからな。『互いを性的に喜ばせ、己も満足を得るための儀式』。それでいいか?」
Yozora「了解。俺はそれで構わない」
100 相手に一言どうぞ
William「陳腐な告白をオリジナルに言いかえていくことを詩というのなら、私はお前との永遠がほしい」
Yozora「たとえ恋人同士でなくなっても、ウィルは俺の大事な人だよ。ずっと愛してる。いつだって信じて」
#ComingOutofMagicianYozora #[マリーベル×夜空]
キャラクタ把握のために答えたもの。
カップリングなりきり100の質問
http://bianca77.easter.ne.jp/「BIANCA」(「南斗あきら」様)
1 あなたの名前を教えてください
William「ウィリアム・エヴァ・マリーベル。福音たる婚姻のベルだ」
Yozora「祈月夜空です。六代前は皇帝です!」
William「家柄しかアピールポイントがないのか? さすがに呆れるぞ」
Yozora「良くないね。一般名詞なので個人名としては妙だけど、亡くなった母がつけてくださった名前です。だから愛着はあります」
William「『夜空』は、世界一美しい日本語だ。私はそう思ってる」
2 年齢は?
William「十九だ」
Yozora「二十歳です。ウィリアムとは一歳差だ」
William「年上だと感じることはあまりないが、その差が時にはもどかしいな」
Yozora「……俺、年上なのに頼ってばかりでごめん。もっとウィルの力になりたいよ」
William「夜空にすがるなんて私はイヤだがな」
3 性別は?
Yozora「男です」
William「私も男だ。そして男しか愛せない」
Yozora「ウィルは、恋愛するなら生殖につながらない方がいい? それとも俺との子供が欲しい?」
William「夜空。私は別に生殖うんぬんで同性を恋愛対象に選んでるわけではないぞ。単に女がダメなんだ。それで夜空はどうなんだ? 生殖につながらないから私と愛し合ってるのか?」
Yozora「俺は……いや、それは違うと思う。たとえ生殖に繋がってもウィルが好きだよ。ウィルに子供を産んであげたい。それに自分が女だとしてもやっぱりウィルが好きだよ」
William「そのIFは辛いな。私はお前という人間が好きなんだよ。子供の問題は……今は置いておこう」
4 貴方の性格は?
Yozora「優柔不断かもしれない。決めれば果敢だとは思う」
William「同感だ。峻烈・繊細、そして真面目で努力家。熱意や割り切りが誤った方向に向かわないよう、私が常に監督する」
Yozora「ウィルの性格は? 自己分析でどう?」
William「敬虔で堅物ではあるな。けれど、ジョークがまるで分からないわけじゃないぞ? はしゃぐのも好きだ。しかし、大学に入ってからは無邪気に馴れ合ったりはしなくなったかもな。それに、人には親切であろうとしてる。奉仕精神は大切だ」
Yozora「俺も見習うよ。ウィル。リラックスしたいときは言ってね」
5 相手の性格は?
Yozora「ウィルは気高くて賢い。考えも真摯で的確だし、信仰にかける想いも深い。慎重だけど、内には情熱を秘めてる」
William「ありがとう。そうだな、私も夜空が好きだ。矜持が高いし、それでいて偉ぶらない。がむしゃらなくらいに努力家だ。時に過っていることもあるが……だからこそ愛して正してやりたい」
6 二人の出会いはいつ?どこで?
Yozora「魔法大学入学以前に、懲罰房まで訪ねてきてくれたのが初めてだよ」
William「私はそれ以前に、夜空の実技入試を見ていた」
7 相手の第一印象は?
Yozora「カナリアみたいな金髪緑眼の男の子がやってきたと思ったよ」
William「私についての第一印象……それは、外見から受けるイメージに過ぎないぞ。言うならばお前にとっての福音。それだ」
Yozora「俺についてはどうだった?」
William「侮辱にも堂々と反論する、誇り高い男だと見込んだ。私が今までに親しんでいた人たちとは全く違った外見だった。美しいオリエンタル。そう思った」
8 相手のどんなところが好き?
Yozora「ウィルの美しい金髪、翠緑の瞳、端然としたたたずまい、敬虔な信仰心、面倒見がいいところ、悪を見逃さず正そうとする熱意、全てを愛してるよ」
William「……私は夜空の脆さと隣り合わせの危うい強さが愛しい。その黒髪も、時に冷たい瞳も。全部私のものだと言いたい」
9 相手のどんなところが嫌い?
William「女子と親しくするな」
Yozora「話しているだけでも気に食わないっていうのは間違ってるよ。寮の仕事や勉学のことで必要な会話だってある」
William「ソフィアやノエーミやチェンメイ相手にデレデレするんじゃない」
Yozora「そんなことしていないだろ!? そりゃあ可愛いとは思ってるけれど……」
William「軽薄だ! 否定するぞ。常々、ソフィアとは怪しいと思ってる」
10 貴方と相手の相性はいいと思う?
William「夜空、どう思う?」
Yozora「俺はウィルが大好きだよ。ウィルのパートナーとして相応しくありたい」
11 相手のことを何で呼んでる?
William「夜空。世界一美しい日本語だ」
Yozora「ウィリアム。ウィル。それかマリーベル」
12 相手に何て呼ばれたい?
Yozora「ずっと『夜空』って呼ばれていたい」
William「ラストネームでは呼ぶな。いつだってウィルと呼んでくれ」
13 相手を動物に例えたら何?
William「ハハハ。『犬』とか『レトリーバー』って言ったら怒る」
Yozora「いや、『カナリア』だったろ。もう『カナリア』でいいよ。俺の天使様」
William「夜空は『ウルフ』。『ホワイトウルフ』だ」
Yozora「俺たちはデミヒューマン。動物の遺伝子を追加して改造された戦闘用生命体の末裔だからね。俺は狼族、ウィルは犬族」
14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
Yozora「俺からはウィルに綺麗な時計をプレゼントしたいなぁ~♡♡ ハンカチもペンもアクセサリーも♡♡」
Yozora「美味しいシチューを作ってあげるのもいいなぁ~~♡♡(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
Yozora「故郷の花やススキをブーケにするのもいいし美しい和紙を贈ってもいいかもなぁ~♡♡♡」
William「私からはだな、見栄えのよいスーツかな?」
Yozora「持ってないから嬉しいな♡♡ ウィル大好きだよ♡♡♡」
15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
Yozora「俺、ウィルからのお手紙が欲しいな♡」
William「ハハハ……主題は『愛』だ。渾身の作品にしてやる!」
16 相手に対して不満はある?それはどんなこと?
William「気が多いところ」
Yozora「うん。ごめん。ロンシャンでボスに受けた御恩は特別なんだ」
17 貴方の癖って何?
Yozora「首をかしげて斜に構えること」
William「溜息をつくこと。幸せが逃げてしまうな……」
18 相手の癖って何?
William「口をとがらせるのはみっともないぞ」
Yozora「わかった、直すよ。恥ずかしいなあ~。ウィルが腕組みしてるのは……そうみっともなくないね」
19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
Yozora「ウィル、皆の前でイチャイチャしたりキスしたりは控えてほしいんだけど」
William「どうしてだ? お前にはいつだって私のステディとして相応しくしていてもらいたい」
Yozora「俺にも心の準備ってものがあるんだよ。ウィルだって、スイッチ入ってるときとそうでない時があるだろ?」
20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
William「夜空。どうして、公然の関係にするのを嫌がるんだ? 闇属性塔の皆には私たちの仲はとうに周知だと思うんだが」
Yozora「TPOに応じたふるまいが必要ってことだ! ウィルが好きだけれど……どこでも発情するわけにはいかないだろ」
William「公衆の面前で不快にさせるような行為はしてない。そいつが同性愛嫌いなだけだ」
21 二人はどこまでの関係?
William「不躾だろう。あまり詮索しないでくれ」
Yozora「寮では淫らな行為は禁止だよ」
22 二人の初デートはどこ?
William「アルカディア魔法大学の建つ島、アルカディア島の海岸だ」
Yozora「佐野教授もご一緒だったと思うけどそれでもあれってデートだったの? 俺はラヴァーズ・ポンドだと思ってた……」
William「そ、そうか。私にとって夜空といる時はいつだってデートの心持ちだったと思うが……」
Yozora「そーいうとこだよ。そーいう所」
23 その時の二人の雰囲気は?
William「パラダイスロスト。二人きりの神秘で濃密な世界だ……!」
Yozora「大事な話し合いだった」
24 その時どこまで進んだ?
William「触れあって抱き合った。そしてむさぼるような恋人のキス。もう友人には戻れない」
25 よく行くデートスポットは?
Yozora「ウィルとロンシャンのデートスポットに行きたい。硝子の天蓋に砂漠の雪が降るんだ。俺の故郷の空も見せてあげるからね」
William「質問の意図から外れてるぞ。よく行くのは前述のラヴァーズ・ポンドだな。先客も多いから開拓したいところだ」
26 相手の誕生日。どう演出する?
Yozora「花でいっぱいに寮の部屋を飾るよ。そしてウィルのためだけに『風の歌』を弾く。生まれてきてくれてありがとう」
William「特別な日はとびきりのワインで祝福されたい。私からは……ああ、婚礼の秘儀をしよう。死がふたりを分かつまで。エンゲージリングもあればなおいい」
27 告白はどちらから?
William「私からだ。夜空の事を一生愛すると誓った」
Yozora「そして俺はそれを裏切れない……」
William「そう、契約だ」
28 相手のことを、どれくらい好き?
William「すまない。誰よりも愛してる」
Yozora「愛の総量を誰かと比較するのは間違ってる。そう思うけど、俺もウィルを愛するよ。この夜空まで星の光が届くぐらいの時間をかけて」
29 では、愛してる?
William「愛してる」
Yozora「何度言っても言い足りない」
30 言われると弱い相手の一言は?
William「やっぱり『愛してる』だ。でも言い訳にするのは卑怯だ」
Yozora「俺だって同じだよ。ウィルが大好きでいつだって泣きそうになる」
31 相手に浮気の疑惑が! どうする?
William(深いため息)
Yozora「……ウィルはもう俺が好きじゃないから、おとなしくするよ……」
William「浮気の疑惑なんて私はいつも感じてる。全力で引き戻す」
Yozora「ボスのことを言ってるのか!? 俺はボスに抱いてもらったことなんかないよ。ウィルだけだよ……」
William「日記の確認までするからな、私は」
32 浮気を許せる?
William「許せるわけがないだろう」
Yozora「俺は許せる。でも二人のカタチは前後できっと違ってしまうね」
33 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
Yozora「何か危険な事態が生じたんだ。すぐに探しに行く!」
William「私ならもう少し待つがな。行き違いは困る」
34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
William「その黒髪と、愛らしいがミステリアスな瞳だ」
Yozora「俺もウィルの緑の瞳が好きだ」
35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
William「見下すような冷たい視線」
Yozora「頬杖をついて考え込んでいる時」
36 二人でいてドキっとするのはどんな時?
Yozora「恋人モードに切り替わる時かな。声が甘くなる……」
William「和服に着替えている時」
37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
Yozora「いや、ウソは苦手だよ。秘匿情報とか、禁域とか、聞かれては困ることを追求しないでほしい」
William「私は、都合の悪いことは隠し通せる」
38 何をしている時が一番幸せ?
Yozora「友遠方より来るあり。また楽しからずや。誰かと挨拶を交わすときだ。それが誰かなんて関係ない」
William「静謐な祈りの後に、傍らに恋人がいた時だ」
39 ケンカをしたことがある?
Yozora「あるよ。俺がウィルを裏切ってた……街娼の過去を隠していたんだ」
William「そうだ。貰ったポートレートがまさか客引きのための素描だったなんてな。お前を糾弾したこともある。死を以て教えたんだ。お前に自らの過ちを。人殺しだけは間違ってる。どこまで驕れば気が済むんだ?」
40 どんなケンカをするの?
William「口を聞かない、といきたいところだが、それでは何も解決しない」
41 どうやって仲直りするの?
William「一晩中かけてでも話し合う。説得する。分かり合いたいからだ」
Yozora「謝罪するよ。キスもハグも我慢する」
42 生まれ変わっても恋人になりたい?
Yozora「生まれ変わってまでウィルを拘束したくない」
William「来世に出会って他人同士だったら、私は苦しいだろうな」
43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
Yozora「俺の間違いを諭してくれるとき……」
William「素直に笑ってくれたとき」
44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
Yozora「長い間、会いに来てくれないとき」
William「フフフ……私にも都合はあるからな。今はルームメイトだから寂しくさせることは少ないだろう」
Yozora「クライスト教の話をみんなで楽しそうにしているとき」
William「信仰は私にとって生きる意味そのものだ。夜空が改宗してくれれば楽なんだが」
Yozora「でも俺はね、不満なわけじゃないよ。ウィルの愛を失うのが怖いだけだ。ワガママなだけだ」
45 貴方の愛の表現方法はどんなの?
Yozora「ウィルの体調や心を気遣ってあげる」
William「そうか。私は夜空の名を呼ぶことだ」
46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
William「すまない、先がいい。お前の死を受け止めきれる気がしない」
Yozora「俺、ウィルを看取りたいよ。それまでのすべてに報いたい」
47 二人の間に隠し事はある?
William「まあ? ロンシャンで一体誰がお前を犯したのかだとか? ロンシャンでお前に魔方陣を『埋め込んだ』やつが誰かとか? ボスっていったい誰なんだとか?」
Yozora「どれも秘匿情報だよ。あと俺はウィル以外に犯されてなんかいない!」
48 貴方のコンプレックスは何?
Yozora「武芸が達者でないことと、まだまだ無教養なこと」
William「私は……まあ、ゲイであること。あとは夜空よりも背が低くて線が細いからな……」
Yozora「ウィルはカワイイんだからそのままでいいよ。男しか愛せないなら俺が相手する」
49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
William「公認だ」
Yozora「今はみんなが認めてくれているけど、陰口を叩く人もいる。いつまでも大っぴらでいられるとは思わないな」
William「やけに悲観的だが、どうなっても私はお前を手放さないぞ」
50 二人の愛は永遠だと思う?
Yozora「永遠にするんだよ」
William「同感だ。その誓いを忘れるな」
続きは31 エロ方面の質問多し。
キャラクタ把握のために答えたもの。
カップリングなりきり100の質問
http://bianca77.easter.ne.jp/「BIANCA」(「南斗あきら」様)
1 あなたの名前を教えてください
William「ウィリアム・エヴァ・マリーベル。福音たる婚姻のベルだ」
Yozora「祈月夜空です。六代前は皇帝です!」
William「家柄しかアピールポイントがないのか? さすがに呆れるぞ」
Yozora「良くないね。一般名詞なので個人名としては妙だけど、亡くなった母がつけてくださった名前です。だから愛着はあります」
William「『夜空』は、世界一美しい日本語だ。私はそう思ってる」
2 年齢は?
William「十九だ」
Yozora「二十歳です。ウィリアムとは一歳差だ」
William「年上だと感じることはあまりないが、その差が時にはもどかしいな」
Yozora「……俺、年上なのに頼ってばかりでごめん。もっとウィルの力になりたいよ」
William「夜空にすがるなんて私はイヤだがな」
3 性別は?
Yozora「男です」
William「私も男だ。そして男しか愛せない」
Yozora「ウィルは、恋愛するなら生殖につながらない方がいい? それとも俺との子供が欲しい?」
William「夜空。私は別に生殖うんぬんで同性を恋愛対象に選んでるわけではないぞ。単に女がダメなんだ。それで夜空はどうなんだ? 生殖につながらないから私と愛し合ってるのか?」
Yozora「俺は……いや、それは違うと思う。たとえ生殖に繋がってもウィルが好きだよ。ウィルに子供を産んであげたい。それに自分が女だとしてもやっぱりウィルが好きだよ」
William「そのIFは辛いな。私はお前という人間が好きなんだよ。子供の問題は……今は置いておこう」
4 貴方の性格は?
Yozora「優柔不断かもしれない。決めれば果敢だとは思う」
William「同感だ。峻烈・繊細、そして真面目で努力家。熱意や割り切りが誤った方向に向かわないよう、私が常に監督する」
Yozora「ウィルの性格は? 自己分析でどう?」
William「敬虔で堅物ではあるな。けれど、ジョークがまるで分からないわけじゃないぞ? はしゃぐのも好きだ。しかし、大学に入ってからは無邪気に馴れ合ったりはしなくなったかもな。それに、人には親切であろうとしてる。奉仕精神は大切だ」
Yozora「俺も見習うよ。ウィル。リラックスしたいときは言ってね」
5 相手の性格は?
Yozora「ウィルは気高くて賢い。考えも真摯で的確だし、信仰にかける想いも深い。慎重だけど、内には情熱を秘めてる」
William「ありがとう。そうだな、私も夜空が好きだ。矜持が高いし、それでいて偉ぶらない。がむしゃらなくらいに努力家だ。時に過っていることもあるが……だからこそ愛して正してやりたい」
6 二人の出会いはいつ?どこで?
Yozora「魔法大学入学以前に、懲罰房まで訪ねてきてくれたのが初めてだよ」
William「私はそれ以前に、夜空の実技入試を見ていた」
7 相手の第一印象は?
Yozora「カナリアみたいな金髪緑眼の男の子がやってきたと思ったよ」
William「私についての第一印象……それは、外見から受けるイメージに過ぎないぞ。言うならばお前にとっての福音。それだ」
Yozora「俺についてはどうだった?」
William「侮辱にも堂々と反論する、誇り高い男だと見込んだ。私が今までに親しんでいた人たちとは全く違った外見だった。美しいオリエンタル。そう思った」
8 相手のどんなところが好き?
Yozora「ウィルの美しい金髪、翠緑の瞳、端然としたたたずまい、敬虔な信仰心、面倒見がいいところ、悪を見逃さず正そうとする熱意、全てを愛してるよ」
William「……私は夜空の脆さと隣り合わせの危うい強さが愛しい。その黒髪も、時に冷たい瞳も。全部私のものだと言いたい」
9 相手のどんなところが嫌い?
William「女子と親しくするな」
Yozora「話しているだけでも気に食わないっていうのは間違ってるよ。寮の仕事や勉学のことで必要な会話だってある」
William「ソフィアやノエーミやチェンメイ相手にデレデレするんじゃない」
Yozora「そんなことしていないだろ!? そりゃあ可愛いとは思ってるけれど……」
William「軽薄だ! 否定するぞ。常々、ソフィアとは怪しいと思ってる」
10 貴方と相手の相性はいいと思う?
William「夜空、どう思う?」
Yozora「俺はウィルが大好きだよ。ウィルのパートナーとして相応しくありたい」
11 相手のことを何で呼んでる?
William「夜空。世界一美しい日本語だ」
Yozora「ウィリアム。ウィル。それかマリーベル」
12 相手に何て呼ばれたい?
Yozora「ずっと『夜空』って呼ばれていたい」
William「ラストネームでは呼ぶな。いつだってウィルと呼んでくれ」
13 相手を動物に例えたら何?
William「ハハハ。『犬』とか『レトリーバー』って言ったら怒る」
Yozora「いや、『カナリア』だったろ。もう『カナリア』でいいよ。俺の天使様」
William「夜空は『ウルフ』。『ホワイトウルフ』だ」
Yozora「俺たちはデミヒューマン。動物の遺伝子を追加して改造された戦闘用生命体の末裔だからね。俺は狼族、ウィルは犬族」
14 相手にプレゼントをあげるとしたら何をあげる?
Yozora「俺からはウィルに綺麗な時計をプレゼントしたいなぁ~♡♡ ハンカチもペンもアクセサリーも♡♡」
Yozora「美味しいシチューを作ってあげるのもいいなぁ~~♡♡(⋈◍>◡<◍)。✧♡」
Yozora「故郷の花やススキをブーケにするのもいいし美しい和紙を贈ってもいいかもなぁ~♡♡♡」
William「私からはだな、見栄えのよいスーツかな?」
Yozora「持ってないから嬉しいな♡♡ ウィル大好きだよ♡♡♡」
15 プレゼントをもらうとしたら何がほしい?
Yozora「俺、ウィルからのお手紙が欲しいな♡」
William「ハハハ……主題は『愛』だ。渾身の作品にしてやる!」
16 相手に対して不満はある?それはどんなこと?
William「気が多いところ」
Yozora「うん。ごめん。ロンシャンでボスに受けた御恩は特別なんだ」
17 貴方の癖って何?
Yozora「首をかしげて斜に構えること」
William「溜息をつくこと。幸せが逃げてしまうな……」
18 相手の癖って何?
William「口をとがらせるのはみっともないぞ」
Yozora「わかった、直すよ。恥ずかしいなあ~。ウィルが腕組みしてるのは……そうみっともなくないね」
19 相手のすること(癖など)でされて嫌なことは?
Yozora「ウィル、皆の前でイチャイチャしたりキスしたりは控えてほしいんだけど」
William「どうしてだ? お前にはいつだって私のステディとして相応しくしていてもらいたい」
Yozora「俺にも心の準備ってものがあるんだよ。ウィルだって、スイッチ入ってるときとそうでない時があるだろ?」
20 貴方のすること(癖など)で相手が怒ることは何?
William「夜空。どうして、公然の関係にするのを嫌がるんだ? 闇属性塔の皆には私たちの仲はとうに周知だと思うんだが」
Yozora「TPOに応じたふるまいが必要ってことだ! ウィルが好きだけれど……どこでも発情するわけにはいかないだろ」
William「公衆の面前で不快にさせるような行為はしてない。そいつが同性愛嫌いなだけだ」
21 二人はどこまでの関係?
William「不躾だろう。あまり詮索しないでくれ」
Yozora「寮では淫らな行為は禁止だよ」
22 二人の初デートはどこ?
William「アルカディア魔法大学の建つ島、アルカディア島の海岸だ」
Yozora「佐野教授もご一緒だったと思うけどそれでもあれってデートだったの? 俺はラヴァーズ・ポンドだと思ってた……」
William「そ、そうか。私にとって夜空といる時はいつだってデートの心持ちだったと思うが……」
Yozora「そーいうとこだよ。そーいう所」
23 その時の二人の雰囲気は?
William「パラダイスロスト。二人きりの神秘で濃密な世界だ……!」
Yozora「大事な話し合いだった」
24 その時どこまで進んだ?
William「触れあって抱き合った。そしてむさぼるような恋人のキス。もう友人には戻れない」
25 よく行くデートスポットは?
Yozora「ウィルとロンシャンのデートスポットに行きたい。硝子の天蓋に砂漠の雪が降るんだ。俺の故郷の空も見せてあげるからね」
William「質問の意図から外れてるぞ。よく行くのは前述のラヴァーズ・ポンドだな。先客も多いから開拓したいところだ」
26 相手の誕生日。どう演出する?
Yozora「花でいっぱいに寮の部屋を飾るよ。そしてウィルのためだけに『風の歌』を弾く。生まれてきてくれてありがとう」
William「特別な日はとびきりのワインで祝福されたい。私からは……ああ、婚礼の秘儀をしよう。死がふたりを分かつまで。エンゲージリングもあればなおいい」
27 告白はどちらから?
William「私からだ。夜空の事を一生愛すると誓った」
Yozora「そして俺はそれを裏切れない……」
William「そう、契約だ」
28 相手のことを、どれくらい好き?
William「すまない。誰よりも愛してる」
Yozora「愛の総量を誰かと比較するのは間違ってる。そう思うけど、俺もウィルを愛するよ。この夜空まで星の光が届くぐらいの時間をかけて」
29 では、愛してる?
William「愛してる」
Yozora「何度言っても言い足りない」
30 言われると弱い相手の一言は?
William「やっぱり『愛してる』だ。でも言い訳にするのは卑怯だ」
Yozora「俺だって同じだよ。ウィルが大好きでいつだって泣きそうになる」
31 相手に浮気の疑惑が! どうする?
William(深いため息)
Yozora「……ウィルはもう俺が好きじゃないから、おとなしくするよ……」
William「浮気の疑惑なんて私はいつも感じてる。全力で引き戻す」
Yozora「ボスのことを言ってるのか!? 俺はボスに抱いてもらったことなんかないよ。ウィルだけだよ……」
William「日記の確認までするからな、私は」
32 浮気を許せる?
William「許せるわけがないだろう」
Yozora「俺は許せる。でも二人のカタチは前後できっと違ってしまうね」
33 相手がデートに1時間遅れた! どうする?
Yozora「何か危険な事態が生じたんだ。すぐに探しに行く!」
William「私ならもう少し待つがな。行き違いは困る」
34 相手の身体の一部で一番好きなのはどこ?
William「その黒髪と、愛らしいがミステリアスな瞳だ」
Yozora「俺もウィルの緑の瞳が好きだ」
35 相手の色っぽい仕種ってどんなの?
William「見下すような冷たい視線」
Yozora「頬杖をついて考え込んでいる時」
36 二人でいてドキっとするのはどんな時?
Yozora「恋人モードに切り替わる時かな。声が甘くなる……」
William「和服に着替えている時」
37 相手に嘘をつける? 嘘はうまい?
Yozora「いや、ウソは苦手だよ。秘匿情報とか、禁域とか、聞かれては困ることを追求しないでほしい」
William「私は、都合の悪いことは隠し通せる」
38 何をしている時が一番幸せ?
Yozora「友遠方より来るあり。また楽しからずや。誰かと挨拶を交わすときだ。それが誰かなんて関係ない」
William「静謐な祈りの後に、傍らに恋人がいた時だ」
39 ケンカをしたことがある?
Yozora「あるよ。俺がウィルを裏切ってた……街娼の過去を隠していたんだ」
William「そうだ。貰ったポートレートがまさか客引きのための素描だったなんてな。お前を糾弾したこともある。死を以て教えたんだ。お前に自らの過ちを。人殺しだけは間違ってる。どこまで驕れば気が済むんだ?」
40 どんなケンカをするの?
William「口を聞かない、といきたいところだが、それでは何も解決しない」
41 どうやって仲直りするの?
William「一晩中かけてでも話し合う。説得する。分かり合いたいからだ」
Yozora「謝罪するよ。キスもハグも我慢する」
42 生まれ変わっても恋人になりたい?
Yozora「生まれ変わってまでウィルを拘束したくない」
William「来世に出会って他人同士だったら、私は苦しいだろうな」
43 「愛されているなぁ」と感じるのはどんな時?
Yozora「俺の間違いを諭してくれるとき……」
William「素直に笑ってくれたとき」
44 「もしかして愛されていないんじゃ・・・」と感じるのはどんな時?
Yozora「長い間、会いに来てくれないとき」
William「フフフ……私にも都合はあるからな。今はルームメイトだから寂しくさせることは少ないだろう」
Yozora「クライスト教の話をみんなで楽しそうにしているとき」
William「信仰は私にとって生きる意味そのものだ。夜空が改宗してくれれば楽なんだが」
Yozora「でも俺はね、不満なわけじゃないよ。ウィルの愛を失うのが怖いだけだ。ワガママなだけだ」
45 貴方の愛の表現方法はどんなの?
Yozora「ウィルの体調や心を気遣ってあげる」
William「そうか。私は夜空の名を呼ぶことだ」
46 もし死ぬなら相手より先がいい? 後がいい?
William「すまない、先がいい。お前の死を受け止めきれる気がしない」
Yozora「俺、ウィルを看取りたいよ。それまでのすべてに報いたい」
47 二人の間に隠し事はある?
William「まあ? ロンシャンで一体誰がお前を犯したのかだとか? ロンシャンでお前に魔方陣を『埋め込んだ』やつが誰かとか? ボスっていったい誰なんだとか?」
Yozora「どれも秘匿情報だよ。あと俺はウィル以外に犯されてなんかいない!」
48 貴方のコンプレックスは何?
Yozora「武芸が達者でないことと、まだまだ無教養なこと」
William「私は……まあ、ゲイであること。あとは夜空よりも背が低くて線が細いからな……」
Yozora「ウィルはカワイイんだからそのままでいいよ。男しか愛せないなら俺が相手する」
49 二人の仲は周りの人に公認? 極秘?
William「公認だ」
Yozora「今はみんなが認めてくれているけど、陰口を叩く人もいる。いつまでも大っぴらでいられるとは思わないな」
William「やけに悲観的だが、どうなっても私はお前を手放さないぞ」
50 二人の愛は永遠だと思う?
Yozora「永遠にするんだよ」
William「同感だ。その誓いを忘れるな」
続きは31 エロ方面の質問多し。
#ComingOutofMagicianYozora
相方兼恋人の設定。画像は同じく「きゅんショタメーカー」さんで作っています。
ウィリアム・エヴァ・マリーベル(William - eva - Marrybell) 犬族 夜空の相方(攻)
(魔法学〔聖〕〔治癒〕、キリスト教神学、魔法医学[MagicalMedic]、SacridWizard)
※天秤宮 10月17日 ※神嘗祭の日
犬族(ラブラドル)。英国教会で婚姻の秘蹟を行う家柄であるマリーベル家の嫡男。神学校卒業組。金髪に緑の瞳をしたカナリアのような美形の少年。敬虔・親切・聡明。冷静で冗談が嫌いな堅物。貴族意識も強い。国教会の都合で動かされる魔術師になるのが嫌で、カソリックに改宗したのちのバチカン勤務を希望している。親戚にカース因子とメロディ因子が濃いユーフォリア(兎族)がいる。
アルカディア魔法大学魔力選抜三位通過。神学校での過去の体験により犯される側になることを忌避する。ささいな失態を鞭で厳しくしつけられた彼は、ゲイで恋愛対象としては男にしか興味をもてない。そしてその性を深く悩み隠している。夜空を監視し、愛し、守り守られる役割。夜空と恋人としての関係を重ねるうちに自分は聖邪を併せ持つ存在、すなわち皆と同じく罪深き人間であるとの認識に至り、真の友愛の意味を知る。夜空に対する独占欲は強く女性にもやや厳しめ。
魔術師としてのアイデンティティである聖属性での邪悪な呪いなどを一年時には全て隠していた。また、メロディ因子はないためにマリーベル家に伝わるハンドベルでの魔術はできない。そんなハンディの中、嫡男として認められるために努力を重ねてきたが、けっしてひけらかさない。イイ子ちゃんだが裏もある。将来は希望通りバチカン異端審問軍にはじめ医官として勤め、のち闇属性隊術師を経て術師長に至る。
「死との婚姻」で累計歩数ダメージ、「ヒール(過回復)」による強烈な単体スリップダメージ(※対象は「ヒール」系列回復魔法無効)、「気まぐれな天使」による全体複数バステ、「ホーリー・ホーリー・ホーリー」による全体聖属性魔法など攻撃面も強烈。
「祝福のベルよ鳴り響け! Violated!」「祝福のベルよ鳴り響け! Overfrowing!」
「恋だって……? Dirty!」(む、これが、Japonism?)「お前が男娼だったなんて、信じない!」「誘惑するな! エデンの蛇め」
「夜空を愛する。条件付きでなく、永遠に」「な? 私がいないとダメだろう」
「何にもない! 何もありません。ふっ」「私のことを『カナリアのような少年』と言うが、お前はカナリアにどのようなイメージを持っているんだ?」「私と一緒に来てくれ。夜空。愛してる」「夜空をずっと愛の旗でくるんでやるから……!」
相方兼恋人の設定。画像は同じく「きゅんショタメーカー」さんで作っています。
ウィリアム・エヴァ・マリーベル(William - eva - Marrybell) 犬族 夜空の相方(攻)
(魔法学〔聖〕〔治癒〕、キリスト教神学、魔法医学[MagicalMedic]、SacridWizard)
※天秤宮 10月17日 ※神嘗祭の日
犬族(ラブラドル)。英国教会で婚姻の秘蹟を行う家柄であるマリーベル家の嫡男。神学校卒業組。金髪に緑の瞳をしたカナリアのような美形の少年。敬虔・親切・聡明。冷静で冗談が嫌いな堅物。貴族意識も強い。国教会の都合で動かされる魔術師になるのが嫌で、カソリックに改宗したのちのバチカン勤務を希望している。親戚にカース因子とメロディ因子が濃いユーフォリア(兎族)がいる。
アルカディア魔法大学魔力選抜三位通過。神学校での過去の体験により犯される側になることを忌避する。ささいな失態を鞭で厳しくしつけられた彼は、ゲイで恋愛対象としては男にしか興味をもてない。そしてその性を深く悩み隠している。夜空を監視し、愛し、守り守られる役割。夜空と恋人としての関係を重ねるうちに自分は聖邪を併せ持つ存在、すなわち皆と同じく罪深き人間であるとの認識に至り、真の友愛の意味を知る。夜空に対する独占欲は強く女性にもやや厳しめ。
魔術師としてのアイデンティティである聖属性での邪悪な呪いなどを一年時には全て隠していた。また、メロディ因子はないためにマリーベル家に伝わるハンドベルでの魔術はできない。そんなハンディの中、嫡男として認められるために努力を重ねてきたが、けっしてひけらかさない。イイ子ちゃんだが裏もある。将来は希望通りバチカン異端審問軍にはじめ医官として勤め、のち闇属性隊術師を経て術師長に至る。
「死との婚姻」で累計歩数ダメージ、「ヒール(過回復)」による強烈な単体スリップダメージ(※対象は「ヒール」系列回復魔法無効)、「気まぐれな天使」による全体複数バステ、「ホーリー・ホーリー・ホーリー」による全体聖属性魔法など攻撃面も強烈。
「祝福のベルよ鳴り響け! Violated!」「祝福のベルよ鳴り響け! Overfrowing!」
「恋だって……? Dirty!」(む、これが、Japonism?)「お前が男娼だったなんて、信じない!」「誘惑するな! エデンの蛇め」
「夜空を愛する。条件付きでなく、永遠に」「な? 私がいないとダメだろう」
「何にもない! 何もありません。ふっ」「私のことを『カナリアのような少年』と言うが、お前はカナリアにどのようなイメージを持っているんだ?」「私と一緒に来てくれ。夜空。愛してる」「夜空をずっと愛の旗でくるんでやるから……!」
#ComingOutofMagicianYozora
オリジナルなファンタジーBL小説の設定を考える最近なので、ツイッターで投稿したぶんを簡易にココでまとめておきます。画像は「きゅんショタメーカー」様で作りました。
主人公:祈月夜空(きげつ・よぞら)
本作主人公の白狼族の男。白明宮(春宮)地方の領主で、日嗣の御子(東宮、春の宮)であった嘉徳親王の直系たる白燈江宮家の嫡流。満11歳で医者になるためロンシャン亡命、異邦人塔(マフィア塔)で三か月10、一か月5で過ごし犯罪歴はクリーン。エレメンタルよりジェネラル入学を認められ、英才教育開始。ピアノは12歳時点でバッハの平均律を練習。15歳時点での成績は音楽(ハープ)が17番中5番、音楽(ピアノ)が147番、18歳より汎技術アカデミーにて医学、音楽の高等教育と軍の魔法使いによる訓練を一年間トレーニング。
その甲斐あってアルカディア魔法大学(闇属性塔)に魔力選抜二位通過。学力考査も二位、総合一位通過。とくに魔術式、世界の歴史、自然および物理科学分野は首席。総合卒業成績も同じく二位。故郷の「天山」国陶春地方で自身を排斥した神殿「常春殿」とその中に巣食う女の姿を借りて100年を生きる魔物・「日の輝巫女」を深く憎んでいる。一方、ロンシャン亡命を受け入れてくれたボスことヨハネス・ゴールドベルク氏の父性に惹かれており、彼の黒い噂や非人道的な性格に関しては否定する。
峻烈、繊細、実直なフェミニスト。少年っぽさもなかなか消えない。
二重幅の広い杏眼。(見下ろすと町田ひらくの美少女のような冷たい目、安達由美モデル)美少年だが、とぼけた表情などでそう見えないこともしばしば。髪はつややかで細く多い漆黒で、耳にかからないくらいの素朴な短髪が基本だったがはったりのために伸ばす。素肌はいかにも貧血気味な白。特技はピアノ(「高雅なワルツ集」と「楽興の時」。のち「さすらい人ファンタジア」「神秘的なバリケード」)と竪琴。
「六代前は、皇帝です!」「祈月を代表し、祖父・耀の所業を詫びます」「プリンスから連なる直線を僕に下さい」
「魔物の人権など認められない! ここだけは、私は強固な線を引く!」
オリジナルなファンタジーBL小説の設定を考える最近なので、ツイッターで投稿したぶんを簡易にココでまとめておきます。画像は「きゅんショタメーカー」様で作りました。
主人公:祈月夜空(きげつ・よぞら)
本作主人公の白狼族の男。白明宮(春宮)地方の領主で、日嗣の御子(東宮、春の宮)であった嘉徳親王の直系たる白燈江宮家の嫡流。満11歳で医者になるためロンシャン亡命、異邦人塔(マフィア塔)で三か月10、一か月5で過ごし犯罪歴はクリーン。エレメンタルよりジェネラル入学を認められ、英才教育開始。ピアノは12歳時点でバッハの平均律を練習。15歳時点での成績は音楽(ハープ)が17番中5番、音楽(ピアノ)が147番、18歳より汎技術アカデミーにて医学、音楽の高等教育と軍の魔法使いによる訓練を一年間トレーニング。
その甲斐あってアルカディア魔法大学(闇属性塔)に魔力選抜二位通過。学力考査も二位、総合一位通過。とくに魔術式、世界の歴史、自然および物理科学分野は首席。総合卒業成績も同じく二位。故郷の「天山」国陶春地方で自身を排斥した神殿「常春殿」とその中に巣食う女の姿を借りて100年を生きる魔物・「日の輝巫女」を深く憎んでいる。一方、ロンシャン亡命を受け入れてくれたボスことヨハネス・ゴールドベルク氏の父性に惹かれており、彼の黒い噂や非人道的な性格に関しては否定する。
峻烈、繊細、実直なフェミニスト。少年っぽさもなかなか消えない。
二重幅の広い杏眼。(見下ろすと町田ひらくの美少女のような冷たい目、安達由美モデル)美少年だが、とぼけた表情などでそう見えないこともしばしば。髪はつややかで細く多い漆黒で、耳にかからないくらいの素朴な短髪が基本だったがはったりのために伸ばす。素肌はいかにも貧血気味な白。特技はピアノ(「高雅なワルツ集」と「楽興の時」。のち「さすらい人ファンタジア」「神秘的なバリケード」)と竪琴。
「六代前は、皇帝です!」「祈月を代表し、祖父・耀の所業を詫びます」「プリンスから連なる直線を僕に下さい」
「魔物の人権など認められない! ここだけは、私は強固な線を引く!」
小説は全然難航しています!
主人公は夜空で、視点も夜空。三人称で書いてるけどけっこう行き詰ってるので、マリーベルちゃん(攻め)一人称で書いてみて本編の描写に生かそう、という狂った作業をはじめました
でもなんか、事前に読んだものが影響してるのかそれなりな感じなので公開してみる。
こんな私はムーンライトノベルズに投稿しても生きていけるのだろうか。
大通りこえええええー--------------
花の名前
その昼下がり、異郷の浜辺で、私は一人の若き英雄を見た。今、彼を見る人は、有能な官吏とすら思えど、英雄などと形容はしないだろう。現在の彼は変らぬ黒髪と、遍歴のはてに偏光体のような輝きを得た、一種他人行儀なその瞳で周囲をくまなく掃き、襟元には黒いタイを飾りつけ、自らが従順たる使役犬だと、風貌からして宣言している。しかしその瞳の奇妙な美しさは、私をなお今も惹きつけてやまない。二人きりで過ごす休暇には、疾風怒濤の時代の生なましい少年の輝きが、ふと生気をもって硝子体に戻ることもあるのだ。私はいつも、初見のあの日を思い出し、遥かな歴史を感傷する。夜空という名前のその美しいアジアンを私は発見し、類まれなく愛した。
その日、海風吹きすさぶ浜辺には黒山の人だかりがあった。アルカディア魔法大学の実技入試試験。賄賂を贈った父親からの情報で、内実はほとんど魔力審査と属性反応系の確認だけだという話を知っていた私は、家が伝える呪術の真実などおくびにも出さず、汎用的なヒールと退魔の根本、神罰の代行たるホーリーライトのみで合格をもぎとっていた。 居並ぶ監視官は恐ろしくもなんともなかった。豪奢なマントも年を重ねての威風も、教会社会でのそれより軽薄に見え、中でももっとも厭らしいと思ったのはワンドにもたれるようにして姿を現した、骨とう品に近い学長の姿だった。グランドマスターの老体は私の過回復のヒールには耐えられぬだろう。それは祖父ですらそうだったし、彼らに劣らぬほど聡明だった祖父は己の引き際を常にわかっていた。彼らは私が今まで使ってきた術をしかめつらしく品評し、中には絶賛した者もいた。彼女がその後私を家名でもてあそぶことになろうとは、その時は思ってもみなかったが。シスター・グラジオラスには四角ばった顔に女性らしき名残りの柔和な笑みを浮かべ、私の魔力量は低く見積もっても三番位であると抜け目のない視線で太鼓判を押した。
自らの番手が終わっても、我らマリーベル家は解散しなかった。妹のユーフォリアはボンネットに手首まで覆う長袖で日差しから肌を守った。炎を吐いてみせたり、フクロウを呼び寄せたり、タロット占いにもさして興味が引かれないようだったが、彼に関しては嘲りまじりで注目した。
「ねえお兄ちゃん。みんなこの試験を見世物小屋とでも勘違いしてるんじゃないかしら? あの人を見て。ハープなんて抱えてるわ」
「ふん。異国人か。芸でも見せればお情けで合格が貰えるとでも思っているのかね……」
父も妹の嘲りに同調した。私は一目見て、こんな美しい芸人だったら抱えたいのも仕方ない、と思った。彼はユーロプでは珍しい、豊かで繊細な黒髪を長く背に流していた。服装こそ鼠色のワーキングシャツと、そろいのズボンで質素だったが、静脈が透けたような青白い細面で、眉は優美に整えられ、二重幅の大きい黒い瞳は、伏せられるとぞっとするほど冷たくまたたいたのだ。年齢は私と同じくらいだろう、受験生の中にはまだたどたどしい子供じみた男や巡礼者かと見まごうような壮年までいたが、彼もまたボリュームゾーンの一員だった。靴だけは黒光りする編み上げのブーツで、しかし底はかなりすり減っている。そんな恰好でも、細身の体格は鋭くまっすぐで、神経質そうなかんばせには陰なる美がある。――自白する! 私は彼を値踏みしたのだ。ジャケットやタイで堅実に飾りたてられていたら、むしろそんな行為はしなかったろう。たおやかで艶めかしいオリエンタルの美が、実務的な軍作業服なんぞに押し込められてしまっていたからこそ、私はひどい渇望に駆られたのだ。欲望の目で見つめてしまったのだ。自分にも『買える』品だと軽んじたのだ。その男は少し緊張の面持ちで、木でできた丸っこい竪琴を抱えていた。ウィザードたちは威光をひけらかした態度で、次々と素性を問いただした。
「祈月夜空です。年齢は満十七歳、国籍は、ロンシャン」
声は物憂げだが芯があるテノールだ。耳に快かった。同じくアジアンとおぼしきウィザードが母について尋ね(今でもその質問は面接の場ではぶしつけではないかと思うが)、のちに師と仰ぐ女からは侮辱までが浴びせかけられ、私は眉をひそめた。父は知らないが、妹も多少は人の心があるのか、落ち着かずに髪をいじりはじめたくらいだ。私は妹のクセを叱り、一方でその男を憐れんでいた。なんて差別的なのだろう。傷つくかと思いきや、彼は意外なことに、プライド高くはねつけてみせた。
「返答を拒否します! あまりに私の母や故郷に失礼だ」
その表情は、怒りでもなく悲しみでもなく、純粋な侮蔑への正当なる抵抗心に満ちていた。礼儀すら要求している。たしなめられても彼は一歩も引かず、それどころか堂々とのたまった。
「乳兄弟は村の長たる若人全員! 乙女たちはみな私の姉妹! 出生は天山陶春渚村、白燈江(はくとうこう)宮家嫡流、祈月夜空とは私です!」
そんな地名は今まで読んだどんなファンタジーにも出てこなかったが、あまりにヒロイックな名乗りに、青二才はすっかり魅了された。そして彼がハープでつむいだ、馴染んだ音色で奏でられる、典雅で流麗な調べとともに、聴衆はみな、その地の朴訥たることと、桜という繊細な花に彩られた春という季節が、いかに麗らかであるかということと、そこで生きる、地に足のついた農夫の力強い励ましを見た。彼がどんなにその地を愛しているか、そしてどんなに遥か遠くであろうとも、まだその理想郷はあるのだと、泣きむせぶような望郷の響きがその曲にはあった。魔術師界などとは隔絶していそうな島民まで、旅をしてきたようだ、そこで懐かしい友人に会ったみたいだと、興奮しながら連れに語った。
その頃の私の世界は、裕福なわりにとても狭い領域に限られたものだった。母から与えられたおとぎ話への熱中は既に過ぎ去り、家が求めるとおりに、私のイマジネーションはバイブルに一括された。新約に示される、あのただ一人の方の生涯は何よりも尊いと思えたし、旧約にある滅びの定めにある古代都市を私は常に歩いていた。そこで売買される奴隷の値打ちすら知っていたし、領主がどれだけの瓦石をその屋根に掃いているかすら見てきたように語ることができた。音曲で幻影を操ることのできるその少年を、私は己に対等な一人の師として認めた。父も首をかしげ、何だか足の疲れが癒えたようだぞと、専門家らしく語った。妹だけは、自分以上の音楽術を操る人間がいるという事実に打ちのめされていたようだった。
彼には、ぜひこの大学に合格してほしい。私は固唾を飲んで試験を見守った。そう思った者は多かったのではないだろうか。中には警戒して、密かに除外せんと思う輩もいたかもしれないが。感動を訴えたその島民などは、次なる期待にうずうずしているようだった。もし彼が不合格と相成っても、それこそどこかからのスカウトがあるだろうと思った。アルファベット順では終盤に追いやられる受験生までチェックしているのは、かなりの周到な野心家か、物好きだけだからだ。そして我がマリーベル家はその両方だった。学生の序列というものは、学力よりはほとんどこの場で測られる魔力量の選抜で決まってしまう。つまり、栄達もそれ次第というわけだ。まいないを受け取った職員は、よほど際立った才があれば、青田買いをしに来る場合もあると付加価値までつけていた。だから父も、妹も、見学する気になったのである。力あるマジシャンを抱えるのは、領主や大商人やうちのような修道院長にとっては、お飾りだけでない旨味もあったからだ。
「お父さん、あの人、うちの術もできるかな」
「改宗までが必要となるとな……ううむ」
妹がライヴァル心を燃やしてつぶやき、父の脚の疲れはよほど改善したのか、そんなつぶやきまで漏れていた。聴衆のほとんどがが、好意的にせよそうでないにせよ、初めの悶着から彼に注目させられてしまった。夜空というその少年はその後、秀才ぶりまで見せつけた。私も図鑑で知っているだけの『マギカ』という汎用魔法を、術式に定められた詠唱ではなく、魔術式を唱えることで見事に発動して見せたからだ。アピールというのはこのようにするものかと、私は唸った。冷酷だった試験官も熱をいれはじめた。彼はいわば真の拾いものなのだ。
私は事前の取引で今年の新入生の目立った顔ぶれまで知っていた。ルーシャンのヴェルシーニンと、クルシュタット連合王国のクラウス殿下というのが二強だが、国同士は停戦中なので、代理戦争にならないよう、注意が必要。有名な魔術の家柄については、呪いに関する汎用系を発展させているヘクタグラムカースの一派がまとめて入学する。そしてレクサゴーヌからは、色彩魔術の手品師二名が来る、という風に、説明や注意まで受けていた。それはおおよそ大学に余分な金を支払った人々の名簿だったが、彼の名はリストになかった。祈月という家は一体何なのだろう。天山から、ロンシャンを経由してこのような西の果てまで、麗しい若君を送ってくるだなんて。冒険心を否応なく刺激された私は、もはや外見に惹かれたなんて低俗な次元を超えて、彼の全てを知りたくなっていた。
試験官もそうだったのだろう。合格ラインは軽々と超えているはずなのに、突っ込んだ探りを入れ出した。続けて夜空が披露した技は、彼がたんなる吟遊詩人とは異なるのだと皮肉にも証明することになった。
「激光(ジーグン)、貫いて!」
光の魔術というのはやっかいだ。ホーリーライトもその類と言えなくはないが、よほど悪辣な者でないかぎり、人には効きづらい。しかし彼が大麗なまりで放ったその術は、音よりも早い光速で直進し、肉を貫く、文字通り殺人術に近いものだ。危険な赤光は彼の周囲を哨戒し、やがて手元に戻ってきては、火花のように拡散していく。少年が閃かす魔刃のきらめきだ。闇の危うさまで備えた彼に、私は完全に魅了された。
もう一人の『カナリアのような少年』にとっても、事は同じだったのだろう。夜空は親の見得で飾り立てられてはいない。夜空は我々のような文明的な西欧人ではない。夜空は黒髪で、砂漠を越えたはるか極東の生まれで、それなのに出自を誇り、高らかに故国を称賛して、はっきりした発音で誰にも対等に語りかけ、上背も充分で、たおやかで強かった!
始め見くだされた質素さは自身の未熟さをも写す鏡となった。たとえ、ぼろをまとっていようが、黒い瞳は生き生きと輝き、そして私たちとは違った世界を、汚辱も美点も愛さえも、既に見つめてきたのだろう。凛々しきアイリス。その頃の私は桜すら見たことがなかったので、最大級の愛着をもってそのように譬えた。私は彼に熱烈に憧れ、シリル・クール・ド・リュミエールは逆に憎んだ。ポジとネガ……。
最初、シリルが試験場の結界内に入り込んだとき、私は似た類かと思った。夜空があまりに魅惑的なので、思わず近づきたくなってしまったとか……シリル自身は否定したが、そんなところだと思っている。聴衆のざわつき、結界をつかさどるヘクサグラムカースの魔術師たちの動揺。しかし、もう一人の愛玩犬であった彼の唇から発せられたのは夜空への称賛ではなく、単に彼の財産を我が物にせんという、支配欲に過ぎなかったのかもしれない。
「ねえキミ……ロンシャンから来たんだろ? ボクに今の魔法を教えてよ!」
そんな子供っぽい難癖をつけに、他人の舞台に入り込んだのか? 誰もが信じがたく、そのせいで対応は遅れた。夜空の後ろ盾の灰狼の男が叫んだ。彼は上背があり、体格も強そうで、戦士のようであった。
「夜空、排除しろ! 刺客のおそれがある!」
それは絶対命令だった。例の島民が「おい!」と怒号を発した。瞬間、夜空の目の色は恐怖に見開かれ、乱入した少年をさも恐ろしい兵器のように捉えた。竪琴が構えられ、さきほどのみやびやかだった旋律が、アレンジを変えて陰鬱を添えて奏でられた。現れたのは、夏の夜……木でつくられた庇の下を、雨露が伝い、月光がきらりとそれをひらめかす。そのスローモーションのうちに、雷鳴が轟きわたり、それだけは幻影ではなしに、少年を取り囲んで一千もの稲光が貫いた。シリルもまた、魔素の護りはあったのか、その拷問には何とか耐え、怒りに燃えて何か詠唱せんとしたが、続けての首輪魔術師による号令で、彼の命は窮まった。『マギカ』が呼称とともに炸裂し、わずかに残った魔力をごっそりと意識ごと奪い、頼りない少年の肢体は宙を舞って、あげくに後頭部から地に落ちた。
ごとり、と嫌な音。
私は殺戮というものを初めて眼前に見た。
今振り返ってみれば、首輪魔術師『サンド・シー』の指示は妥当だ。アルカディア魔法大学は敵味方判然とせず、権力者も多数臨席する中で、唯一のロンシャン国籍の留学生の試験中にとつぜん乱入してくる小僧。少年だということで判断が遅れれば、事は遂行されたに違いなかった。誰狙いなのかもわからない。反ロンシャン組織、アルカディア魔法大学内の抗争、天山からの祈月氏への敵意、または政治家か。けれど彼らにとってすれば、何だろうが排除すべき敵対行動である。シリルはそれに、禁術『レインボウ』さえ詠唱してみせたから、事前計画などはなかったにせよ、実際は刺客そのものなのだ。『サンド・シー』が命じなければ、きっと夜空は光彩の渦に飲まれて跡形もなく蒸発させられていた。
実際そうなっていたら私はさらにひどくふさぎ込んで、立ち直れたかすら分からないのに!
次に生じた仕置きは悲惨なものだった。夜空に母親について質問したあの教授が杖を振り上げ、『ダークサンダー』! と叫ぶ。先端の青い魔法石が紺紫に輝き、球雷が天をうがって、夜空を沈黙させたのだ。強力な闇魔法、と私の目には写った。思い入れていた友人候補がひとをころし、より強大な力でぼろきれのようになぶられる光景は、博愛を渇望する少年の心臓を凍り付かせる。
コマ送りのように、彼が倒れる。手折られる。靴で踏みにじられて、輝きは二度と返らない。恐怖の鼓動が全身を支配し、私はパニックになって駆け出した。
彼はヘクサグラムカースの魔術師たちに囲まれて倒れていた。私は、大人たちの制止など構わず、脱力して重たい彼の身体を抱いて回復の呪言を唱えた。もはや口にしないと自らに禁じたあの魔法を、またもや紡いでしまったのだ。
死の床にいた祖父は生命力を枯れさせて聖なる光輪の中亡くなった。
あの男は、体内の細胞分裂が異様に速まったことに恐れをなし、重ね掛けされて二十年は老いた。
夜空はまだ若かったし、ダメージは甚大だった。強すぎる治癒の光であればこそ、死の淵から救えたのだ。私はそう思っている。
そしてマリーベル家は学長から呼び出しがかかった。(続く)
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